Day3 日本におけるIBCLCの活動

-瀬尾智子氏(日本ラクテーション・コンサルタント協会)

IBCLCとは?
International Board Certified Lactation Consultant
(国際認定ラクテーション・コンサルタント)
母と子に質の高い母乳育児支援を提供するのに必要な、一定水準以上の技術・知識・態度を持つヘルスケア提供者のこと。
IBLCE(ラクテーション・コンサルタント資格試験国際評議会)によって実施される世界共通試験に合格することによって得られる資格を有する。
IBCLCの役割(1)
( Competency Statementsより)
1.出生前から生後1年以上の期間にかかわる様々な状況でのラクテーションについて、包括的なコンサルテーションと教育を行う優れた技術と知識を有する。

IBCLCの役割(2)
2.母乳育児のケアを行うために、以下の総合的な知識を有する。
解剖学・生理学・内分泌学・栄養学・生化学・免疫学・感染症学・病理学・薬理学・毒物学・心理学・人類学・子どもの成長と発達・統計学・倫理と法律的問題・母乳育児に関する技術・公衆衛生学

IBCLCの役割(3)
3.母乳育児のサポートの際、パーソナリティについての知識、カウンセリングの技術、家族・集団理論を応用できる。
4.母乳育児の文化的・心理的・栄養学的・薬理学的な観点を総合的に踏まえ、ラクテーションのコンサルタントを行うことができる。
5.クライアントと医療者との間に立ち、適切なコミュニケーションの技術を使用できる。

IBCLCの役割(4)
6.家族の個別性を大切にするケア、クライアントの自主性、情報が十分示された上での意思決定と適切な医療ケアを尊重し、クライアントとの間に協力的な支援関係を築く。
7.地域や職場、医療専門家のなかにおいて、母乳育児を支持するように行動する。

IBCLCの役割(5)
8.クライアントや医療者、地域への教育活動において、成人学習の理論を実践することができる。
9.実際の応用に適切かどうかを判断できるように、最新の研究結果を解釈することができる。

IBCLCの役割(6)
10.フォローアップの計画をたて、他のヘルスケア提供者や地域の支援組織に適切な照会を行い、ヘルスケアチームの一員として職務を果たすことができる。
11.クライアントの包括的な記録を残す。

IBCLCの役割(7)
12.専門家の倫理コード、地域の法律やコードを遵守し、適切な衛生水準を維持する。
13.WHOの母乳代用品の販売流通に関する国際規準に概説されている医療従事者のためのガイドラインを遵守する。
14.適切で規則的な継続教育により知識と技術を維持し深める。

IBCLCになるには?
受験資格:
・看護職では、教育背景が4年以上の場合、最低2500時間、短大卒の場合は最低4000時間、臨床医の場合は最低900時間、それ以外の背景の場合はそれぞれに応じて、母乳育児コンサルタントの経験があり
・受験日から遡って3年以内に母乳育児支援に関する専門教育を45時間以上受けていること。
試験:
7月の最終月曜日に全世界共通試験が行われる。

日本のIBCLC
日本人IBCLC第1号は1995年に認定
2003年1月現在、日本語を第一言語とするIBCLCは39人
海外在住日本人IBCLCは5人
英語を第一言語とする日本在住IBCLCは3人

日本のIBCLCの背景
(日本在住外国人IBCLC・海外在住日本人IBCLCを含み、資格は重複)
助産師  27名
看護師  2名
保健師  7名
小児科医 7名
産科医  3名
ラ・レーチェ・リーグ・リーダー6名
弁護士  1名
ソーシャルワーカー 1名

日本におけるIBCLCの必要性(1)
母乳育児支援に関して、IBCLCと従来からの助産師の関わり方は重なり合う部分も多い。
しかし、様々な専門家の行う「指導」には、知識の正確さや技能に差があり、必ずしもすべてが効果的ではない上に母親を混乱させる場合がある。

日本におけるIBCLCの必要性(2)
母乳育児支援に関わる専門家の質を一定の水準に保ち、ケアの受け手である母と子、そして家族に良質な母乳育児支援を提供するために、資格を設定。
専門職としての背景に関わらず、母乳育児支援のためのEBMを基にした共通の知識基盤と支援技術を持っているのがIBCLC。

日本のIBCLCの活動
(JALC正会員のアンケート調査より)
実際の母乳育児支援(施設内や個人で)
同僚や他の専門職へ母乳育児支援についての情報を提供
講演
執筆
教育
インターネットなどでの情報発信

日本ラクテーション・コンサルタント協会
Japanese Association of Lactation Consultants(JALC)とは
IBCLCおよび母乳育児支援に関わる専門家からなる非営利団体。
1999年に有志によって設立。
IBCLCの国際組織である国際ラクテーション・コンサルタント協会(ILCA)の姉妹団体。
正会員はIBCLC。賛助会員は約400名。

JALCの主な活動
学習会の開催
スタンダードな情報の提供
国内外からの情報の紹介
国内外の母乳育児支援団体との交流
IBCLCとしての情報発信
http.//www.jalc-net.jp/
参考文献
井村真澄:国際認定ラクテーション・コンサルタント(IBCLC)について. 助産婦雑誌, 56(6):9-15, 2002
瀬川雅史訳:Competency Statements( Candidate Information Guide and Application Booklet, 1999)より
大山牧子:JALC正会員アンケートより

いずれも著者の了解を得て、一部改変。
協力してくれたJALCの仲間全員に感謝します。

母乳育児支援ネットワーク(BSNJAPAN)について

母乳育児支援ネットワーク(BSNJapan)はWABA(母乳育児支援行動連盟)を日本で紹介し、日本での母乳育児を支援する活動を行うことを目的として2000年に設立された非営利団体です。 WABAの支援団体として登録されており、母乳育児支援に関心のある方の参加と協力をお待ちしております。

BSNの理事会は医師や助産師などの保健医療専門家のみならず、社会福祉やメディア社会学、法律の専門家、および母乳育児支援団体の母親リーダーなどを含むメンバーで構成されており、母乳育児がしやすい社会をめざして活動を続けています。

BSNJapanはWABA(世界母乳育児行動連盟)の承認団体であり、乳児用食品国際行動ネットワーク(IBFAN)のメンバーグループでもあります。


最初は母乳だけ、その後も他の食べ物を補いながら母乳を与え続ける。金色のリボンは、 その「ゴールド スタンダード」、つまり理想のありようの象徴です。

WABA(世界母乳育児行動連盟)とユニセフが共同で提唱している「金色のリボン運動」に参加しています。

Facebook母と子の災害時の育児支援 共同特別委員会

災害時の母乳育児相談