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Day3 パネルディスカッション

:今までの活動の中で、成功した例を紹介してください。男女共同参画にかかわることも教えてください。19p-discuss

:(アレイン)医師、弁護士、政府にかかわる人たちを変えることが大切です。
アルバニアの医師たちの例がおもしろいので紹介しましょう。とても貧しい国で、その病院では天井が落ちてしまったために、赤ちゃんをお母さんのもとに戻しました。その後、私が医師に教育したときに、医師たちは「思い出した」と言って、赤ちゃんの感染症が減ったなどの話をしてくれました。
母乳育児にあまりかかわっていなかった医師たちは変わりました。

A:(シュー)早産児の話です。病院に送られてきたとき、そこはBFH(赤ちゃんにやさしい病院)ではありませんでしたが、お母さんたちのサポートグループがあり、ほかのお母さんから助けを得ることができました。
5人のお母さんが出産後でした。インド系、マレーシア系、中国系、のお母さんたち。その子たちは今は健康にしています。
またアルガハンというグループは、スラムから連れて来られた7~8人のお母さんのいない子どもたちを母乳育児中のお母さんに預けました。

:(エスコット)日本にも成功した例はありますね。BFHでは98%の赤ちゃんが生後1週間母乳によって育てられています。
これから母乳育児をしようとしているお母さんに母乳育児の話をしてあげてください。

:先ほどのビデオ(オーストラリア中に流したCMのビデオ~トイレの便器に腰掛けて弁当を食べているサラリーマン。「あなたはトイレで食事したいと思いますか?どうして赤ちゃんはトイレで母乳を飲まなければならないの?」というメッセージ。トイレで食事している映像)はとてもショッキングでしたが、放送するにいたった経緯を教えてください。

:(エスコット)テレビ局の地域支援活動として2ヶ月間無償で放送されました。タスマニアとオーストラリア全土で放送。何度も、どんなものが効果的かを見直して作られたものです。
タスマニアの団体がファンドレイジングに成功し資金を得たので、何に使うか考えCMを作りました。
若い女性にインタビューをして、公共の場での母乳育児が彼女らによく思われていないことを知りました。制作も広告会社が無料でやってくれたのでお金が残り、そのお金でポスターやシールを作りました。

:医療職ではないお母さんたちが、病院での人工乳の作り方指導などを受けて、WHOコード違反を見つけたときに、具体的にどのようなことができるでしょうか?

:(アレイン)最初にするべきことは、サンプルなどを拒否すること。
それよりよいことは、BSN(母乳育児支援ネットワーク)に送ること。そうすれば報告書を作ることができます。

:(ジュー・カン)お母さん方のモニタリングはとても重要。サンプルを見つけたら、報告書を作れます。
中国では「赤ちゃんようこそ」という言葉をつけてはいけないことになっています。

:男性にできる母乳育児支援とは何でしょうか?

:(アレイン)お父さんはオムツを替えたり育児を手伝い、さらにコード違反モニタリングに協力できます。

:(ジュー・カン)国際規準にNGO団体や個人は企業に対してモニタリングできるということが記載されています。

:政策として取り入れた国では、母乳育児がどのように変わりましたか?

:(ジュー・カン)24カ国で法制化されました。
企業の行動を変えることができます。ブラジルでは規制が厳しく、かなり製品の表示方法が変わっています。

:(アレイン)アフリカでも多くの国で法制化されています。
企業がとても強かったのですが、われわれの活動によってそれを変えることができました。
草案はほとんど男性がいない女性ばかりのところで作り、法制化されました。

:(エスコット)赤ちゃんにやさしい病院では母乳育児率が10%から90%へと劇的に変化しました。

:(瀬尾)10ヵ条のすべてを守ったときには、非常に効果が現れます。

:(シュー)マレーシアには赤ちゃんにやさしい病院(BFH)が1万4千件以上あります。
中国でも今はBFHで赤ちゃんが生まれています。
マレーシアでは、公共の病院はすべてBFHになっています。マレーシアの国民は、インド系、マレーシア系、中国系の人種が多いのですが、中国系の人は「おっぱいが小さいから母乳があまり出ない」と思い込まされています。
1997年の会議において「母乳育児によって知能が高くなる」という話が出たので、中国系の人たちがみな母乳育児をし始めました。
昔は経済的だから母乳をあげるという目的でしたが、現在では、お母さんが高い教育を受けているほど、母乳育児を選択する傾向にあります。

:IBCLC(国際認定ラクトーションコンサルタント)として働いている人々について、どの国が国家資格としているのでしょうか?

:国家資格ではありません。

:52カ国にIBCLCがおり、ほとんどは看護師か助産師、保健師です。自分の分野で活躍している一方、IBCLCとして特別な仕事もしています。
これらのスタッフは、お母さんだけの支援ではなく他のスタッフの教育にも当たっています。

:母乳育児を人に勧めるときに、人工乳で育てているお母さんのことを考えると、母乳の利点を話すことをためらうことがあります。

:(アレイン)お母さんたちが犠牲者である、と言うことが大切です。
最初の段階で十分な情報がないまま選択できない状況があったわけで、そういった状況には怒りを感じるし、そのような状況が二度とないようにしたいと思います。
粉ミルクが大丈夫だというような間違った認識をしないようにさせなければいけません。母乳と粉ミルクを両方使うようなことは避けるべきです。

:(ジュー・カン)母乳と粉ミルクを混合で使うことは、母乳育児に対して悪い影響があるということが明記されています。
お母さんたちに情報を与えるのは企業の責任ではなく、ヘルスワーカーの責任です。

:(瀬尾)調乳指導は必要なお母さんだけにすればよいのです。

:(シュー)どこからどこまでが罪なのかを知らなければなりません。
企業が一番お母さんを誘うことに長けています。お母さんに母乳と代用品(粉ミルク)が同じように思わせています。
友達の話も用心して聞くべきです。
医師にもそういう人はいます。社会では医師から人工乳を勧められることもあります。われわれに対する挑戦です。

:(ティプ)保健センター自体も、BFHのようにお母さんを支える組織であってほしいです。

:(エスコット)母乳の情報は育児に際して重要な情報です。
禁煙の有害性はみんな知っていて誰も秘密にはしないでしょう。しかし、母乳の場合はどうですか? 保健従事者や他の人にも、このような情報を広めていくことはとても大切です。
日本のBFHで出産したお母さんたちの98%が母乳育児をしたことがあるのはとてもすばらしいことです。

:(高橋)「人工乳で育てているお母さんを傷つけないように」とする考えが、母乳で育てているお母さんをとても傷つけていることがあります。
WHOは2歳かそれ以上まで母乳を与えることを勧めているのに、母乳育児を続けると、母乳をあげているお母さんは非難され、傷つけられています。

:BFHには、助産院も認定されますか?
:(エスコット)イエス

:哺乳びんを持った人形やおもちゃがとても多いが、これはどうでしょうか?

:(アレイン)法律的におもちゃは規準の対象ではないが、ある国では人形の哺乳びんの中にたくさんの広告が入っていたこともあります。この広告を見て会社に苦情を言ったら、法律的に規準違反ではないが、会社に訴えることによってその会社は改めてくれました。

:(シュー)メディアを監視しているグループがあります。女性側のほうから、女性に失礼なことがあるときには宣伝をできるのです。消費者グループ、環境グループ、どちらも可能です。
宣伝に関しては日本にもあるでしょう。生後6ヵ月間母乳育児をするべきだと同意している国ならば言えます。

:(エスコット)人工乳で育った赤ちゃんはダメージを受けています。

:(アレイン)先ほどの罪悪感の件ですが、私たちは、「母乳によって赤ちゃんの頭がよくなる」ということをやめなければなりません。。母乳育児が基準なのであって、人工乳はそれより劣ると言わねばならないのです。
母乳育児がベストだと言い続けると、みな眠くなってしまう。人工乳で育った赤ちゃんは感染症にかかりやすいし、知能的な面でも劣ることが分かっています。
強くお勧めしたいのは、地下鉄などの広告に載せること。ブラジルでは「母乳で育った赤ちゃんは頭がよくなる」という広告を地下鉄に載せました。お父さんがたに影響がありました。
よその国の事情を見て、自国の変化を試みることができるでしょう。地下鉄の会社では、イメージを大事にしますから、おっぱいを出さずに赤ちゃんのかわいい写真を載せるのがいいかもしれません。

:(シュー)地域も、医師も、ポジティブに、いい方法がいっぱいあるのを使っていただきたい。ネガティブなイメージをなくしたいです。
母乳育児している絵や写真には大きなおっぱいばかりが使われている。小さなおっぱいも出されれば、小さなおっぱいの人の自信に繋がるでしょう。

文責:本セミナー情報発信チーム

母乳育児支援ネットワーク(BSNJAPAN)について

母乳育児支援ネットワーク(BSNJapan)はWABA(母乳育児支援行動連盟)を日本で紹介し、日本での母乳育児を支援する活動を行うことを目的として2000年に設立された非営利団体です。 WABAの支援団体として登録されており、母乳育児支援に関心のある方の参加と協力をお待ちしております。

BSNの理事会は医師や助産師などの保健医療専門家のみならず、社会福祉やメディア社会学、法律の専門家、および母乳育児支援団体の母親リーダーなどを含むメンバーで構成されており、母乳育児がしやすい社会をめざして活動を続けています。

BSNJapanはWABA(世界母乳育児行動連盟)の承認団体であり、乳児用食品国際行動ネットワーク(IBFAN)のメンバーグループでもあります。


最初は母乳だけ、その後も他の食べ物を補いながら母乳を与え続ける。金色のリボンは、 その「ゴールド スタンダード」、つまり理想のありようの象徴です。

WABA(世界母乳育児行動連盟)とユニセフが共同で提唱している「金色のリボン運動」に参加しています。

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