カテゴリー: 各年の活動

母乳育児:いのちの教育 WABA1999

dollwbw99bWABA’99(人形写真:この出産と授乳人形はブラジルのRecife市にあるLactea and Origem社のデザインです)

界中で、乳幼児期における子どもの発達と家族内でのふれあいの大切さについての知識が向上し、より関心が寄せられるようになってきています。保育の質を高めることや、子どもの発達上のニーズに関する知識を教育システムや教育課程の中で教えていくことに、社会の関心が高まっているのです。ところが、人間の発達や家族生活の質にとって、母乳育児がいかに大切であるかについて考察されることはほとんどありません。

最近の研究によると、母乳育児が赤ちゃんの健康や栄養のため、また赤ちゃんが信頼や安心感をはぐくむために大切なだけではなく、脳wbw1999_2の発達や学習の基礎をつくるためにも重要であることがわかってきました。(p.3の図表とp.★の参考文献参照)例えば

●母乳中の特殊な脂肪酸は知能指数(IQ)を高め、よりよい視力の獲得に役立つ。 (Andraca I and Uaury R, 1995, p.★の参考文献参照)
●母乳で育てられた赤ちゃんは、これまで聴覚障害や学習の遅れを招くとされてきた耳の感染症にかかりにくい。
●母乳で育った子どものほうが、学業成績がよいという研究が複数ある。しかもこの結果は、子どもがかなり大きくなった中等教育が終わる時点で、社会階級や母親の教育程度や人種の違いといった影響を考慮に入れてもなお、変わらなかった。 そこで、今年の世界母乳育児週間は、母乳育児の大切さを教育システムに浸透させ、だれもが自然に学習できるようにする必要性をテーマにします。 強調すべきは、乳児は、生後6ヵ月間まで、母乳だけで育てられるべきだということです。そしてその後も、適切な補完食(離乳食)を食べつつ、2歳かそれ以上になるまで母乳を飲み続けるのが最適です。

wbw1999_3INDEX
「母乳育児:いのちの教育」がテーマの1999年世界母乳育児週間は次のような目標を掲げます
なぜ、母乳育児教育がそれほど必要なのでしょうか
あなたは母乳育児に優しい文化の中で暮らしていますか
乳児栄養法別にみた知能指数(IQ)
母乳育児の何について教えたらいいのでしょうか
教育の中に母乳育児を組み入れるための活動
母乳育児を推進するためにどのようにメディアに働きかけたらいいでしょうか
母乳育児にやさしい保育園のための10ヶ条
行動のためのアイデア
「猫は猫の赤ちゃんを産む」

「母乳育児:いのちの教育」がテーマの1999年世界母乳育児週間は次のような目標を掲げます。
●乳児の発達と成長のためのスタンダード(標準)として、母乳育児を保護・推進・支援することの重要性を社会全体に広めること
●公教育・私教育・年齢・性別の別なく、すべての教育に、母乳育児や適切な乳児栄養法に関する学習が組み込まれるよう促すこと
●専門機関、医学部やそのほかの教育機関、保健医療の職能団体、公立学校、私立学校、病院、コミュニティーセンターなどの教員や講師と協力して、母乳育児に関するカリキュラムを改善すること
●1999年の世界母乳育児週間の活動に、未就学児からティーンエージャーまでをも巻き込み、さまざまな年齢にあった教材を提供すること
●母乳育児の経験と実践を、子どもの発達のための教材や玩具に反映させるよう促すこと。

母乳育児は教育の好スタートを約束します

wbw1999_1乳育児は、母乳中の栄養と母と子のふれあいによって、子どもに最適な脳の発達を促します。

 

乳育児は、学習障害や視覚障害や発達不良を引き起こす可能性のある病気から赤ちゃんを守ります

wbw1999_7乳育児によって、母と子はひんぱんにふれあうことになります。そのため、赤ちゃんは自然と(母親の)言葉や、お手本となる社会的な行動や、(学習に)大切な刺激にさらされます。

乳育児はより視力を発達させ、視覚を研ぎ澄まさせます。それによって、将来読んだり学んだりする下地ができます

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「母乳育児:いのちの教育」がテーマの1999年世界母乳育児週間は次のような目標を掲げます。

● 乳児の発達と成長のためのスタンダード(標準)として、母乳育児を保護・推進・支援することの重要性を社会全体に広めること
● 公教育・私教育・年齢・性別の別なく、すべての教育に、母乳育児や適切な乳児栄養法に関する学習が組み込まれるよう促すこと。
● 専門機関、医学部やそのほかの教育機関、保健医療の職能団体、公立学校、私立学校、病院、コミュニティーセンターなどの教員や講師と協力して、母乳育児に関するカリキュラムを改善すること
● 1999年の世界母乳育児週間の活動に、未就学児からティーンエージャーまでをも巻き込み、さまざまな年齢にあった教材を提供すること
● 母乳育児の経験と実践を、子どもの発達のための教材や玩具に反映させるよう促すこと。

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なぜ、母乳育児教育がそれほど重要なのでしょうか

何をどう思い、どう感じるかということは、幼少期に、文化的・状況的・社会的影響によって形成されます。家族や友人や教師によって、何が好ましく、何が好ましくないのかという信念は左右されるのです。母乳育児に対して肯定的な態度を子どもがとれるようになるためには、小さいときから、なぜ母乳育児が母と子にとってよい選択なのか、なぜ母乳育児を支援しなければならないのかということを学べるようにする必要があります。

公教育や非公式な教育を通して、子どもや若者や大人が母乳育児についての正確な情報を身につける機会はたくさんあります。母乳育児についての情報は、科学、生物、家族研究、栄養学や家政学などの科目に容易に入れることができます。教師の工夫しだいで、数学、芸術、社会科、歴史、マーケティング、ビジネス、環境学、あるいは工学の中でさえ母乳育児を教えることができるでしょう。男性と女性の両方の態度が社会規範に影響を与えることを考えると、男の子にも女の子にも母乳育児について教えることが必要です。

ものごとを吟味して考えるスキルや、そのスキルを母乳育児の課題に応用することで、子どもも若者も大人も、さまざまな栄養法のメリット・デメリットを吟味し、自分自身の意見を持ち、十分な情報を得たうえで選択ができるようになります。学んでいくうちに、いかに人工栄養法(哺乳びんで育てること)の販売促進をする広告主からの有形無形の圧力を受けているか、どうしたら職業を持つ女性が母乳育児を続けることができるのか、また、母乳育児中の母親が社会や会社からどのような支援を必要としているのか、といったことがわかってきます。そのようなことを通して、それぞれの人生の中で、十分な情報をもとに決定ができるようになることでしょう。

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あなたは母乳育児にやさしい文化の中で暮らしていますか

母乳を飲ませようが、哺乳びんで授乳しようが、変わりはない、とされてはいませんか? 母乳育児は「もっとよいもの」を買う余裕がない場合や「働いていない女性」がすることだという風潮はありませんか?
● 保健医療専門家は母乳と乳児用人工乳はほとんど違いがないと教えられていませんか?
● 教科書や子どもの本に、母親や父親、もしくは看護師が、あたかも赤ちゃんを育てる自然な方法のようにして哺乳びんで人工乳を与えている写真やイラストが載っていませんか?
● 哺乳びんやおしゃぶりが赤ちゃんのシンボルマークのように使われていませんか。例えば、赤ちゃんの誕生祝いのカードや公共施設の授乳室などのマークはどうでしょうか?
● 母親が、人前での授乳を慎むべきだと言われたりしませんか?
● 赤ちゃんは、小さなころからひとりで部屋に寝かせるのがいいと、両親が思わされてはいませんか?
● 赤ちゃん人形は哺乳びんつきではないですか。当たり前のこととして、哺乳びんをすすめるような玩具はありませんか?
● 赤ちゃんと早い時期から離れることや、赤ちゃんを「自立させること」がいいとされていませんか?
そして、赤ちゃんが母親と離れやすくする手段として、哺乳びんやおしゃぶりがすすめられてはいませんか?

以上の問いの答えがほとんど「はい」だったら、あなたは「母乳育児を軽んじる文化」の中で暮らしていると考えられます。

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乳児栄養法別にみた知能指数(IQ)
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BF=母親の乳房から直接、母乳を飲んで育った子ども
BMF=(搾母乳を含む)母乳を飲んで育った子ども
FF=人工乳で育てられた子ども

(1)Morrow-Tlucak M, Haude RH, Ernhar CB, Breastfeeding and cognitive development in the first 2 years of life. SocSciMed 1988; 26:635-9
(2)Ferguson DM, Beautris AL, Silva PA, Breastfeeding and cognitive development in the first seven years of life, SocSciMed. 1982; 16:1705-08
(3)Lucas A, Morley R, Cole TJ, Lister G, Leeson-Payne C. Breastmilk and subsequent intelligence quotient in children born preterm, Lancet 1992;339:261-4
(4)Horwood LI, Fergusson DM, Breastfeeding and later cognitive and academic outcomes, Pediatrics 1998;101:p.e9
(5)Rive E, Agostoni C, Biasucci G, Trojan S, Luotti D, Fiori L, Giovannini M, Early breastfeeding is linked to higher intelligence quotient scores in dietary treated phenylketonuric children. Acta Paediatri 1996;85:56-8
(6)Rodgers B, Feeding in infancy and later ability and attainment: A longitudinal study. DevMedChild Neurolo. 1978;20:421-6

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母乳育児の何について教えたらいいのでしょうか

再び母乳育児を文化的に当たり前にするためには、教育システムの中に母乳育児についての基本的なメッセージを組み入れることが大切です。

例えば
●乳房から飲むというのは赤ちゃんにとってごく普通の食事方法で、母親と赤ちゃんは商業的な影響を受けずに母乳育児をする権利があります。
●母乳育児中の母親と赤ちゃんはどんなところでも歓迎されるべきです。母親と赤ちゃんは、学校、宗教施設、レストラン、公共交通機関、職場、友人宅でも、病院や買い物に行ったときでも、おっぱいを飲ませる/飲む権利があります。
●赤ちゃんを抱っこしてどこでも連れて行くことは、赤ちゃんに安心感とともに脳の発達を促す刺激を与えます。
●母親は働く必要があるかもしれませんが、特に生後1年間は、赤ちゃんには母親が必要です。
【訳注】このことで母親が働くことを否定するものではありません。母乳育児と働くことは両立できます。
●父親は直接おっぱいをあげることだけはできませんが、母親が赤ちゃんのためにするそのほかの世話のほとんどをすることができます。父親は赤ちゃんをゆらゆらあやしたり、話しかけたり、おむつをかえたり、お風呂に入れたり、遊んだり、寝かしつけたり、抱っこしたりできます。
●母乳育児は、赤ちゃんが大人の食事に慣れていく準備になります。母乳は成長していく子どものニーズに合うように変化していきます。
●赤ちゃんと一緒に寝るのは自然なことです。依存を助長する悪い習慣などではありません。
●人工乳やおしゃぶりのイメージは製品を売るために作りだされたイメージにすぎません。こうした製品は赤ちゃんにとって必需品ではありません

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教育の中に母乳育児を組み入れるための活動

●チリでは、「赤ちゃんにやさしい保育園」の10ヵ条を全国保育連盟(JUNJI)が作りました(★ページ参照)
●ペルーでは、CEPRENとPROANDESという団体がUNICEFと、地方の教師のための、乳児栄養法についての研修プログラムを作りました。この研修の成果はすでに現れており、教師が生徒に働きかけた地域の母親の間では、初乳を捨てずに与えるように変わってきたという報告があります。
●カナダの先住民の共同体で、地域の教師とピアカウンセラーは母乳育児クラスを作りました。そこでは、母乳育児についての「物語を話し聞かせる」ことによって、若者の間で母乳育児を肯定的にとらえて実践する人が増えるという成果がありました。
●プエルトリコでは、保健医療専門家は資格の更新の際に3単位の母乳育児教育のコースを取ることが必要とされています。
●アメリカ小児科学会は、医師が母乳育児支援のスキルを身につけられるように「外来小児科における母乳育児プログラム」を始めました。
●ニューヨーク州保健局では、幼稚園児から高校の最終学年までを対象とする「母乳育児:健康への第一歩」というモデル・カリキュラムを作りました。詳細は保健局のウェブサイトで読むことができます。http://www.health.state.ny.us/nysdoh/consumer/child/child.htm

●ブラジルでは、地域とORIGEM, AMIGAS DO PEITOなどの母親支援グループがラジオや劇場を使ったり、母乳育児人形*を製作したりして地域教育プログラムを開発しています。
【訳注】表紙(p.1)の人形のこと。
●ニカラグアでは、母乳育児中の教職員・学生・大学関係者・地域住民を支援するために「女性と赤ちゃんにやさしい大学運動」を6つの大学で始めて、母乳育児とそのやりかたや援助法を教育課程に組み込んでいます。
●フィリピンでは、ARUGAAN*が職場内保育所で、乳幼児初期の赤ちゃんへの刺激、母乳、自然で伝統的なフィリピンの食事(補完食)を与えるシステムを開発しました。母親の母乳育児を支援し、その土地でとれる野菜を積極的に使った食事(補完食)を保育所でも家庭でも推進することで、ARUGAANは栄養不良の被虐待/育児放棄児を非常に短期間のうちに回復させることに成功しました。
【訳注】母乳育児と伝統的な食事を重視する保育施設を運営するNGO
●アメリカでは、大学の単位が取得できる母乳育児教育コースは、通学制・通信制ともに大幅な増加を見せています。
●アメリカでは、ソーシャル・マーケティング【訳注:マーケティングの諸概念や技法を社会的な目標達成に役立てること】運動もおこなわれています。母乳育児を推進するために、1997~98年のアメリカWIC【訳注:低所得の女性と乳幼児のための栄養プログラム】の「愛情ある支援」キャンペーンが10の州で
実施されました。また、カナダ政府の「いつでもどこでも母乳育児」キャンペーンでは、ポスターやシールが作成され、政府広報 や公共交通機関での広告やパンフレットが製作されました。

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母乳育児を推進するためにどのようにメディアに働きかけたらいいでしょうか。

wbw1999_4●メディア向けに母乳育児と母乳がいかに子どもの発達を促すかについてのファクトシート(科学的知見に基づく概要書)を作りましょう。
●母乳育児を好意的に描いている広告主や企業に対して、激励の手紙を送る運動を組織しましょう。
●母乳育児が否定的に描かれたり、哺乳びんが授乳方法の第一選択肢であるかのように描かれていたりしたら、新聞やテレビや映画に対して抗議の手紙を送る運動を組織しましょう。
●メディアに母乳育児を支援している会社とそうでない会社についての情報を知らせましょう。
●テレビのプロデューサーに、アニメの中で母乳を飲んでいる赤ちゃんを描くようにお願いしましょう。
●子ども向けの本の作者に、本やお話の中でで母乳育児についてふれてもらうようにお願いしましょう。
●報道機関やIBFAN(乳幼児食品国際行動ネットワーク)に「母乳代用品のマーケティングに関する国際規準」や国内法・条例違反の事例を報告しましょう。Baby Milk Action(http://www.babymilkaction.org/)やIBFAN(http://www.ibfan.org/)にメールを書きましょう。

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母乳育児にやさしい保育園のための10ヵ条
チリの全国保育園連盟(JUNJI)が作った「母乳育児にやさしい保育園」のための10ヵ 条を守って「母乳育児にやさしい保育園運動」を盛り立てましょう。

1.託児所や保育園の年間計画に、例外なく、母乳育児についてのテーマを組み入れるようにしましょう。wbw1999_8
2.すべての職員が研修を受け、母乳育児を推進し支援する活動の即戦力になれるようにしましょう。
3.入園・入所している子どもの家族すべてに、母乳育児の利点を知らせましょう。
4.妊娠中の女性、授乳中の母親、そして母乳育児に関心のありそうな家族との教育的活動を活発にしましょう。
5.母乳育児について、子どもが参加できるような学習体験を促しましょう。
6.保育園や託児所で母乳育児が続けられるように支援しましょう。
7.赤ちゃんが6ヵ月までは母乳だけで育てられるように推進しましょう。
8.おしゃぶりを使わないようにしましょう。
9.教育関係者(親、教職員、管理者、保育者など)が協働して母乳育児支援グループを作るように推進しましょう。
10.保健所や地域の活動団体と協力して、母乳育児や乳児栄養に関する合同イベントを進めましょう。

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行動のためのアイデア

教師と親
●あなたの地域の教育委員会やカリキュラム開発にかかわっている担当者と連絡を取って、母乳育児が人間発達学、家庭生活学、社会学、心理学、歴史学、女性学、家政学、保健体育、科学、生物学などの科目に取り入れられるように提案してみましょう。
●上記の科目を教える教師の資格更新条件の中に、母乳育児についての学習を取り入れるように働きかけましょう。
●「母乳育児にやさしい保育園運動」を推進しましょう。(「母乳育児にやさしい保育園のための10ヵ条」を参照)

小学校(低学年)の教員
●図書館に母乳育児についての肯定的なイメージや実践を載せている本があるか確かめましょう。母乳育児について否定的な本を肯定的な良質の本と入れ替えましょう。
●子どもたちに母親や近所の人が母乳育児についてどんな体験をしたか聞いてくるように言いましょう。そして何を聞いてきたのかをクラスで話し合い、間違った情報については訂正しましょう。
●母乳の成分が何のためにあるのかが発見できるようなクイズを作ってみましょう。
●母乳育児についての子ども向けの塗り絵ノートを作成しましょう。母乳育児についての絵本や歌を作ってみましょう。WABAの「母乳育児:自然のとる道」(子ども用の絵本:未訳)を使ったり、母乳育児についての物語、歌、図画などのコンテストを開催したりしましょう。
●子どもたちに親や近所の人をインタビューするように言って、赤ちゃんが母乳以外の食べ物をいつ食べ始めたのかを聞いてきてもらいましょう。そして、クラスでその答えについて話し合い、母親が赤ちゃんにほかの食べ物をあげる時期やどんな食べ物をあげるのかが、人によって違っている理由を考えてみましょう。
●哺乳びんをすすめるような玩具、例えば哺乳びんやおしゃぶり付きの人形が教室にないか調べてみましょう。親や教師に、そのような玩具を母乳育児人形に替えたり、哺乳びんやおしゃぶりを子ども用のコップや皿、スプーンなどに替えたりするよう提案しましょう。
●保健室や家庭教育センターに、母乳育児についてのポスターやパンフレットなどの情報を置くようにしましょう。

小学校高学年や中学高校の教員や管理職
●カリキュラムを見直して適切な教科に母乳育児についての情報を組み入れる作業グループを作りましょう。例えば、母と子のイメージを考える授業、生殖についての理科の単元、乳児栄養についての家庭科の単元、母乳・人工乳論争や南北問題についての社会の授業、食の安全保障やエコロジーについての時事問題の授業、乳母という職業について歴史の単元など、さまざま考えられます。
●ニューヨーク州保健局が作成した、5歳(就学前)から18歳(高校卒業)までを通してのモデル・カリキュラムを採用したり、参考にしたりしましょう。
●10代で母親になった学生が、母乳で育てている赤ちゃんを学校に連れてきたり、学校で母乳をしぼったりできるような学校の方針を定めましょう。
●教職員が仕事を続けながら母乳育児もできるような学校の方針を定めましょう。

大学や専門教育に関わる教員
●乳児栄養法の実践について情報を得るための最新のアンケートや研究手法を紹介しましょう。
●人工乳の使用と母乳育児についてテレビでどのように表現されているかについて、学生に、モニタリングに挑戦してもらいましょう。その結果をマーケティングや英語、社会学、歴史学、法学などの講義で討論しましょう。
●学生にインターネットで母乳育児と人工栄養について調べさせて、その結果を話し合いましょう、
●母乳で赤ちゃんを育てている母親を赤ちゃん連れで教室に呼び、経験を語ってもらいましょう。
●構内に教職員や学生が使う託児所や搾乳室を設けましょう。
●学生に母乳育児に関連する課題でレポートや論文を書かせましょう。
*学生が実習先の地域の保健センターや教育実習先の学校で、母乳育児の重要性や適切な乳児栄養法について地域の人たちに啓発するように働きかけましょう。
●学生にそれぞれの母乳育児歴を発表してもらい、自分や自分の母親の母乳育児体験を分析させましょう。
●「女性と赤ちゃんにやさしい大学運動」を発展させましょう。(WABAのウェブサイト参照)
●すべての専門教育のカリキュラムに母乳育児を組み入れましょう。例えば、経済学、マーケティング、環境学、歴史学、経営学、社会学、文化人類学、女性学、心理学、ソーシャルワーク、微生物学、科学、教育学、法学、医学、芸術学など。

保健医療専門職
●医学部、看護学部、栄養学部などの保健医療専門家の教育機関で、母乳育児クリニックを作りましょう。
●同僚の教員、学部長や大学長などに、今のカリキュラムの教材の中で母乳育児について書かれた内容を見直したり、改善したりする必要があることに気がついてもらいましょう。
●厚生省や文部省の主要メンバーに、カリキュラムの変更の必要性に気づいてもらい、全国的な母乳育児プログラムと連動して、カリキュラム検討のための作業に早く取り組んでもらうように促しましょう。
●母乳育児についての良質な情報が載っている教科書を使いましょう。あるいは教科書を改訂して母乳育児の具体的なこつの情報や母乳育児援助法について載せるように要求しましょう。
●母乳育児推進や臨床的な母乳育児援助法に焦点をあてた集中的な実習の経験が持てるようなプログラムに参加したり、(そうしたプログラムがなければ)創設したりしましょう。
●保健医療に関する資格試験や業務基準に母乳育児支援法を取り入れましょう。
●自分の属している専門団体や、インターネット上の既存のネットワークを通して、自分たちの経験や教訓、模範になるような話や情報源が共有できるようにしましょう。

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「猫は猫の赤ちゃんを産む」

ニューヨーク州保健局によるすべての学年の子どもたちのために開発された活動の手引きからの抜粋

『母乳育児:健康への第一歩:すべての学年の子どもたちのための母乳育児教育の手引き』
ニューヨーク州保健局 1995年 http://www.health.state.ny.us/

生徒は他の分野の勉強をしながらも考えるスキルを養うことができます。5歳から18歳までの子どもの教育カリキュラムの一例です。

幼稚園児童(未就学児)
「猫は猫の赤ちゃんを産む」
この単元では子どもに、大人になった動物は同じ種類の動物の赤ちゃんを産むという考えを教えます。
また、動物のお母さんは、生まれてくる赤ちゃんの世話をするということがわかるようになっていきます。
第1課 生徒はお母さん鳥を探そうとしているひな鳥の話を聞きます。(関連科目:言葉、理科、家庭生活)
第2課 動物の親子合わせ遊びをしてもらいます。(理科、ことば、音楽、科学生活、図画)
第3課 動物が子に栄養をやったり世話をしたりする特別な方法について学びます。(ことば、図画、算数、家族生活、理科、保健体育)

小学校6年生
「影響は続いていく」
この単元の課題は、栄養の授業や、麻薬・アルコール・タバコ予防教育に続けて学習することを想定しています。健康や栄養の観点から、今自分がしていることが将来にも影響を与えるということを生徒が自覚できるように作成されています。
第1課「自分と赤ちゃんのために食べる」(図画、家政科、保健、栄養)
第2課、第3課、第5課「私の赤ちゃんに絶対に麻薬はあげない」(保健、理科、国語、図画)
第5課「母乳のほうがいい?」(国語、保健、理科)
第6課、第7課、第8課「気をつけよう」(理科、算数、保健、国語)

母乳育児:それはあなたの権利です!WABA2000

私たちはあなたの母乳で育てる権利を応援します  WABA2000

毎年、世界母乳育児行動連連盟 (World Alliance for Breastfeeding Action) では、母乳育児の保護、推進、支援のために重要なテーマを選んで世界母乳育児週間を提唱しています。今年の母乳育児週間は人権としての母乳育児に焦点をあてます。少なくとも生後6ヵ月間母乳だけを与え、その後は適切な離乳食を補いながら2歳かそれ以降まで、母乳育児を続けることで、子どもとその母親が、最適な健康状態を保持することができます。母親がこのような母乳育児をできる環境が必要といわれています。母乳で育てることは母親の権利であり、子どもの食事や健康や保護の権利を実現させることに大きな貢献をしています。

INDEX
WABA2000の目標
どうすれば、母乳育児が権利として認められるのでしょうか?
母乳で育てる権利は誰のものですか?
なぜ、母乳育児は権利であると強調することが大切なのですか?
母乳育児は個人の問題だから、政府ができることはないのではないでしょうか?
政府がすべきこと
自分の母乳育児の権利が妨げられたら?
母乳育児の権利を支援する条約
一般的な認識
販売流通に関する制度
母性の保護
働く母親の特別なニーズ
WABAの役割とイノチェンティ宣言
行動のためのアイデア

WABA2000の目標

●母乳育児は母と子の権利であるという意識を高める。
●世界における、又は国内に存在する、(あるいは存在すべき)正式な法的手段についての情報を提供する。
●この権利が、すべての国の家庭、地域、政府レベルで尊重され、守られ、行使されるように世論を促す。

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どうすれば母乳育児が権利として認められるのでしょうか

●女性と子どもは人権の主体であり、慈善事業の対象ではありません。
●母乳育児は、基本的人権、すなわち、食べることと健康であることの権利の1つです。
●母乳は、乳幼児にとって最良の食べ物です。赤ちゃんはへその緒を通して得る栄養分と抵抗力を引き続き母乳から得ることができます。母乳にはバランスのとれた栄養があり、予防接種と同じ働きにより、病気にかかりにくくする働きがあります。
●母乳育児は、よりよい子育てに欠かせないものであり、精神的発達と健康的な身体発育に貢献しています。
●母乳育児は、乳がん、卵巣がん、鉄分欠乏貧血、腰の骨折のリスクを軽減し、女性の健康を守っています。

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母乳で育てる権利は誰のものですか

すべての女性が、その子どもに母乳を与える権利をもっています。ほとんどの政府は、権利の実現のために、以下の国際的取り決めの一つ以上に関わっています。
●「子どもの権利条約」(CRC)
●「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」(CESCR)
●「女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」(CEDAW)
●「国際労働機関(ILO)の母性保護条約」
また関連したものに、母乳代用品の販売流通に関する国際規準(WHO規準)と、世界保健総会の関連決議」が、各国の法的規範となっています。あなたの権利は、このような国際的な条約、また国内の法律の保護のもとにあるのを自覚することが重要です。

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なぜ母乳育児は権利であると強調することが大事なのですか?

母乳育児はすべての母親の権利であり、すべての子どもが適切な食べ物を与えられ、最大限の健康を享受するために不可欠なものです。権利としての母乳育児には、次のような事柄が含まれます。
●子どもは、生まれた時から健康的な発達が保障されるために、十分な食べ物と栄養を与えられなければなりません。このことは、生後6ヵ月間の完全母乳育児(注1)と、その後2歳になるまでは、そしてそれ以降も、適切な食べ物とともに母乳を与えることを意味します。

(注1)生後半年以下の月齢で赤ちゃんに母乳以外の食べ物や飲み物が与えられていない状態を、その利点を調査する研究上の理由から特に「完全母乳育児」exclusive breastfeeding と呼びます。また、それに加えて、欲しがる時に欲しがるだけ与えること、そして、おしゃぶりなどの他の吸綴を満足させるものの使用もしていない状態を指すこともあります。

● 母乳育児を望んでいる母親が母乳で育てることを妨げられるべきではありません。
● 政府と社会全体は、母乳育児を望んでいる女性を妨げる要因をなくす責任があります。
● 女性は母乳育児をしていることを理由に差別されてはなりません。
● 女性は良質の産前のケアと、赤ちゃんとお母さんにやさしい医療施設を利用する権利があります。
● 女性は、自分たちが広告やその他のいかなる形の販売促進を通してでも、母乳代用品を使わなければならないような圧力にさらされることがないように要求すべきです。

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母乳育児は個人の問題だから政府ができることはないのではないでしょうか?

そんなことはありません。母乳育児に関わる決定は確かに母親がすべきことですが、政府が権利としての母乳育児を保護、推進、支援するためにすべきことはたくさんあります。

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政府がすべきこと

●女性と子どもには、食べることと健康であることについての権利がある、と定めている法律を認める。
●出産後、完全母乳育児(注1)を行うために、最低4ヵ月間、望ましくは6ヵ月間を産休とする。
●母親の復職のために、母乳育児のための休憩時間など、柔軟な労働時間を(法により)定める。
●働く母親が、職場で授乳や搾乳をしたり、適切な条件で母乳の保管ができるような施設を、職場に整備するように雇用者に求める。
●「ILOの母性保護に関する決議」第103号の内容をより広めるように支援する。
●すでにある権利についての認識を広めたり、その権利の遂行を支援したりする。
●公衆の場における女性の授乳の権利を保護する。
●母乳育児の利点についての正確な情報を保健・医療の関係者や妊娠中の女性へ提供し、妊娠中の女性が情報提供に基づく決定(インフォームド・ディシジョン)ができるようにする。
●医師、助産師、看護師を含めた医療関係者に、確かな母乳育児のマネジメント(援助方法)を含む、母乳育児の方法や保護、推進、支援についてのトレーニングを行う。
●「赤ちゃんにやさしい病院運動」の一部である、WHOとユニセフが発布した「母乳育児を成功させるための10ヵ条」を、すべての産科施設で行うよう促す。
●保健・医療の関係者や一般の人に対して、特に妊娠中の女性や産後すぐの女性への、母乳代用品、哺乳びん、人工乳首の販売促進を止めさせる。

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母乳育児は病気に対する予防になります
例えば・・・
・下痢を含む消化器系疾患
・肺炎を含む呼吸器系疾患
・耳の病気 (中耳炎)
・尿路感染症

自分の母乳育児の権利が妨げられたら?

国際協定を批准するすべての国は、定期的に、国民の権利が守られるために何をしているかを国連に報告しなければなりません。これらの報告は、国連人権高等弁務官事務所に送られ、政府代表を交えて公開での協定の監視委員会において討議されます。その政府が、母乳育児の権利の保護も尊重もしていない場合、義務違反となり、国内の組織により以下のような行動がとられるでしょう。
●義務を守るよう、政府に働きかける。
●その国の母乳育児の状況を国連委員会に知らせる。(注2)
●子どもの権利会議(CRC)の国内NGO連合団体に連絡する。
●メンバーのNGO団体に、母乳育児も彼らが擁護すべき権利として加えるように促す。
●女性が職場復帰後も授乳できるような法の制定を政府に働きかける。
●労働者団体や労働組合に対し、職場での母乳育児中の女性に対する差別の問題を、ILOに持ち込ませるよう働きかける。
●WHO規準の遵守を監視し、WHO規準違反が母と子の母乳育児の権利侵害であると政府に知らせる。

(注2) 母乳育児の権利に関して、最も参考になる国連委員会は「子どもの権利委員会」「経済的、社会的及び文化的権利に関する委員会」、「女性に対する差別撤廃委員会」です。委員会に関する詳しい情報と、どのように連絡をしたらよいかについては、国連人権高等弁務官事務所<http://www.unchr.ch/>にお尋ねください。
国連の人権に関する条約の内容については、http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jinken.html
「ILOの母性保護条約」第103号については、http://www.jichiro.gr.jp/psi-world/news-policy/polcy/maternity-protection/contents.htmが参考になります。
なお、「ILOの母性保護条約」における「母性保護」とは働く女性の妊娠・出産・授乳のための権利の保護を意味します。

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母乳育児の権利を支援する条約

 「子どもの権利条約」
子どもには最大限の健康的な状態を享受する権利があり、政府は、栄養のある食べ物を保障すべきであり、親子は栄養や母乳育児の利点についての情報を与えられるべきであると主張しています(第24条)。(192ヵ国が批准。日本は1994年に批准)

● 「経済的、社会的、及び文化的権利に関する国際規約」
「経済的、社会的、及び文化的権利に関する国際規約」は食べ物と健康の権利を支持しています。十分な食べ物を得る権利(第11条)についての一般コメント12の中で「(この権利を保障するために)多様な食習慣や母乳育児を含めた適切な消費や食事のパターンを維持し、採用し、強化するための施策が必要である」と述べています。(147ヵ国が批准。日本は1979年に批准)

 「女性に対するあらゆる形態の差別の撒廃に関する条約」
「女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」では、女性は妊娠と授乳(母乳育児)に関して適切なサービスを提供されるべきだと述べられています。(174ヵ国が批准。日本は1985年に批准)

 「lLOの母性保護条約」
「ILO(国際労働機構)の母性保護条約」第103号(2000年)では女性は最低限、出産前後14週の有給休暇と、職場復帰後の給料減額なしの授乳時間が与えられるべきだとしています。(改定前の第103号条約(1952年)を批准していたのは37ヵ国。未批准でもILO条約より働く母親に手厚い制度を持つ国もある。日本は未批准)

 「母乳代用品の販売流通に関する国際規準(WHO規準)」
「母乳代用品の販売流通に関する国際規準(WHO規準)」は母乳の代用品や哺乳びんや人工乳首の販売促進の方法を制限し、保健・医療の従事者の母乳育児を推進する責任を強調しています。(WHO規準は20ヵ国で国内法制化、42ヵ国で自発的な同意、46ヵ国で部分的法制化)

国際条約は批准されれば、その国での法的な義務と責任が生じてきますが、条約批准の後に政権党が批准時と違う党に変わったとしても、政府には条約を守る義務があります。宣言は(政府を)拘束するものではありませんが、少なくとも道徳的にはなんらかの影響をもたらすものと考えられています。これは、ある事柄に関する国際的な共通理解を示すものなのです。最終的に拘束力のある国際的な条約の採択に発展するか毛しれない運動とも考えられます。

 「イノチェンティ宣言
「イノチェンティ宣言」(1990年)と次のような会議での宣言は母乳育児の権利と関連があります。
*小児栄養に関する国際会議(1992年)
*人口・発展会議(1994年)
*第4回世界女性会議(1995年)
*世界食糧サミット(1996年)


人権とは何でしょうか?

人権とは、それがなくては人々が尊厳をもって生きることができないような基本的条件のことです。人権は決して奪うことのできないものです。人権を失うということは、人間であることをやめるのと同じです。人権は相互に依存しあっています。すべての人権は互いに補い合いながら人権全体の枠組みを構成しています。人権はすべての人が平等に、普遍的に、そして永続的に持っているものです。〔ヒューマンライツUSAよりの抜粋〕

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一般的な認識
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これらの権利の保護、尊重、推進、遂行のためには、母乳育児の重要性を社会的機能として捉え、公的資金によって支えられるべきだという一般的認識が必要です。すべての女性が、母乳育児を開始し継続できるように、十分な手助けがなければなりません。地域のすべての人々、特に小さい子どもに最高の栄養と健康を与えることは、すべての地域の責任です。女性は次のような場面で、母乳育児が地域社会にサポートされていると感じるでしょう。例えば、地域社会が公の場での授乳を歓迎しているとき、困難を克服する支援をされたとき、職場で授乳施設を提供されたとき、医療・保健施設が「赤ちゃんにやさしい」施設であるとき、そして医療・保健の専門家が母乳代用品販売促進に倫理的立場から反対し、母乳育児のために女性を支援するときです。

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販売流通に関する制度

法的整備が必要な場合があります。
「母乳代用品の販売流通に関する国際規準(WHO規準)と関連決議」が、世界保健総会において採択されています。実効性を持たせるには、各国での国際規準が生かされるような立法が必要です。以下がWHO規準の禁止事項です。
●母親への無料試供品の提供
●消費者一般に対する母乳代用品の宣伝
●医療・保健施設での売り込み
●人工乳で育てることを理想化するような言葉や写真
●企業のセールス員による母親へのアドバイスや売り込み

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母性の保護

「妊娠中の女性の保護」は、男女にとって機会と待遇における真の平等の必須条件である」ILO『職場での母性保護』 p51 (1997年)
働く女性にとって、母乳のみで子どもを育てるためには産後6ヵ月の有給の休暇が必要です。6ヵ月という期間はWHOの世界保健総会とユニセフによって推奨されています。復職後も、授乳や搾乳のための施設の利用や、有給の授乳時間が必要です。
しかしながら実際には女性は様々な職場環境にあり、母乳育児に対する障害も多様です。
例えば、年契約や終身契約で働く女性にとって、産休のみが正式に母乳育児できる手段である一方、農業や家業を手伝っていたり、インフォーマルな経済市場(労働者としての基本的な権利が無視された上、要で働いているために政府に把握されないような「非公式な」労働状況)で働く女性は、多くの国で法によっては保護されていません。

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働く母親の特別なニーズ

理論的には産休があったとしても、産休中の手当てがあまりに低かったり、産休により仕事や昇進の機会を失う恐れがあったりすると、取得できないでしょう。また、保育施設が職場にあっても安全で快適な通勤手段がなければ、小さい赤ちゃんのお母さんには利用できません。
これらのニーズが満たされるのはまれです。なぜなら、多くの国で社会全体における女性の地位が低く、女性のために活動する団体も不足しており、多くの国で働く女性のニーズの優先順位は下に押しやられています。
「ILOの母性保護条約」第103号は、
(1) 14週間の産休を与える。
(2) 通常所得の2/3以上の休業所得補償をする。
(3) 出産後の仕事は休暇前と同じレベルとする。
(4) 職場復帰後の解雇が妊娠・出産と無関係であることの挙証責任(証拠を提出する責任)を使用者(雇用者)に負わせるなどを定めています。また、授乳時間に関しては、1日に30分ずつ2回の授乳時間を取ることが認められ、授乳時間を取らない場合には、労働時間を短縮できるということが盛り込まれました。
(注3) 日本はこの改正案に対し、労働者側は賛成、政府と使用者側は反対しました。日本では現状では産休中の所得補償が少ないなど、批准には国内法の整備が必要ですが、日本政府や使用者(雇用者)側には早期に対応するつもりは全くないようです。世界的に見ても、改正前の母性保護条約ですら、加盟国175ヵ国中、批准は40ヵ国程度にとどまっています。

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WABAの役割とイノチェンティ宣言

WABAは、「イノチェンティ宣言」の4つ目の目標(働く女性の母乳育児の権利を保護する法律の制定)のための活動を強化することを目的の1つとして設立されました。「イノチェンティ宣言」は、1990年に多くの国の政策立案者によるWHOとユニセフの会議で採択され、世界保健総会で1991年に承認されました。「イノチェンティ宣言」はすべての政府に次のことを要請しています
(1) 国の母乳育児コーディネーターを任命し、省庁横断的な全国母乳育児支援委員会を結成する
(2) すべての産科サービス施設で、WHOとユニセフの共同宣言(BFHIの基本)にある「母乳育児の成功のための10ヵ条」を満たすサービスが行われるようにする
(3) 「母乳代用品の販売流通のに関する国際規準(WHO規準)とそれに関連する決議」を実行する。
(4) 働いている女性の母乳育児の権利を保護する法律を制定する

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行動のためのアイデア

私たちには、いつでも、どこでも、母乳を飲ませることができるという権利があります。その権利を守り、尊重し、どこでも気軽に母乳を飲ませることができるよう世の中に働きかけましょう。

国際条約などをどのように利用したらいいでしょうか

●このパンフレットを参考にして、目本で批准している国際的な条約や取り決めについて、関連するウエブサイトを見てみましょう。それを見ると、権利としての母乳育児を保護、尊重、推進、支援するために国としてしなければならない義務や法的な責任がわかり、日本での関連する法制度の状態についての情報を得ることができるでしょう。

●メディアや労働組合の発行物を通して、日本が賛同した国際的取り決めによって地域の中で、母乳育児の権利があるということにっいての意識を高めましょう。

●まだ批准や賛同していない国際的な取り決めがあれば、批准するように日本政府に対してロビー活動をおこなうグループを立ち上げましょう。

国内でグループができることはどんなことでしょうか

●母乳育児の全国的支援グループは、ネットワークを生かして、母乳育児に関心のある個人どうしを結びつけ、嘆願書やロビー活動などを通して、政府や雇用主などに共通の関心を伝えるネットワークとして活動するべきです。

●国際的な取り決めの中には国内のNGOによって監視されているものもあります。例えば、「子どもの権利条約NGO連絡事務所」に日本にもそのようなグループがないか尋ねてみたり、自分でそのようなグループを立ち上げたりしてもいいでしょう。
●国連人権高等弁務官事務所のウエブサイト<http://www.unhchr.oh/〉で日本の母乳育児に関する課題についてのレポートを手に入れるのもいいでしょう。

●(国内の法制度として)施行されなければ、条約や取り決めは何の意味も持ちません。監視グループを立ち上げて、関連する法律や人権侵害についてのレポートを発表しましょう。それをこれらの権利の実施状況について監視する国際的な委員会に送りましょう。例えば、母乳育児を支援するグループは、次のようなことに関して「子どもの権利条約」委員会に報告しましょう。母乳育児に関するデータやWHO規準の実施状況や企業の違反、「赤ちゃんにやさしい病院運動」の進展、産前・産後休業制度や育児休業制度の現状。母乳育児とWHO規準の実施が報告書で触れられていなければ、国連人権高等弁務官事務所にNGOレポートを送付し、母乳育児という母と子の健康にとって重要な事項について、政府が報告するのを忘れていることを知らせましょう。(国際乳児用食品行動ネットワークIBFANがこの手助けをしてくれます。<http://www.ibfan.org>)

●母乳育児と「イノチェンティ宣言」での目標を目本がどの程度評価しているかについての評価表を作ってみましょう。WABAの国際的参加型アクションリサーチ(Global Participatory Action Research: GLOPAR)の調査枠組みや方法があなたの調査や評価表の作成に役に立つでしょう。一般の関心を集めて、行動を呼び起こすために、結果を公表しましょう。

どのように地域で母乳育児を支援したらいいでしょうか

●はじめてお母さんになる女性を支えましょう。女性が母乳育児について役に立つ十分な情報を確実に得られ、産婦人科が医学的証拠(エビデンス)に基づいた間題解決型の手順や資料を使うように働きかけましょう。

●(自治体の長や厚生労働大臣、行政の)保健関連の部局、児童福祉関連の部局に世界母乳育児週間を宣言する声明を発表するように求めましょう。

●地域の専門家を集めて記者会見を開きましょう。メディアに世界母乳育児週間についてのサービスを無料で取り上げてもらったり、人工栄養の弊害について放送したり、掲載したりするよう求めましょう。

●政治家や宗教家や有名人に、母乳育児について発言してもらいましょう。

●「赤ちゃんにやさしい地域(baby friendly community)」になるための無料学習会や討論会を主催してみましょう。

●地域の店やレストランの窓にポスターを貼ってもらったり、母乳育児中の母親とその家族のためのお得な特別メニューを考えてもらったりして、世界母乳育児週間に参加してもらいましょう。

●商店街や駅、病院、医院、保健センター、地域センターで展示会を主催しましょう。母乳育児の利点と人工栄養の弊害について説明するようなマルチメディアな展示を利用してみましょう。

働くお母さんは何ができるでしょうか

●雇用上の立場が何であれ、働いている女性の母乳育児の権利が政府と雇用主によって確実に保障されるように働きかけましょう。
厚生労働省に「ILOの母性保護条約」の批准への国としての取り組みについて聞いてみましょう。

●職場で授乳や搾乳の時間を有給でとれるように活動しましょう。

●不安定な条件で働くような女性の母乳育児の権利を支援するための創造的な方法を考え出しましょう。WABAの「種をまこう (Seed Grant Program)」プログラムのような例を参考にしてください。

医療・保健・福祉の専門職は何ができるのでしょうか

●医療専門家に「赤ちゃんにやさしい病院運動」と、’一生涯にわたって健康に影響を与えつづける母乳育児の重要性について知らせましょう。専門職の全国的な集まりで展示ができないか聞いてみましょう。

●地域の病院がWHOの「赤ちゃんにやさしい病院」の基準に合うと指定されているか調べてみましょう。赤ちゃんにやさしい病院の全リストをメディアに送って、発表してもらいましょう。

●日本のWHOやユニセフの代表に、権利に基づいたプログラムを実施しているかどうか尋ねてみましょう。そして、協力しあえるところがないか考えてみましょう。

●父親に、母親学級や母乳育児学級に母親と一緒に出席するようこすすめましょう。

●WHOがすすめている「お母さんにやさしい出産」を含むような、出産に関する質の高い医療サービスや保健ケアサービスが女性に提供されるように支援しましょう。

「母乳代用品の販売流通に関する国際規準(WHO規準)と世界保健総会の関連決議」をどのように利用したらいいでしょうか

●厚生労働省がWHO規準を実行するために何をしているのか調べましょう。子どもの権利条約やその他の人権に関する取り決めで目本が果たすべき役割を実行するために、全面的な実施を促しましょう。

●保健・医療の専門職(小児科医、看護師、一般医師など)がWHO規準をよく知っており、WHO規準を評価しているか、また地域や国際的な保健ケア施設が実践の中にWHO規準を取り入れているかを調べてみましょう。

●WHO規準とWHOの世界保健総会の決定に違反している事例がないか監視し、あればそれを政府やNG0や違反している企業に報告しましょう。もちろん名前入りで。

●国内の監視データを使って、WHO規準の実施と母乳育児の推進についてメディアが取材するように促しましょう。

●国際乳児用食品行動ネットワーク(IBFAN)に連絡をとって、いっしょに活動できないか尋ねてみましょう。

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logowaba世界母乳育児行動連盟(WABA)は地球規模の組織や国のネットワークです。WABAは母乳育児がすべての子どもと母親の権利であることを信じ、この権利の保護、推進、支援を使命とし、「イノチェンティ宣言」にのっとって活動をしています。WABAはユニセフ(国際児童基金)と緊密な連携をとって活動をしています。

WABAはいかなる形でも、母乳代用品、関連する器具や補完食(離乳食)を生産する企業からの支援はお断りしています。世界母乳育児週間に関わるすべてのグループや個人がこのような倫理上の選択をするようお願いしています。

情報化時代の母乳育児  WABA2001

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【訳注】このパンフレットではcommunicationという言葉がたくさん使われています。これは日本語のコミュニケーションだけでなく、情報や意思の伝達などさまざまな意味を持ちます。そのニュアンスが伝わるよう各項目で状況に応じて意味を補記しました。

乳育児には、子育てやライフスタイルに関するほかの多くの事柄と同じように、情報に基づいて決断する機械が必要です。とはいっても、私たちの「情報源」は年月を経て、根本的な変化と拡張を広げてきました。考えてもみてください!100年前には、たかが写真さえ「目新しいもの」だったのです。情報源が広がるにつれて、情報の質や、情報を提示する動機にも変化が生じました。もっとも、変化が常によいものだとは限りません。母乳育児を保護・推進・支援しようとする今日までの多くの戦いは、情報をいかに取捨選択するかをめぐるものだったのです。
そこで2001年の世界母乳育児週間において、WABAは母乳育児にまつわる知識と考え方と行動を形成するうえでの、情報や医師の伝達、つまり”コミュニケーション”の重要性に焦点を当てることにしました。それとともに、母乳育児の世界的なネットワークづくりや、効果的な”コミュニケーション”を駆使して母乳育児支援を推し進めてきた、WABAの栄えある10周年を祝します。

INDEX

今年の世界母乳育児週間の目標
1対1の”コミュニケーション”(心のふれあい)
情報の大量伝達(マス・コミュニケーション)の始まり
母乳育児の情報競争
母乳育児の保護と促進
「赤ちゃんにやさしい病院運動」(BFHI)
母乳育児のためになくてはならない情報
母乳育児を支える“コミュニケーション”(情報や意思の伝達)
論議を呼ぶ事柄を伝えるとき
行動のためのアイデア

今年の世界母乳育児週間の目標

・母乳育児を考えるうえで、これだけは絶対にはずせないという情報を提示すること。
・“コミュニケーション”のさまざまな形や方法と、それを活用して母乳育児を保護・推進・支援する効果的な手段を浮き彫りにすること。
・母乳育児にとってのハードルや脅威を伝え合うためのアイデアや経験を共有すること。
・母乳育児をするお母さんを支援する、より革新的で役立つ取り組みを提供し、後押しすること。

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1対1の“コミュニケーション”(心のふれあい)

人間は、誕生後すぐに心と心を通わせる、つまり“コミュニケーション”のすべを身につけます。母乳を飲ませるお母さんと、母乳を飲む赤ちゃんを考えてみましょう。見つめ合う目と目。表情。お母さんのやさしい指の感触や心和むにおい。赤ちゃんの力強い吸い方。生命の源である母乳。お母さんと赤ちゃんはそれらを通じて、“コミュニケーション”という美しいダンスを一緒に踊っているのです。この和やかなやりとりにより、お母さんと赤ちゃんの間には、信頼と愛情に満ちた関係が育まれます。
これまで、女性が母乳育児のことを学ぶ主な手段は、お母さんと周囲の人との直接的で個人的な人間関係に基づく“コミュニケーション”つまり情報や意思の伝達でした。赤ちゃんを産む前から、友人や家族を日常的に観察し、やがて赤ちゃんを産んでからは、家族や助産師の手ほどきを受けながら母乳育児のことを学ぶのです。直接、言葉や態度で応えてもらったり、認めてもらったり、問いかけてもらったりすることで、お母さんは学び、実践し、情報を知ったうえでの選択をすることができました。
けれども、過去1 世紀にわたる社会的・経済的な変動、そして“コミュニケーション”の変化は、母乳育児の伝承、学習、実践のあり方に影響を及ぼしたのです。各家庭が母乳育児に対してどんな姿勢をとり、どのような信念を持ち、どう決定するのかを決める情報源は多様化しています。その影響を受け、かつての緊密に結びついた親族を基盤とする小さな社会において成立していた、観察と口伝えによる“コミュニケーション”は、複雑なものになりました。

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情報の大量伝達(マス・コミュニケーション)の始まり

新聞、雑誌、ラジオ、テレビ、インターネットなどの情報コミュニケーション技術は、政府や企業からの支援を受けて発達してきました。こうした技術が進歩し、身近になるにつれて、一般家庭もラジオを買い、テレビを買いました。そして、今ではコンピューターやインターネットの利用もできるようになりました。
このような社会の発展と科学技術によって、従来、家族や近所や地域の中での対人関係から得るもの
だった学びや社会的な影響は、中央集権的なマスメディアと、孤立した個人という関係から得るものへと変容させられてきました。こうした一方的な情報の大量伝達(マス・コミュニケーション)は容易に、人々の感じ方や実際の行動に影響を及ぼし、新たな流行や欲望や行動様式を生み出します。

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母乳育児の情報競争

乳業会社と弱体化する母乳育児文化
そもそもの最初から、乳業会社はやむことなく、人工乳などの乳児用飲食物への需要を掘りおこそうとしてきました。保健医療従事者、医療情報提供者、看護師のようなユニホームをまとった(企業派遣の)育児アドバイザー、販売員などを通じての対人的なふれあいにも多少はよりますが、これらの企業はそのほかのさまざまな戦略やメディアを駆使した、大規模かつ複雑なマーケティングによる販売促進を始めています。市販の乳児用飲食物は、今もなお、より便利で、「科学的」で、完璧な栄養を提供し、より高い社会的地位を表すものとして、販売促進されています。広告は “ふっくらした赤ちゃんを連れたおしゃれなママ”のイメージを駆使して、これらの乳児用飲食物を使えば、理想が手に入るはずという幻想を作り上げています。さらに最近では、人工的に作られた商品のほうが安全だというメッセージが盛り込まれるようになっています。この傾向は、環境汚染の影響を受けている地域や、HIV、AIDSの割合が高い地域においては特に強いといえます。

これまで母乳代用品の販売促進の主要な担い手として大きな役目を果たしてきたのは、保健医療従事者たちでした。出産と母乳育児がどんどん医療の対象となるにつれて、母乳代用品は周産期の一連の経過をいっそう構造化し、計画的にするための、科学的かつ無菌の手段として売り込まれるようになりました。残念なことに、「科学的な」栄養法は、出産と授乳の自然なプロセスについて限られた知識しか持たない男性の医師が支配する環境において、急速に一般的になっていきました。医療や保育の教科書や病院の日常業務の中で、乳児用人工乳がいかに勝っており、母乳がいかに劣っているかについての誤解を招くような情報が標準化され、過激な販売促進戦略がそれに追い打ちをかけました。

母乳代用品の販売促進は、20世紀の大多数の家庭に行きわたりました。古くは産業革命、新しくはサービス経済化の進展によって、経済的な圧力は、家族や友人のもとを離れ、母乳育児に対する伝統的な地域社会の支援との結びつきを後回しにして、家庭が職を求めて住まいを変えることを当たり前にしました。女性が有給の労働市場に参入するとともに、子どもと常に一緒にいる余力がなくなっていったのです。そして乳児期から母乳代用品に慣れさせることは、こうした経済活動を支える「選択肢」であるかのように伝えられました。

全体として、これらの変化は母乳育児や女性の直観的な知恵の価値を下げるものでした。かつて母乳育児文化を支えていた地域社会は加速度的に分断され、支える力を失ったのです。人工乳などの乳児用飲食物や哺乳びんなどの関連製品を赤ちゃんのために「最高のもの」とする過剰な販売促進活動により、お母さんたちの間には、自分の母乳の質や、赤ちゃんの成長や、自分自身の育児能力への迷いが生じるようになりました。お母さんは自信を喪失し母乳育児を早くにやめてしまい、赤ちゃんに栄養不良や下痢、そして時には死という、多くの場合は悲惨な結末がもたらされました。

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母乳育児の保護と促進

「母乳代用品のマーケティングに関する国際規準」
1939年、シンガポールではじめて、早期に母乳育児をやめるようなことにつながる、誤解を招くような宣伝活動と人工的な乳児用飲食物と乳児の死亡率に関連性があることが公にされました。続く数十年、非難と訴訟とボイコットの、そして多くの赤ちゃんの死を経て、ようやく1981年、世界保健総会によって「母乳代用品のマーケティングに関する国際規準」が採択されたのです。「国際規準」は母乳育児を推進・保護し、人工栄養に関係する製品の販売促進に用いられるマーケティングの慣行を規制することを目的としています。現在では、「国際規準」は55ヵ国(訳注:数字は2001年発行当時)を超える国でその全部、あるいは一部が法制化され、さらに多くの国で業界の自主的基準として履行されています。

「国際規準」は変化をもたらしました。けれども、まだ十分ではありません。多くの企業は、表面上は変化を装っていますが、依然として製品の販売を促進しています。乳児用食品国際行動ネットワーク(IBFAN)は、「国際規準」と、その後のWHOによる勧告を遵守しているかを監視し、違反を報告しています。違反がそこにある限り、IBFAN、政府、市民グループは母乳育児を保護することを目的とする法律の整備を求め、ネスレ製品の不買運動などの抗議行動に参加します。

参考文献・情報源

・Breaking the Rules, Stretching the Rules: Evidence of Violations of the International Code of Marketing of Breastmilk Substitutes and Subsequent Resolutions, 2001, IBFAN ICDC
・A series of 5 IBFAN pamphlets which report on marketing trends: the International Code, HIV and Breastfeeding; Labels; Hospitals & Clinics; Mothers; and the Internet, 2001, IBFAN ICDC
・State of the Code by Country: a Survey of Measures taken by Governments to Implement the Provisions of the International Code of Marketing of Breastmilk Substitutes, 2001, IBFAN ICDC
・State of the Code by Company: a Survey of Marketing Practices of Infant Food and Feeding Bottle Companies, compared to the Requirements of the International Code of Marketing of Breastmilk Substitutes, 2001, IBFAN ICDC

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「赤ちゃんにやさしい病院運動」(BFHI)
1992年にUNICEFとWHOが、病院が母乳育児を推進し支援するための一助となることを目的として着手した「赤ちゃんにやさしい病院」運動は、多くの国ですばらしい成功をおさめてきました。 現在では、世界各地に14,500(訳注:数字は2001年発行当時)を超える「赤ちゃんにやさしい病院」が存在します。「母乳育児を成功させるための10ヵ条」のほとんどはなんらかの形で、お母さん・赤ちゃん・医師・看護師・地域社会の間の適切な“コミュニケーション”(情報や意思の伝達)に関係しています。「赤ちゃんにやさしい」かどうかを決める基準の1つは、母乳代用品や哺乳びんや人工乳首の、無償もしくは低価格での提供を受けないという「国際規準」を守っていることです。

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母乳育児のためになくてはならない情報

お母さんの母乳の分泌がよくなるのを助けたかったら、まずは親切に、支援の気持ちを忘れずに。不安を取り除くお手伝いを。大丈夫、母乳で育てられますよと力づけましょう。  『母乳育児のお手伝い』フェリシティ・サヴェジ・キング

●赤ちゃんにとって、これ以上ない、最高の食べ物と飲み物。それは、「母乳だけ」です。 WHOとUNICEFはすべての乳児が、生後6ヵ月まで母乳だけを飲み*、2歳かそれ以上まで補完食とあわせて母乳を飲むことを推奨しています。
●特別な事情がない限り、女性はだれでも母乳で赤ちゃんを育てることができます。家族や友人や保健医療従事者や勤め先からの支援や援助を受けることは、お母さんの力になります。
●赤ちゃんは生後、できるだけ早いうちから母乳を飲み始めることが望ましいでしょう。赤ちゃんは欲しがるときに欲しがるだけ、母乳を飲ませてもらうべきです。
●ひんぱんに母乳を飲むのは普通のことで、赤ちゃんに満足感と安らぎをもたらすとともに、赤ちゃんが飲めば飲むほどより多くの母乳が作られます。赤ちゃんの月齢が上がるにつれて、徐々に、授乳の間隔が長くなっていきます。
●母乳育児は赤ちゃんの順調な成長を助け、病気を予防します。母乳以外の赤ちゃん用の飲食物には予防効果がなく、調乳や調理、食べさせ方や飲ませ方が適切でないと、病気の原因になるリスクもあります。
●赤ちゃんが生後6ヵ月に達したら、母乳以外のさまざまな食べ物も口にできるようになります。けれども、母乳は2歳以上、できることならそれ以上の期間、続けることが望ましいでしょう。
●家を離れて働くお母さんでも、就業時間中も搾乳したり、直接母乳を飲ませたりすることで、母乳育児を続けることができます。十分な出産休暇、母乳育児のための休憩時間や施設、職場近くの保育施設があると助かるでしょう。

注:「母乳だけで育てる」とは、乳児に対し、母乳以外の一切の飲み物や食べ物を与えないことを意味する。その際、乳児はひんぱんに、時間を制限することなく、母乳を飲めることが望ましい。
(出典:UNICEF: Facts for Life: Breastfeeding)

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母乳育児を支える“コミュニケーション”(情報や意思の伝達)

母乳育児で最も大切なコミュニケーションが、お母さん対他者、つまり赤ちゃんや家族や友人や保健医療従事者との個人的なかかわりによる情報や医師の伝達であることは、今も変わりありません。1対1の個人どうしであれ、グループ内であれ、母乳育児について話し、経験を分かち合うことは、お母さんがしっかりとした意識を持って決断を下すのに役立ちます。個人どうしよりも、はるかに強力なコミュニケーションの形も多くあります。テレビやラジオ、出版物、インターネットのような大量の情報伝達方法もそうです。多くの人に情報を伝えるために、ポスターやバッジやTシャツなどにさりげなくメッセージを書く方法もあれば、ゲームやコンテストやパレードやパーティーなどのように積極的に参加する方法もあります。手提げ袋や石けんや鉛筆やカップなどの、景品やおまけは、そこに込められた意味を、受け手が見るたびに思い出すという効用があります。有名人から、「普通の」お母さんやお父さん、おばあちゃん、保健医療従事者など、だれでもこうしたコミュニケーションの担い手になることができます。

このように、使う媒体、伝えたいこと、画像や映像、代弁者の組み合わせはさまざまですが、どんな場合でも、選択に注意が必要なことには変わりはありません。母乳育児を支援するためには、どのように情報を伝えるかのプラン作りが大切です。だれを対象とし、その相手が乳児栄養法のどのようなことを重要視するかを見極め、その人が納得できるメッセージを心に届ける必要があるのです。上に挙げたのは、最適な母乳育児のありかたを推進するために必要な、母乳育児のためになくてはならない情報の例です。これらの事柄についてのさらに詳しい情報は、「参考文献・情報源」で紹介しています。

臨機応変な対応をするための準備
コミュニケーションにおいては、「ダメージ・コントロール」がしばしば必要になります。例えば、母乳育児をけなしたり、攻撃するような話題がのぼったりしたときに、見逃さないよう、心の準備をしておくのです。 大切なのは、その話題の背景と、話題の発端となった報告や事件に通じておくことです。 そのうえで、調査、研究に基づく最新の情報を用いて、正確に、適切に、冷静に、母乳育児を擁護しましょう。メッセージを送る際は、それを届けようとする相手にふさわしい媒体を選びましょう。例えば、政策立案者に対しては記者会見という場が効果的ですし、一般人に対しては論説委員への投書という手段のほうが訴える力があるかもしれません。大切なのは、たとえ例外的なケースについて話をするときでも、大多数の家庭にとっては、母乳育児は最適であるという点を強調し続けることです。

特別な事情がある場合の“コミュニケーション” (情報の伝達)
私たちがメッセージを届けようとする受け手の中には、きっと特別なニーズや困難を抱えているために、私たちからの情報を受けとりにくい人たちがいるはずです。母国語以外の言語の読み書きが不自由なことが障害となって、文書化された資料が効果を発揮できないこともあるでしょう。言語の違い、翻訳者や多言語を操るスキルの不足は、個人対個人のコミュニケーションの妨げになり得ます。 視覚や聴覚に障害を持つお母さん、そのほかの身体的なハンディキャップを持つお母さんには、特別な便宜が必要でしょう。冊子によっては、点字で書かれたものが入手できます。 聴覚障害者向けの特別な電話サービスも役に立つでしょう。

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論議を呼ぶ事柄を伝えるとき2002_japan

論議を呼ぶような事柄のコミュニケーション(情報伝達)においては、結果として母乳育児に対してダメージが残らないように、注意深く、明確にすることが欠かせません。母乳育児に関する2つの難しい論点について、メッセージを伝えるときの具体例を挙げてみましょう。

母乳の汚染
ある地域において、人間に対する環境汚染の「負荷」の度合いを垣間見るには、汚染物質が蓄積される体脂肪を調べるのが適当とされています。母乳からはこの体脂肪を容易に得ることができるため、結果的に、母乳の汚染濃度はしばしば報告されることとなり、あたかも乳児に対する危険性が懸念されるから測定するかのような誤解が生じています。そのような報告が公表されると、母乳で赤ちゃんを育てている家族は不安になります。母乳育児を擁護する側としては、このような事態を見越して、検査機関や環境団体と協調し、さまざまな側面を含めたメッセージを作り出さなければなりません。

つまり、以下のようなメッセージです。

●毒素が食物連鎖の隅々にまで行きわたっており、母乳や人間以外の乳や乳児用人工乳もその例外ではないことを認める。
●(母乳で育てるかどうかにかかわらず)すべての赤ちゃんは、胎児期から環境汚染物質にさらされ、それが体に蓄積していることに言及する。
●何(母乳)から環境汚染の証拠(エビデンス)が見つかったかをやり玉にあげるのではなく、何が環境汚染を引き起こしているのかを見極める。
●人工的な母乳代用品(粉ミルクなど)に関係するリスクや、母乳で育てないことのリスクをはっきり述べる。
●母乳代用品を使うことに関心を向けるのではなく、有毒な工業製品を使わないですむ方法に関心を向ける。
●汚染物質の体への負荷を減らすために、脂肪の多い肉やレバー、汚染水域の魚の摂取を避けるように提案する。
出典:Penny Van Esterik: Risks. Rights and Regulations: Communicating about Risks and Infant Feeding.

母乳育児とHIV/エイズ
【訳注】この項の情報は、2001年発行当時の研究に基づいています。
HIVは確かに、HIVに感染した女性から生まれる乳児の約14%に、母乳を介して移行しますが、これは母乳以外のものも与えて育てられた場合の数字です。母乳を介してのHIV感染率は、赤ちゃんが母乳以外のものは、水さえもいっさい口にしていない期間内ではずっと低いという研究結果もあります。
乳幼児がHIVに感染し、抗レトロウイルス薬(ARV)を投与されない場合、ほぼ例外なく死につながります。けれども物資も、下水などの衛生設備も、清潔さも、医療も、常にあるとは限らない環境においては、赤ちゃんが人工栄養の結果、病気になり、亡くなる確率も高いのです。こちらのリスクは、アフリカを含め、多くの地域においてまだ正確には数値化されていません。そのため、保健医療従事者も、お母さんも、どちらのほうがより賢明な選択であるかが、わかりにくいのです。
一般論としては、国連の諸機関では、以下の2つの条件を満たしている場合のみ、母乳を乳児用人工乳で完全に置き換えることをすすめています。

(1)家族が少なくとも6ヵ月間、十分な量の人工乳を確実に入手できること。
(2)家族が人工乳を正確かつ衛生的に用意する、水、燃料、用品、技術、時間に恵まれていること。

そのほかの選択肢としては、しぼった母乳を熱処理したり、検査によってHIV陰性であることが判明している女性が乳母として母乳を飲ませたりすることなどがあります。

HIV/エイズについての注意点
●家族にとって、「無償かつ秘密厳守のHIVカウンセリングと検査(VCT)」が身近に存在することが必要です。
●赤ちゃんは、妊娠中や出産中にHIVに感染する可能性もあるため、区別がつきにくいのが難点ですが、母乳を介して感染する場合は特に、生後初期のリスクが高いといえるようです。赤ちゃんが、HIVに感染しているお母さんの母乳を介してHIVに感染するリスクは、たしかに、母乳を飲む限り続き
ます。ただし、このリスクは成長するにつれて減少するようですし、赤ちゃんが生後半年間、母乳以外のものを一切口にしない場合には、このリスクはいっそう低くなります。

●また、ほとんどのお母さんはHIVに感染していないか、感染の状態を知らないのですから、全体としては、母乳育児の保護、支援、推進を継続するべきです。実際、例えば2001年にアフリカで妊娠中の定期健診に通っていた女性のうち、VCTすら、受けられる環境にあったのは1%に満たなかったのです。
●「国際規準」や「赤ちゃんにやさしい病院運動」の条項は、たとえHIV/エイズの有病率の高い地域においてでも、継続的に実行されるべきなのです。
●赤ちゃんの感染を防ぐ最もよい方法は、お母さんたちを、性的パートナーからのHIV感染から保護することです。

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行動のためのアイデア

私たちが、それぞれの地域社会でできること
●このWABAパンフレットを自国の言語に訳し、情報を広めること。
●テレビ局や新聞・雑誌・ウェブサイトの編集責任者に手紙を書くこと。母乳育児のよい点を伝えてくれたことについての感謝の気持ちを伝え、内容が母乳育児を邪魔したり妨げたりしている場合はその点を指摘しましょう。
●友人に母乳育児の利点について話し、子どもを持つ男性には、母乳育児への支援を促すこと。
●友人たちと協力しあって、地元で母乳育児に関連する催しを計画したり、情報ブースを設置したりす
ること。
●母乳育児を応援するメッセージをステッカーやシールにして、車の後部ガラスに貼ること。
●母乳育児を描いた本やマンガやお話を読んだり聞いたり、人間以外の哺乳類がわが子に母乳を与える様子を観察したり、さまざまな機会を通じて、自分の子どもを母乳育児という文化になじませること。
●母乳育児を考えるうえで、絶対にはずせないメッセージをよく知ること。
●母乳育児とHIV/AIDSや環境汚染という問題について、常に、最新の情報に通じているようにすること。
●広告看板や公共交通機関に、母乳育児を応援するメッセージやイベント告知を掲示すること。
●地元の図書館にかけあって、蔵書のなかから(一般書も児童書も含め)母乳育児関連の本を展示してもらうこと。図書館でインターネットにアクセスすることが可能な場合には、母乳育児関連のウェブサイトのリストを掲示してもらってもいいでしょう。母乳育児読書クラブを設立するのも一案です。

マスメディアへの働きかけ
●ラジオやテレビの人気番組を監視しましょう。新生児は母乳で育てられるべきであること、正確な情報が描き出されているようにすることを提案しましょう。不正確な情報を見逃さないようにしましょう(それを糸口として、今後のニュースの話題やインタビューの間違った情報が正されていくかもしれません)。
●メッセージを伝えたり、より強めたりする媒介として歌を活用しましょう。地元のラジオ局から流したり、診療所で流したり、さまざまな教室や保育園や親子教室などでの歌の集いで活用したりしましょう。
●ラジオ・テレビ・インターネット向けにそれぞれ、子育て、母乳育児、乳児の栄養についての教育プログラムを作成しましょう。ホンジュラスでは、ラジオ局が母乳育児の9つのゴールデンルールについて、11のプログラムを流しました。そしてさらに、ラジオの特別番組や歌やお母さん向けの冊子や保健医療従事者向けの手引きや研修課程の修了証が用意されました。
●出版物や放送のストーリー用に、ジャーナリストに対し、素材やインタビューするべき人物や報道すべきイベント(ショーやダンスやコンテストなど)を紹介しましょう。こうしたジャーナリストと協働関係を築きあげましょう。
●ラジオやテレビの、視聴者が電話で参加できる番組やトーク番組、インターネットのチャットに参加しましょう。
●ラジオやテレビが政府の管理下にある場合は、メディアやしかるべき行政部門と草の根の地域グループとの協働を促しましょう。

インターネットの活用
●母乳育児に関する良質なウェブサイトのリストを作成し、インターネットが使用できる場所(図書館やネットカフェな ど)で配ったり、直接家庭に届けたりしましょう。
●電子メールによる母乳育児の「ホットライン」を設置し子どものいる人からの質問を受け付け、電話や対面によるカウンセリング、さらには専門医への紹介を受けられるようにしましょう。オーストラリア母乳育児協会(ABA)では、電子メール相談を始めたところ、すぐに世界中から問い合わせが寄せられたそうです。
●ウェブサイト上に母乳育児の研究のまとめや、診療所や病院で働く人のための母乳育児知識検定を設け、24時間アクセスできるようにしましょう。
●母乳育児関連の著作物や現状について、折にふれ、最新情報を送れるように、メールの配信リストを作りましょう。対象は、家庭、保健医療従事者、政策立案者です。
●インターネット上の重要な政策や研究についての文書を見つけて印刷し、インターネットを使える環境にない仲間に配りましょう。

地元の診療所や病院との協力
●世界母乳育児週間を祝う横断幕、看板、ポスターを掲示しましょう
●母乳育児関連の情報を、ロビーや軽食堂や待合室に展示しましょう。
●保健医療施設の看護師・医師・運営者・そのほかのスタッフのさまざまな会合で、その地元における母乳育児の割合、母乳で育てにくい原因、母乳育児を推進するための努力についての統計を提示し、お母さんたちへのさらなる援助や支援を促しましょう。
●保健医療従事者の間で、「週刊母乳育児新聞」を発足させましょう。発行後に、新聞の内容についてのテストをして、最優秀回答者を表彰しましょう。このような取り組みが母乳育児に関する「継続教育単位」と認められるよう申請しましょう。

母乳育児:お母さんと赤ちゃんの健康のために WABA2002

Index
母乳育児:お母さんと赤ちゃんの健康のために
健康なお母さん
健康なお母さんに必須なもの
妊娠と母乳育児
正常な出産のための最良の方法
出産
出生直後の母乳育児
「母乳育児における世界規模の母親支援運動(GIMS)」
赤ちゃんの健康のための母乳育児!
行動のためのアイデア
情報源


乳育児が乳幼児の健康を保護し、推進し、支援するということは、よく知られています。
母乳は、生きるために不可欠なのです。なぜなら、赤ちゃんの脳、免疫系、全身の生理機能の適切な成長と発達を育み、一般的な病気、特に下痢や呼吸器(肺炎を含む)、耳、尿路の感染を予防するのですから。

哺乳行動は成長ホルモンを分泌し、健やかな口腔発達を促し、お母さんと赤ちゃんの信頼関係を確立します。
生後6ヵ月間の完全母乳育児は、環境によって生じた疾患、栄養不良、食物に対する感作とアレルギーのリスクを減らします。

母乳育児はまた、お母さんにもメリットがあります。

母乳育児は、妊娠と出産に続く、ごく当たり前で生理的なものです。
ですから、出産後すぐから(赤ちゃんに母乳以外のものを飲ませずに)完全な母乳育児を始めることは、お母さんの分娩後の過剰な出血や貧血のリスクを減らします。
お母さんと赤ちゃんが母乳育児を身につけ、スムーズにできるようになれば、乳幼児が健康で十分な栄養をとっていくことができるので、お母さんにとってはストレスが減ることになります。
生後6ヵ月間の完全母乳育児は、何も買わなくても、準備しなくても、洗わなくてもいいので、お母さんのお金やエネルギー、時間を節約することができます。
完全母乳育児はそのうえ、お母さん自身の免疫系の働きを高め、次の妊娠を遅らせるのを手伝い、糖尿病のお母さんの場合はインスリンの必要を減らします。
長い目で見ると、母乳育児は乳がんや卵巣がん、骨粗しょう症からお母さんを守ります。

今まで、お母さんのニーズや欲求は、認められたりサポートされたりすることがほとんどなく、無視されてきました。
お母さんの心身の健康、教育レベル、他の人から受ける援助、家庭の経済状況が、母乳育児や子育ての他の側面に影響を与えます。
特に、女性が妊娠や出産で何を経験したかは母乳育児の開始や継続に大きな影響を及ぼします。

今年の世界母乳週間では、母乳育児を通じて、赤ちゃんの健康と幸福を保護、推進、支援するのと同じように、お母さんの健康と幸福を保護、推進、支援する急務についてしっかり目を向けるように呼びかけます。

世界母乳育児週間2002年の目標は

●母乳育児は女性の生殖のサイクル、リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)を考えるうえで欠くことのできない重要な要素であることをもう一度確認しよう。
●傷つけられることのない、人間的な出産をすることは女性の権利であるという認識を持つよう促そう。
「母乳育児における世界規模の母親支援行動」(Global Initiative on Mother Support:(GIMS)をお母さんを支援するための方法として推進していこう。

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健康なお母さん

健康は全世界で認められている、基本的人権です。

学童期を含むすべての年代の女性が達しうる最高水準の健康を保つ権利には、以下のものが含まれます。
つまり、十分で信頼に足る医学的情報やインフォームド・コンセント(十分に情報提供されたうえでの同意)、保健・医療ケアと生殖と乳児栄養に関して選択と意思決定ができること、プライバシーや秘密保持が尊重されること、そして、仕事や環境の安全な状況への権利です。

これらの権利は、非常に多くの国家や国際的文書で繰り返し表明されています。
筆頭に挙げられるのは「世界人権宣言」、そして、「女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約(CEDAW)」です。
女性が健康なときに、生まれる赤ちゃんも健康である可能性がいちばん高いのです。

しかし、たとえ妊娠・出産に最適な健康状態でないとしても、女性は妊娠し、健康な赤ちゃんを産み、母乳育児に成功することができます。

これは女性の体の素晴らしい能力と回復力の証拠です!
すべてのお母さんが、自分自身や家族を育むために支援を必要とするのですが、命を産み母乳という贈り物を赤ちゃんに与えるために、また、お母さん自身の健康を維持し、推進するためには、母乳育児中のお母さんは更なる支援を得る必要があります。

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健康なお母さんに不可欠なもの

●適切なたんぱく質・カロリー・ビタミン・ミネラルを含んだ食事は、お母さんの健康を支え、病児や、早産児や低出生体重児のリスクを減らし、産後の回復期や母乳育児中の健康を維持します
●健康・妊娠ケア・疾病のタイムリーな治療や、医学的緊急時のヘルスケアサービスの利用
●安全で健康的な労働条件および生活環境
●アルコール、タバコ、他の中毒性薬物の制限
●医学的根拠(エビデンス)に基づいた、清潔で、尊重され、文化的に適切で家族中心の妊娠・出産・新しくお母さんになった人へのケア
●生後6ヵ月間の完全母乳育児と、できれば自家製の離乳食の適切な使用、母乳育児が2歳かそれ以上まで続けられる正確な情報と支援
●生後6ヵ月間の母乳育児を利用した授乳性無月経による避妊法、妊娠ができるようになったかどうかの認識、他の家族計画法
●支援や情報における、友人や家族のネットワーク
●商業的な影響や経済的な影響が、妊娠・出産・母乳育児にもたらされているということを認識すること

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妊娠と母乳育児

妊娠中、女性の体は赤ちゃんを育み、栄養を与える準備をします。
乳腺が発育し、脂肪が蓄えられ、ビタミンとミネラルの代謝が高まり、授乳のためのホルモンが分泌されます。
妊娠16週までには初乳の産生が始まり、乳房で母乳を作る準備が完成します。
すべての妊娠中の女性は、合併症が出ないように見守るためだけではなく、より健康的で一人ひとりが尊重されたケアを受け、栄養を保証されるために、基本的な保健・医療サービスを受ける権利を持っています。

そのようなケアは以下のことに関しての客観的で、事実に基づいた情報提供を含まなければなりません。

●正常な出産と母乳育児の心身に関する面
●妊娠中に起こる問題や陣痛や分娩に対処するための、薬を使わない方法
●予期せぬ合併症の認識と対応
●初乳や初期の母乳育児の重要性
●出生時の赤ちゃんの持って生まれた能力
●母乳育児をスムーズにおこなう技術と、困ったことが起きたときに乗り越えるコツ

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正常な出産のための最良の方法

出産する場がどのようであるかにかかわらず、陣痛の始まった女性には、以下のことができるようにするべきです。

●そのお母さんの文化、民族、宗教の特定の信仰(信念)、価値観、慣習に応じた、気配りのあるケアがしてもらえること
●陣痛と分娩の間、心身のサポートをしてくれる「お産の付添い人」を選び、付き添ってもらえること
●陣痛と分娩の間の歩行、移動、体位の選択の自由(合併症を予防・治療するための特別に必要な制限を除く)
砕石位(仰向けで両足を挙上)は勧められない
●科学的に実証されていない画一的業務や手順(飲食の禁止、早期破膜、点滴、画一的に行なわれている胎児モニター、浣腸、剃毛など)を最小限にするケア
●人工破膜や会陰切開などの侵襲的手順を最小限にするスタッフによるケア
●薬物を使わずにお産の痛みをのがす方法をトレーニングされ、医学的必要がない限り、鎮痛剤や麻酔の使用を勧めたりしないスタッフによるケア
分娩サービスを提供する保健・医療施設では、以下が必要です。

●(病児、早産児、先天的な問題を持った赤ちゃんを含む)自分の赤ちゃんに、お母さんや家族が触ったり、抱いたり、母乳を与えたり、世話をしたりすることを促し支援する方針

●以下のことに関して明確に定義された方針と手順
周産期を通して、他の産科施設と協力したり相談したりすること。
これは、もともとの分娩施設から別の分娩施設へ移送されることが必要な場合でも、最初からケアをしてきた保健医療者とコミュニケーションを取ることが含まれる
産前産後のフォローと母乳育児支援を含む、地域の適切なサポートに
お母さんと赤ちゃんを紹介すること
お母さんと赤ちゃんにやさしい保健・医療サービス(上記の概要参照)に関する方針があること。
お母さんや胎児や新生児の心身の健康を理解し、どのようにしたら母乳育児がスムーズに始められるかをきちんと理解しているスタッフがいること
これらは、一連の保健・医療ケアの中の大切な要素なのです。

以上の記述は、「産前産後のサービスの改善を求める連合」 the Coalition for Improving Maternity Services の「お母さんにやさしい出産イニシアティブ」Mother-Friendly Childbirth Initiative、及び「WHOーユーロ 子どもの健康と発達部門」によってボログナ周産期部会で2001年1月に作成された「周産期の10の優先事項」から、許可を受けて採用したものです。(引用:Birth 28(2):79-83、and Birth 28(3):202-207).

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出産

すべての文化において、陣痛と分娩は、女性の生涯の中でも特別な時間です。何ヵ月も計画し夢に見ていたことがついに現実となるのです。
女性が陣痛と分娩を安全に、支援され、最大限邪魔されることなしに敬意を払われた環境でおこなうことができたなら、お母さんと赤ちゃんははっきりと意識があるなかで相互に作用しあい、すぐに母乳育児ができるのです。
正常な妊娠・陣痛・出産・母乳育児はお互いに呼応しあっています。
医学的根拠(エビデンス)に裏打ちされたやり方は、出産を正常に保ち、それによって女性は力づけられ、自分と自分の赤ちゃんがどのようなケアを受けるかを自分で決めることができるようになります。

正常な出産のための最良の方法については2ページ目の囲みを参照しましょう。

残念なことに、女性が赤ちゃんを出産するときのこの基本的な能力が、しばしばほとんど支援されないどころか、蝕まれています。
多くの女性には、出産や初期の母乳育児に関する、事実に基づく情報や、熟練した積極的な支援がありません。
そして、自分自身のケアに関する決定に参加するようには力づけられていないかもしれません。
事実、医学的根拠(エビデンス)に基づいたというよりは画一的なやり方を、受動的に受け入れるように奨励されているかもしれません。

そのうえ、出産するお母さんのケアに関して世界的に格差が大きくなっていっているのです。
一方では、多くの女性が社会的資源やサービスに恵まれない地域で、熟練した出産介添え人なしで不潔な環境で出産しているかもしれません。

そのような例では、出産直後の母乳育児は、分娩後の血液喪失を減らし、赤ちゃんの体温維持のため生存に欠かせないものです。
しかし、お茶やほかの飲み物を飲ませることによって制限されたり、遅らせられたり、初乳を差し控えさせられたりしているかもしれません。

もう一方では、社会的資源やサービスに恵まれた地域でのお母さんは、正常で健康な出産に対し、不必要で過剰な出産時の介入を推進するような医療テクノロジーや、特殊で専門的な保健・医療ケアの氾濫に身を置いているかもしれません。

世界保健機関(WHO)の1997年の専門的な論文、『WHOの59ヵ条 お産のケア 実践ガイド』(農山漁村文化協会刊・原題「正常なお産におけるケア」)はさまざまな出産の方法と手順に対し医学的根拠(エビデンス)に基づいた再考を促しました。

推進されるべき方法、なくすべき方法、より適切に使用されるべき方法についての勧告は、2ページ目の「正常出産のための最良の方法」という囲み記事に一般的な言葉で書かれていますので参照してください。

これらの勧告にかかわらず、多くの有害で、効果的でなく、不適切に適用された方法が存続しています。
ある場では、それらは女性や保健医療従事者に、出産や赤ちゃんや母乳育児にどのような影響を及ぼすのかについての明確な情報を提供しないで、単に「便利」で「痛みがない」ものとして、攻撃的に売り込まれているのです。
特に、陣痛時の疼痛抑制のためにお母さんに投与される睡眠薬や麻酔薬は実際は分娩を長びかせ、体を傷つけ、費用のかかる処置をおこなうリスクを増加させるのです。
これらの薬剤はまた、胎児に移行し、新生児が呼吸したり、吸ったり、飲み込んだりする能力に影響を及ぼし、したがって効果的な母乳育児の能力に影響を及ぼす可能性があるのです。

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出生直後の母乳育児

赤ちゃんは自分で乳房を見つけ、吸いつき、母乳を飲む能力を、生まれながらに授かっています。
赤ちゃんはお母さんと肌と肌を合わせていることで、温かく過ごすことができ、たやすく呼吸と心拍数を調整することができます。
出生後数分での授乳は胎盤の娩出を助け、出血を減らし、お母さんと赤ちゃんの精神的な愛着形成を強めます。

邪魔されずにいると、赤ちゃんは生後40分から2時間くらいまで、活動的ではっ きり目覚めた状態が続くでしょう。
その後、赤ちゃんは深い眠りに入ります。

出産のときと同様に、分娩後早期のたくさんの処置が早期の母乳育児を阻害します。
赤ちゃんの鼻や口、そしてのどに直接影響を与えるような処置は、デリケートな粘膜を傷つけたり、初期の吸啜反射を妨げたり、口への刺激をいやがるような反応を引き起こしたりするかもしれません。
計測や予防処置、沐浴のために赤ちゃんをお母さんから離すことは、赤ちゃんがしっかり意識がある状態を乱すことになりかねません。

最初のお母さんと赤ちゃんのアイコンタクトと授乳の前になされる点眼は、お互いの愛着に不可欠な、目と目を合わせることを妨げます。
新生児期の最善のケアは、“赤ちゃんにやさしい病院運動”(BFHI)の核心である、「母乳育児の成功のための10ヵ条」です。
お母さんと赤ちゃんへの干渉を最小限にし、温かく支援するような環境に置いてあげることで、完全母乳育児が保護され、奨励されることにもなるのです。
出産経験が理想的なものでなかった場合でも、10ヵ条はお母さんと赤ちゃんの愛着を促しますし、訓練された出産の介助者、ラクテーション・コンサルタント、看護・医療スタッフ、母乳育児のカウンセラーの共感的な母乳育児の援助をさらにスムーズなものにします。
この支援は母乳育児に対するお母さん自身の決断とやる気を強めるのです。
BFHIについてさらに知りたい方はユニセフのサイト(英文)を参照してください。

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「母乳育児における世界規模の母親支援運動(GIMS)」

母乳育児における世界規模の母親支援運動(GIMS)は、WABAの母親支援部会がによって取りまとめられた新しい世界規模の母親支援運動です。
これは、お母さんが子どもを母乳で育て始め、母乳育児を続けるための支援を得られるよう環境を改善することを目的としています。
そうした支援は、一般的には、励まし、正確で時宣にかなった情報、出産時の人間らしく思いやりのあるケア、アドバイス、安心させてあげること、ありのままを受け入れて認めてあげること、具体的な援助、実際的なコツの伝授などが含まれます。
女性たちは、保健医療専門家、雇用主、友人、家族、地域からの支援を必要とします。妊娠、出産、授乳期間を通して条件が整えられてはじめて、安全に赤ちゃんを月満ちるまで胎内で育て、お産の経験を一緒に分かち合いたいと思って選んだ人に付き添われて出産することができます。
職場で働く女性は、産後の6ヵ月は完全に母乳だけで赤ちゃんを育て、離乳食を始めた後も母乳育児を続けることができるような支援を受けるべきです。

もっとGIMSについて知りたい方は、WABA事務局までご連絡ください。

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赤ちゃんの健康のための母乳育児!

●完全に母乳だけで赤ちゃんを育てると、生後6ヵ月間は、赤ちゃんが必要とするすべての栄養を満たします
●1歳過ぎても母乳を続けることで赤ちゃんの栄養面、精神面の健康に大きな貢献があります
●母乳で育てられた赤ちゃんは、人工栄養された赤ちゃんに比べ、より強い免疫力をもち、より健康です
●母乳中の特別な脂肪酸は、知能指数(IQ)を上げ視力を高める手助けをします
●母乳育児をすると、毎年下痢や肺炎などの疾病が原因で亡くなっている150万人の赤ちゃんの命を救うことができると、研究が示しています

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行動のためのアイデア

女性の健康増進のために

●学童期を含むすべての年代の女性の心身の健康を高めるような企画をし、進めましょう。
(栄養価の高い食事、喫煙の予防と中止、運動、公的な学校教育、家族計画を含む)
●結核、C型肝炎、HIV/AIDS、薬物中毒、のような急性および慢性の疾患を持つ女性が、人間らしく思いやりのある保健医療ケアを受けられるように援助しましょう
●妊娠、出産、母乳育児と女性の健康に関して「最善の方法を教える」セミナーを、家族、保健・医療サービスの提供者、費用分担者(医療保険や政府)、政治家、そして公務員に対しておこないましょう
●あなたの地域における、母乳育児や女性の健康を保護、推進、支援するにあたり、欠けているところはどこか、十分なところがどこか、よいところはどこかについての情報を集めましょう
つまり、診療所、職場、病院、地域のグループなどについての情報を集めるのです
その中で最良の方法を行なっているところを表彰しましょう

思いやりをもち、適切な出産の実践を盛り立てるためには、以下のことをしましょう

●近所、地域、国内の女性の周産期の健康に関する情報を集めましょう
●健康な妊娠生活を送るのにいちばんの障壁になっていることは何でしょうか
●安全で十分情報を提供された出産の経験をするための重要な課題は何でしょうか
●産前産後のよりよいケアを求めるために、地域の家族の声を集めましょう
●保健・医療や社会福祉サービスへのかかりやすさ
●陣痛にどのように対処するかについて教える、事実に基づく情報を根拠とした出産教育クラス
●赤ちゃんのケアと母乳育児に関する両親学級
●家族の健康的なライフスタイル
●受け入れやすく、効果的な家族計画法
●地域の病院や保健医療従事者に出生前、出産、分娩後のサービスについて尋ねましょう
●お母さんと赤ちゃんへのケアが人間的な温かいものになり、利用者の満足感を高め、費用と資源を節約したりすることもできるような改革を提案しましょう
(Care in Normal Birth『WHOの59ヵ条 お産のケア 実践ガイド』(農山漁村文化協会刊)やEvidence-Based Guidelines for Breastfeeding Management During the First Fourteen Days「エビデンスに基づく、生後2週間の母乳育児のガイドライン」を参照)
●出生時の付き添い者やドゥーラ(産前産後の女性を援助する女性)などの出産のサポーターをトレーニングする企画を推進しましょう
●出産と新生児のケアに関する保健・医療の基準、政策、法律を再検討しましょう
●出産と産後の初期に母と子の愛着形成と母乳育児を妨げる可能性のある手順を指示しているような基準、政策、法律を変えるために、医師、政 治家、公務員と協力しましょう

母乳育児を推進するために

●あなたの国が関わる「安全に母親になる運動」などの母子保健援助プログラムが、母乳育児により重点を置いたものとなるよう政府に働きかけましょう
訳注 safe motherhood initiative 「安全に母親になる運動」women in developmentの分野でユニセフやWHOが中心となって進められている運動。
“女性が妊娠出産に伴って死亡したり、病気になったりするのを適切なケアを受けることで防ぎましょう”というもの。詳細はhttp://www.safemotherhood.org/
日本の場合は「健やか親子21」がそれに当たる
●地域の中で、母乳育児の情報と支援をするクラスや、情報が届かないところにも援助を広げる企画をしたり推進したりましょう
●母乳育児の委員会や連携できるようなグループを近隣・地域・国の規模で作りましょう
●“赤ちゃんにやさしい病院運動”をもっと盛んにしましょう
●地域の病院を“赤ちゃんにやさしく”なるように励ましましょう
●“赤ちゃんにやさしい”病院がその質や 医学的根拠(エビデンス)に基づいた実践を維持できるよう助けましょう
●BFHIの認定条件をさらに広げ、出産ケアや、HIV感染が広がっているところでのケアも含むように働きかけましょう
●“国際規準(WHO規準)とその後の乳児栄養に関する世界保健総会の関連決議”を支持しましょう
●政府のリーダーたちや病院の管理者が法律や規制や契約上の協定を作るにあたってWHO規準を使用するよう要請しましょう
●同僚や地域住民にWHO規準を伝えましょう
●どのように違反しているか、どのようにあなたの地域の家族に影響を及ぼしているかを伝え、皆でWHO規準を遵守するようにしましょう

母親を支援する環境を育てるために

●家庭訪問、食料計画、家族計画や母親から母親への支援といった産後の医療ケアや社会福祉のための地域にある社会的資源やサービスを見つけましょう
●地域の共同体の中での母親から母親へのサポートグループの発展と維持を支援しましょう
●2000年にILO総会で採択された母性保護に関する第183号条約と第191号勧告を批准するように国に働きかけたり,地域の職場が,その内容を自発的に取り入れるように働きかけましょう
●具体的な行動のアイデアについては、WABAのサイトにあるILOキャンペーンをご覧ください。
●産休や働く母親の公私にわたる労働条件に関する法律や政策を理解しましょう
●職場の託児所に関する資源やサービスを確認しましょう
●GIMSに参加、支持し、地域で活動しましょう

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情報源

書籍/研究論文

●Enkin, M., M.J.N.C. Keirse, M. Renfrew, and J. Neilson, A Guide to Effective Care in Pregnancy and Childbirth (second edition). New York: Oxford University Press, 1995.
●IBFAN, Breaking the Rules, Stretching the Rules 2001: Evidence of Violations of the International Code of Marketing of Breast-milk Substitutes and Subsequent Resolutions (English and Spanish). IBFAN PDF version downloadable from
●International Institute of Rural Reconstruction (IIRR), Indigenous Knowledge & Practices on Mother and Child Care: Experiencesfrom Southeast Asia and China. 2000
●International Lactation Consultant Association (ILCA), Evidence-Based Guidelines for Breastfeeding Management During the First Fourteen Days. 1999. Available from ILCA, www.ilca.org. Summary on-line at www.guideline.gov.
●Maternity Centers Associations, Your Guide to Safe and Effective Care During Labor and Birth (2000 edition). Website: http://www.childbirthconnection.org/, Tel (USA): +212-777-5000 ext. 5.(現在はChildbirthConnection.orgと名称が変わっています)
●WHO, Care In Normal Birth. Print version ordered through WHO Geneva; PDF version downloadable from www.who.int/reproductive-health/publications/.
『WHOの59ヵ条 お産のケア 実践ガイド』(農山漁村文化協会刊)
●WHO, “Appropriate Technology for Birth (Fortaleza Recommendations).” Lancet Aug 24, 1985:436-437.
●Williams CD, Baumslag N, Jelliffe DB, Mother and Child Health: Delivering the Services. 3rd edition, 1994.

雑誌論文・レビュー

●Cochrane Collaboration Reviews Database www.cochrane.org.
●Heinig MJ, Dewey KG, “Health effects of breastfeeding for mothers: a critical review.” Nutrition Research Reviews 1997; 10:35-56.
●Kennell JH and Klaus MH, “Bonding: Recent Observations That Alter Perinatal Care” Pediatrics in Review 19(1) 4-12, 1998.
●Walker M, “Do labor medications affect breastfeeding?” J Hum Lact 13(2):131-137, 1997.

ビデオ

●Gentle Birth Choices and Birth into Being. Available from www.waterbirth.org
●Delivery Self-Attachment. Shows the difference at birth between babies born to mothers who did or did not use pain drugs in labor. ●Available from Geddes Productions www.geddes.com or Health Education Associates, Tel: +508-888-8044
●Birth in the Squatting Position. Available through Academy Communications, Box 5224 Sherman Oaks, CA 91413 Tel (818) 788-6662
●Giving Birth: Challenges and Choices by Suzanne Arms. Available from www.BirthingtheFuture.com.
●Tried and True. An encyclopaedia of high touch, low-tech comfort techniques. Available from www.Injoyvideos.com

団体とそのウエブ・サイト紹介

●Alliance for the Transformation of the Lives of Children <www.ATLC.org
●Doulas of North America, DONA<www.dona.org>
●Save the Children Every Mother/Every Child Campaign<www.savethechildren.org>
●世界母乳育児行動連盟(WABA)は、国際乳児用食品行動ネットワーク(IBFAN)、ラ・レーチェ・リーグ・インターナショナル(LLLI)、国際ラクテーション・コンサルタント協会(ILCA)といったさまざまな組織やネットワーク、個人が母乳育児を保護・推進・支援するための「グローバル」な連盟です。

WABAは“イノチェンティ宣言”に基づき行動し、国際児童基金(UNICEF)と緊密に連携を取っています。

日本国内の連絡先

母乳育児支援ネットワーク
Breastfeeding Support Network of Japan(BSNJapan)
http://www.bonyuikuji.net/

母乳育児支援ネットワークはWABAの活動を日本で紹介するとともに、日本での母乳育児を支援する活動をおこなうことを目的として2000年に設立された非営利団体です。
WABAの支援団体として登録されており、母乳育児支援の関心のある方の参加と協力をお待ちしております。

翻訳・校正スタッフ:多田香苗(IBCLC)、小野田美都江、瀬尾智子(IBCLC)、高橋万由美、中塚千賀、福原敦子、本郷寛子(IBCLC)、山崎陽美
印刷レイアウト:小竹広子
サイト・レイアウト:池田まこ

この情報の翻訳と配布はWABAからの許可によって実現しました。
日本語訳を複製する場合は事前に母乳育児支援ネットワークへお問い合わせください。

WABAはいかなる形でも、母乳代用品、関連する器具や補完食(離乳食)を生産する企業からの支援はお断りしています。
WABAは世界母乳週間の参加者全員が、この倫理上の立場に従い、これに敬意を払ってくださるようお願いしています。

最初は母乳だけ、その後も他の食べ物を補いながら母乳を与え続ける。金色のリボンは、 その「ゴールド スタンダード」、つまり理想のありようの象徴です。

WABA(世界母乳育児行動連盟)とユニセフが共同で提唱している「金色のリボン運動」に参加しています。

Facebook 母と子の育児支援ネットワーク(災害時の母と子の育児支援 共同特別委員会)

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