投稿者: bsn-admin

Day1 母乳育児の保護・推進・支援のために~わたしの歩んできた道

■母乳育児の保護・推進・支援のために~わたしの歩んできた道

―ロズ・エスコット氏(IBLCE-ラクテーションコンサルタント資格試験国際評議会)

ロズ・エスコット氏は、オーストラリアを始めとする母乳育児支援に携わったご自身の経験を話して下さいました。

私の経験を話します

三代にわたる母乳育児の歴史がある
自分の祖母、母、そして自分がそれぞれ母乳育児をした

ABA(オーストラリア母乳育児協会)~LLL(ラ・レーチェ・リーグ)と似たもの
ボランティアでの関わり
母乳育児をしながら勉強した

ABA 学校を訪問して母乳育児の大切さを語る
他のカウンセラーを養成する
息子が1歳の時、高校へ出向いて授乳のデモンストレーションを行った

1991年 評議委員会 IBLCEの職員となるか評議員となるかの選択
今は常勤の職員~地域担当者任命
IBLCEの色々な部分で役職に就いている

たくさんの会合に出席 IBLCEの準備・印刷物の準備
ABAのカウンセラー(15年間)電話でのカウンセリング
複雑なケースの相談
ABAの企画 母乳のビデオ、販売

1992-1997 APMIAF(オーストラリアにおける規準の監視) 地域代表
オーストラリア政府から選ばれて→WHO 国際コンサルタントへの訓練

1995 別のWHO企画 「査察と評価の共通の枠組み」の研究と更新

タイの厚生省と一緒にBFH推進運動、規準の実施への評価

オーストラリア規準
・ロビー運動~哺乳びんと人工乳首の販売に関する国際規準の実施

個人的におしゃぶりと人工乳首をコレクションしている→弊害に関する警告は書かれていない

BFHI(赤ちゃんにやさしい病院推進運動) 自身はABA代表 国内のBFHIグループの代表

オーストラリアには35のBFH(赤ちゃんにやさしい病院)→3年ごとに再認定が必要
政府はBFHIへ財政援助を行っている

ニュージーランドと香港→BFHI教育プログラムを教えた

Breast feeding Coalition→政府から助成金あり
多くの助成金を得たので、多くの企画をすることになった

ABAの企画
1.公共の場で母乳育児することに対する意識調査
母乳育児推進のポスターを学校やスクールバスに貼った

2.商店やレストランに母乳育児歓迎のポスター・ステッカーを貼る

3.若い女性の母乳育児に対する意識に関わる集団調査

4.テレビのコマーシャル
成人男性がトイレの中で食事をしている映像
「大人はこんな事をしないのに、どうして赤ちゃんはトイレで食事しなければいけないの?」
→無料で放映され好評だった

Breast fest 2001(おっぱい祭り2001)
1度に1ヶ所で如何に多くの人が母乳育児するかという世界記録に挑戦
赤ちゃんがおっぱいに吸い付いたらお母さんが手を挙げ、
肩に貼ったステッカーを公式の記録係りが数えた
タスマニアで数百人を記録、直後にシドニーで記録が破られたが、
その後、すぐにカリフォルニアで1000人を超える記録が生まれて塗りかえられた

Food and Nutrition Polivy 食物や栄養に関する政策
タスマニアの政策・・・食品栄養政策作成委員会の「母乳育児部門」の代表
食事の手引き 母乳育児は「大切な10項目」の中のひとつに含まれる

☆ 国の母乳育児推進戦略
Project1 先住民(アボリジニ)の母乳育児支援
2. 保健医療従事者のための乳児栄養指導の手引き
3. 母子保健の評価のための国の認定基準作成 12ヶ月までのケアも明文化
4. 国家規模で母乳育児教育を行う(ABA企画)
親のための教材~6ヶ国語で作成(日本語はない) ティーン用の漫画
5. 母乳育児と仕事を両立させる手引き
6. 保健医療従事者への教育
7. 産前教育用のセット
8. 母乳育児と有給職の両立
9. 母乳育児のモニタリング

☆オーストラリアの母乳育児率
1995 母乳育児始めた 87.6%  全く母乳育児をしない 12.4%
6ヵ月以上続けた 47.1%

まとめ  以上のように母乳育児を推進してきた

「母乳育児の大儀と母児援助のために 喜んで自分の時間を無償で捧げます」

WABAとは・・・母乳育児支援は草の根レベルから国際レベルへ発展してきた

文責:本セミナー情報発信チーム

Day1 母乳育児への挑戦~増大する企業の力

―アネリス・アレイン氏(IBFAN-乳児用食品国際行動ネットワーク)

アネリス・アレイン氏は、IBFANについてや、母乳育児を阻害する企業の行き過ぎたマーケティングの実態について報告されました。
——————————————————————
IBFAN -International Baby Food Action Network(乳児用食品国際行動ネットワーク)とは
世界的な団体
粉ミルクのみならず乳児用の食物すべてに関して活動するネットワーク
1979設立 24年間活動を続けている

人工乳に関する国際規準を監視する機構を作った

IBFANの役割
・Advocacy(支援)
・Capacity building 体制作り 政府に理解してもらうように
・Awanees raising 関心を広げる メディア・パンフレットなど

情報を分け合うこと
ネスレ(世界シェアの40%)ボイコットのようなカンパニーキャンペーンの調節

トップ→ダウンでは何も育たない ひとつのネットワークとして協力しあう!

増大する企業の力

企業のスキャンダル、公害、9/11、などの問題に目をそむけることはできない
世界には暗い力(Dark force)があり母乳育児に対抗する
HIVなどの問題を使って人工乳を勧めようとしている

食物の安全保障・・・赤ちゃんが母乳によって育つことから始まる

世界を支配する3つのもの
1.政府
2.企業
3.市民

この20年間国連が主導して企業を監視するシステムができた
1980年代の監視機構

1990年代弱くなってきた
国連多国籍企業、監視の閉鎖→弱体化
2000年~ 自由貿易のパートナーシップが強調され、それは母乳育児を犠牲にしている

世界で約20の多国籍企業が乳児用粉ミルクの販売に関わっている
彼らのマーケティング方法は・・・
1.インターネット(どの政府も中止させることができない)
2.企業が病院へ人工乳を無償提供する
病院では母乳育児の指導をするより人工乳を与えた方が簡単
!! 台湾 1人の赤ちゃんに人工乳を与えると25ドル台湾ドルを企業からもらえる
!! カナダ ミージョンソン社の製品を使うと、赤ちゃん1人につき45カナダドルをもらえる
!! カンボジア 「母乳が出るようになるまで」1回分ずつの人工乳が無償で与えられている
パッケージに印刷してある会社(デンマーク)の名前を売り込むため
こんな事を続けていれば、そのうち母乳は出なくなってしまう

豊かな国には多くのものを与え、貧しい国には少しだけ(一回分ずつ)与える
その目的は「どのように消費者の心をつかむか?」

家庭に贈られるもの
・無料の製品提供(試供品)
・ポスター、冊子、カレンダー、ステッカーなど
※日本で明治乳業の2003年カレンダーを見た
マレーシアではハイウェーでの掲示板

新しい商品の紹介 妊娠中から商業活動として取り組む
・赤ちゃんと妊婦用のミルク(「このミルクを飲むと赤ちゃんがより健康になります」)
・お母さん向けのクラブを作った(会費無料・試供品のプレゼント)

お母さんになる人が母乳育児をするために特別な粉ミルクを飲む必要があるのか?
→母乳育児の価値を下げる

WHO コード →販売促進を規制
WHOコードができたときは妊婦用の粉ミルクなど存在しなかった
今やフォローアップミルクと妊婦用粉ミルクが同じ販路で流通している

粉ミルクの市場はどんどん拡大している
乳児用食品の世界市場
2001年 170億USドル(うち64%が粉ミルク) 2005年には17%増えて200億USドルへ

真実を隠す企業のPR 「当社は国際規準を守っている」と言う

何故たくさんのPRが行われているのか?
企業~国連のシステムに入り込みたいという目的である

正確な情報を記した様々な美しいリーフレットがある。これらは効果的だ

☆母乳育児支援 経済的には制度がある

WHOコードは、もちろん日本でも正当なものとして紹介されている
決して途上国だけに適応なものではない
雪印・明治・森永のことも資料にある

企業の活動について最新の情報をとらえておく必要がある
企業は公私のパートナーシップを作る

国連における企業のパートナーシップ(Global Compact)
4つの致命的欠陥
1.会社を間違っている
2.間違った関係
3.間違ったイメージ(bluewashing)国連の「青」を基調とした宣伝をする会社が出てくる
4.監視や強制がない

企業から自由な国連に向けて
※People’s organization は脆弱
※国連は人々の側に立って発言しなくてはならず、企業の代弁者となるべきではない

IBFANはネスレに対して「最も国連に取り入ろうとする最悪の嘘つき企業」として表彰した

GAIN(よりよい栄養のための世界連盟)
WHOの内部にはない・企業活動ではない だれが支持を与えているのかも分からない
WHOが何の発言もできない
だれがお金を出しているのか→
ビル・ゲイツ(Microsoft)、クラフト(フィリップモリス社に参加)、ハインツ(規準違反で有名)、ロシュ(栄養食品で処罰)

※ホルモンを与えた牛 以前の25%以上生乳を増産
※遺伝子組み換え(操作)
→ハーマン ドリー・・・人間のタンパク質(ライリザイム、ラクトフェリン)を作り出せる初めての牛
会社の宣伝「これは新しい! 改良されている」

動物を間違ったやり方で操作している(遺伝子操作)
人々にショックを与えるために作ったポスター(8つの乳首をもった女性が授乳しているイラスト)
→現状に気づいてやめさせる目的

遺伝子操作した食品が出回る
Ex.トウモロコシ→アフリカに提供している
飢饉の時に「遺伝子組み換え食品はいらない」と断ることは難しい

クローンの問題 人工的母乳・人工的子宮を作ることができるかもしれない

世界には様々な薬品があり、効果がわからないものもある
お金がある人のために「健康になる薬」が作られる
病気への対処をなされない
・記憶力を高める
・神経を疲れさせない →これらの薬がどういう役割を果たすか

1960年代 新しい技術 SEXしても子どもを生まない
1990年代 SEXしなくても子どもを持つことができる
10年後はどうなるか? 親のいない子どももでてくるかもしれない 母乳育児はどういう意味を持つのか?
→少々ショックな話題かもしれない

「新製品」とはどういうものなのか よく見てほしい
日本の企業が国内で・国際社会で何をしているのか
——————————————————————
★城所氏(乳児用粉ミルク問題を考える会)の発言
乳業会社のポリシー
→森永砒素ミルク事件・雪印食中毒事件・雪印食品偽装事件に表れるように、すべてに営利が優先される
今後「乳児用粉ミルク問題を考える会」では、法制化を考えるなどしていきたい

城所氏はこれらの話を大学で講義している

文責:本セミナー情報発信チーム

Day1 質疑応答

:雇用主が働くお母さんのために作ることのできる環境について具体的にまとめた案はありますか?

:(エスコット)オーストラリアでの状況は以下のようです。
お母さんにやさしい職場運動
条件を満たしてくれた職場を表彰する
母乳育児をしているお母さんが復職することを歓迎するという職場の方針が必要
産休に入る前にそれを知らせる必要がある(仕事をするために母乳育児を辞めなくてすむ)
母乳育児をするお母さんのところにラクテーションコンサルタントを派遣する資金を援助する企業もある
搾乳する場所・冷蔵庫の提供、搾乳時間の保証(決まった時間ではなく個別に対応)
条件を満たしている企業はホワイトカラーの職場が多くブルーカラーでは少ない
残念ながら企業内保育所はオーストラリアでは少ない(託児所が満たすべき条件が厳しいため)
首都キャンベラの国会に託児所を作る試みがありましたが、交通量が多く空気が汚れているという理由で許可がおりませんでした。
復職する人を母乳育児をしているかどうかによって差別してはならない法律にかんがみて企業へ要求していってはどうでしょうか。
香港の公立の病院は、すべてBFHになるという方針を打ち出しました。

:(シュー)ILOの女性保護条約(日本では批准されていない)という女性のためのルールがあり、これには母性保護も含まれています。母性の保護は先進国でも途上国でも重要です。
公式に働いている人・公式ではなく働いている人(漁師の妻など家業を助けている人)の両方をカバーする必要があります。
国と国との兼ね合いが重要です。
オーストラリア・アメリカでは労働組合が強く、国としての母性保護は確立されていません。
企業に対して6ヵ月しか働いていない人に産休・育休を与えるように要求するのは難しいかもしれないので、どんな人も保護を受けられるよう国が保障するべきです。
ノルウェー・スウェーデンでは国による母性保護が確立しているので、6ヵ月しか働いていなくても支援が受けられます。
オーストラリアでは4ヶ月の育休が認められており、法律としては制定されていません。
母性保護においては、時間、場所、子どもとの距離といった具体的な事項も大切です。
世界的には理想を追えますが、国の状況によっては妥協も必要です。
ユニセフなどには託児所がありません。
WABAなどの組織によりクリエイティブな方法を進めています。
病院という場所は、マザーフレンドリーとしては最初のステップとなります。
ベビーフレンドリー=マザーフレンドリーです。
マレーシアの病院で、赤ちゃんには優しいがお母さんには優しくない状況がありました。
雇用主→政府へ働きかけましょう。
:タスマニア母乳育児連合がもらった助成金のプロジェクトはとても良かったですね。日本では「母乳で育てられないお母さんがかわいそうなのでキャンペーンはしない方がよい」という考え方が根強いのですが、タスマニアのケースでそのような意見はなかったのでしょうか?

:(エスコット)オーストラリア・タスマニアでも同じ事はありますが、段々少なくなってきました。
実際に母乳育児を「できない」お母さんはほんの少ししかいません。
オーストラリアでは、母乳育児しない事を選択しているお母さんの方が多く、これは医療職・周囲からのサポートがないためです。
キャンペーンに否定的な意見を言う人は母乳育児を支援していない人です。
私たちはお母さんたちにそのような思いをさせてはいけません。
「母乳育児がふつう(ノーマル)である」とずっと言い続けてきました。
BFH(赤ちゃんにやさしい病院)では母乳育児を強制しません。しかし、適切にケアされることによってほとんどのお母さんが母乳育児できます。
「母乳育児は権利である」と言い続けることによって否定的なコメントは減少してきました。
オーストラリアの病院では「母乳育児をしない」と選択した人は恥ずかしくてそれを言えないような状況で、病院にいる間は母乳育児をし、退院してから人工乳で育てているようです。

:(アレイン)WHOは「98%のお母さんは母乳育児できる」と言っています。日本人だけが違うとは思えませんね。
たくさんの国が「母乳が足りない」ことを母乳育児支援しない言い訳にしています。
もし、お母さんが母乳育児できなかった為に後ろめたい思いをするとすれば、それは哺乳びんで授乳する(人工乳で育てる)文化の犠牲になっています。
後ろめたい気持ちになる原因(文化の犠牲になっているということ)を知るべきです。
また、人工乳で育てるということは良くない選択ということを知っている必要があります。
そのためには医療の専門職がそれを知っている必要があります。

:(シュー)お母さんが実践することが大切です。
お母さんは不安なものですから、不安にさせない環境が大切になります。
私の友人である中国人の例では、中国人は乳房が小さく、周りにも完全母乳の人が少ないという状況で不安が大きかったようです。彼女は「母乳が足りなかったときのために哺乳びんを準備しておく」と話していました。
医療保健専門家の役割は非常に大切です。確信を持ってお母さんに接することです。
:IBFANへ質問です。母乳代用品販売促進の経路毎のコストを把握していますか?

:(アレイン)企業がどれだけの利益を得ているかは、企業のトップシークレットなので誰にも分かりません。
母乳代用品関連商品は非常に利益率が高いと言われています。
1人の赤ちゃんにつき、年間に約5万円分の利益があるといわれています。

:大学に育児工学(ベビーマッサージで赤ちゃんの脳波がどう変わるか等)があります。自分の母乳育児の経験から、実際に母乳育児による影響を感じました。このようなテーマで研究をしたいと考えていますが、オーストラリアなど海外にそのような研究はありますか?今後どのような方向で研究を進めて行けばよいと思われますか?

:(シュー)オキシトシンというホルモンの研究をしている人がいます。
オキシトシンの作用
・母乳分泌
・赤ちゃんが母乳を飲むと、赤ちゃんの体の中にもオキシトシンが分泌される→赤ちゃんを穏やかにする

※通訳者コメント※オキシトシンはお母さんの愛着行動を形成する作用もあり、愛情ホルモンとも呼ばれています。最新の研究により以下のことが分かっています。
・赤ちゃんが吸啜をして、口腔内の粘膜が刺激されるとオキシトシンが出る
・赤ちゃんのオキシトシンは食物の利用率(栄養の消化吸収)を高める
・赤ちゃんの脳の構造が両親の対応の仕方(ペアレンティング)によって変わっていく

:(アレイン)オランダでは自宅出産が50%以上を占めています。
赤ちゃんが家庭で生まれることは母子密着を深めます。
温かく薄暗い状態で、生まれてすぐお母さんの胸に抱かれ、心臓の音を聞くなどボンディングによって母と子の自信が作られます。ヨーロッパではそのような(家庭分娩→ボンディング重視)傾向があります。

:(エスコット)オキシトシンにはフェロモンを出す作用もあります。授乳中のお母さんは魅力的に感じられますね。
■ゲスト・スピーカーからのメッセージ

アネリス・アレイン氏 IBFAN
ここに参加している人々の多くは母乳育児支援をしている人たちでしょう
お母さんたちはどんどん代替わりをして新しくなっていきます
もし今、私たちが活動をやめたならば、そこから人工乳会社の情報が入ってしまいます
母乳育児支援活動は長期にわたって継続されることが必要です

スーザン・シュー氏 WABA
先は長いです
ABCという3つポイントがあります
A: Aware 何が起こっているか知らなくてはならない   Angry 怒れ!!
B: Brave お母さんを助ける勇気
C:Comit 戦うことに自分をつぎ込む
残念ながら、本当にこのような話を聞かせたい相手はここにいらっしゃるような方々(母乳育児支援をしている人々)ではありません

ロズ・エスコット氏 IBLCE
今日のことを周囲の人に伝えてください
大なり小なりアイディアをもって行動してほしいです

文責:本セミナー情報発信チーム

Day2 国際規準の歴史/入門国際規準

■国際規準の歴史
―アナリス・アレイン氏(IBFAN)

(アナリス氏はこんにちは!と日本語で挨拶をしてくれた。明日までにはもう少しうまくなるよう練習するとのこと・・・。)

母乳代用品の出現以来、母乳で育てられる赤ちゃんはみるみる減少していった。母乳代用品の販売促進と乳幼児の死亡率は比例関係にあるということがわかり、マーケティングの規準を設けることにした。1981年まで、母乳の利点についてはほとんどわかっていなかったが、それは企業による調査のみだったからである。

WHOコードの採択により、母乳育児は世界的に保護・推進される方向に向いてきた。
日本は採択を棄権したため、企業によっては規準を守る必要はないものと捉えているところもある。
国際企業ネスレのボイコットはいまだ続いている。

IBFANは、企業の販売する権利は認めているが、倫理にもとる活動は支持しない。

1981年5月21日 世界保健機構総会で「母乳代用品の販売流通に関する国際規準」が採択されたとき、世界198カ国ある中でアメリカだけが1票の反対票を投じた。
(世界は198カ国ある! 会場にこの数を質問されましたが、400?500?という感じでした)韓国、日本はアメリカに追随するかたちでそれに近い棄権をした。

皆さんの国日本がこの規準をどの程度守っている状況にあるかは、IBFANがつくっている国のスコアチャートでチェックできるので、みてください。
■入門国際規準
―ヨン・ジュー・カン氏(IBFAN)

(ヨン・ジュー・カンさんは母国語であいさつをしてくれました。帰国するまえまでに少し勉強したいそうです。今知っている日本語は「はい」のみらしい・・・。)

日本の育児雑誌を見てびっくりした。色々な製品の広告がある。
「母乳代用品」について、規準を作った側と企業側とでは解釈が違っている。
実際には規準は、生後6ヶ月未満の赤ちゃんに与えられるものは何であれ、乳製品以外でもすべて対象となる。シリアルやお茶なども含まれる。
生後6ヶ月以降の赤ちゃんにとっては、シリアルやご飯は離乳食であり、対象とならない。フォローアップミルクは、生後6ヶ月以降の赤ちゃんにもやはり母乳を与え続けるべきという観点から代用品と解釈するべきである。(企業側の解釈は異なる。)
哺乳びんや人工乳首も規準の適用対象にあたる。

日本の企業では、例えば明治乳業のエジプトでの広告には、「母乳とほとんど同じ」という記載がある。
また、規準があいまいな国では販促用ポスターやカレンダーなどが配布されたり、母親や医療者にサンプルが渡されたりしている。
病院の産婦人科病棟に掛け時計を寄贈し、企業の名前が多くのお母さんたちの目に付くようにしているところもある。台湾のとある病院では、各病室に時計を置くために買わなければならなかったが、産科病棟だけは買わなくて済んだ。森永、明治の時計が配られているから。
育児の電話相談窓口を設けているメーカーもあるが、どのようなアドバイスがなされているか想像はつくだろう。WHO規準では乳業会社が24時間相談を受けられるホットラインサービスをもうけて宣伝することも禁止している。
1人の赤ちゃんを人工乳で育てることによって企業では450ドル儲かるという算定がされている。

人工乳で育てると健康で丸々と太った赤ちゃんに育つと印象付けるような広報(カタログの挿絵)もなされているが、科学的な根拠も実態もない話である。むしろ人工乳で育てた場合の危険性について記載されるべきである。一方で母乳育児についての情報も載ってはいるが、読めないような小さな文字で書かれていて、内容について理解を得ようとしているものではない。

例えばマレーシアでは、WHO規準を採択後国内法で法規制しており、着実な成果が見られる。
日本の乳業メーカーは国内では無法状態の商法を営んでいるが、しっかりとした法制の下で圧力を加えられる国では、その法を守っている。
たとえば(人工乳の缶ラベルのスライド)多くの国のラベルには、「母乳の方が人工乳より優れている」と表示されている。
(イランの規準法制化前と法制化後の缶ラベルのスライド)法制化後は、赤ちゃんの写真もSNOWBRAND(雪印)の文字もなく、白い缶になっている。
国内ではなぜ同様の倫理規準をもって商売ができないのか・・・。

81年まで「フォローアップミルク」は存在しなかったが、「人工乳のみ規制対象となる」との企業側の法解釈により、「フォローアップミルク」が作り出された。

WHOは2001年まで離乳食を始める期間(完全母乳の期間)を生後4から6ヶ月としていた。(現在は生後6ヶ月)
この2ヶ月間での企業の利益には20億ドルの違いが出てくる。

規準についての重要な3つのポイント・・・
規準について話すときには、その後の勧告も含めて語りましょう。
規準はすべての国で適用されるもの。
規準はすべての母乳代用品に適用されるもの。

文責:本セミナー情報発信チーム

国際規準違反報告フォーム

母乳代用品のマーケティングに関する国際規準」の違反を日本語で報告できます。

アイコンまたはこちらをクリックするとフォームが開きます。ご協力をお願いいたします。

 

最初は母乳だけ、その後も他の食べ物を補いながら母乳を与え続ける。金色のリボンは、 その「ゴールド スタンダード」、つまり理想のありようの象徴です。

WABA(世界母乳育児行動連盟)とユニセフが共同で提唱している「金色のリボン運動」に参加しています。

Facebook 母と子の育児支援ネットワーク(災害時の母と子の育児支援 共同特別委員会)

ページ上部へ戻る