Day2 母乳代用品のマーケティングに関する国際規準と その後の世界保健総会決議に関するモニタリング

―ヨン・ジュー・カン氏(IBFAN-乳児用食品国際行動ネットワーク)

昼食の後なので会場の皆さんが眠くなってしまうから、プレゼンテターは交代しながらします。

まず企業によって雇われている人や企業自体がモニタリングをすることはできない。
独立透明な人がモニタリングするべきである
・国際規準を確実に見る
・企業の方針変更
・政府に情報提供
・法の必要性を検討
・最近の傾向として面白いのは、消費者がこの会社はいい会社か悪い会社か倫理的な問題としてどうかを教えること。

いまだに国際規準が法制化されていない国(タイ・日本)では・・・
美しい赤ちゃんの写真や絵を使って広告されている。

われわれは国際的に同じ規準で測ることを開発した。
企業に対する態度やアンケートなどのモニタリングの規準を開発した。

正確で、共有され、公開された情報は効果的である。その情報をもって広告業界を訴えていくことが大切。
日本での法制化をするためにSIMを作った。会場の皆さんでできることとしてモニタリングをやっていって欲しい。

違反があった場合、マレーシアのペナンのジュー・カンさんのいる事務所(資料に住所が載っている)に報告する。
自分たちでそういうグループを作ってモニタリングしてやっていくことはできる。
違反の情報
When=ポスター等のものがいつ作られたかだけでなく、最後にいつ見られたかということも大切な情報である。
How=どのような違反が起こったのかという確証の情報が大切である。
情報を得るために、話を聞く(インタビュー)も大切。
インタビューの時は、意見(説教)はできない、でも一職員として(たとえば看護師)ならば「それをやめよう」等の意見はいってもいい。

(会場の参加者の職業を訊く)助産師が多く、医師は一人。病院や保健所等で働く人々の意見は貴重である。
(一人の助産師にコード違反をみますか?と質問、「山ほど見てますよ」という答えでした。)

(明治乳業のカレンダーを例に)どこが違反か?
赤ちゃんの写真とともに明治乳業の粉ミルクの缶の写真がある。
もし、缶の写真がなくても、MEIJIと会社の名前が入っているから違反。
(ピジョンの出している小冊子を例に)どこが違反?
外見は会社の名前が入っているのみ、だが、中身は・・たとえば「哺乳ビンはママの分身」と書いてある。
→情報を与えることはOKだが、人工乳が理想的のようなイメージを与えてしまうことはダメ!
もし、ここに、「母乳育児が一番だが、どうしても母乳で育てられない、母乳が足りない時のためにどうぞ」というのであればOK。
しかし、「どうしても母乳で育てられない、母乳が足りない時」が強調されすぎてはいけない。

―アネリス・アレイン氏(IBFAN-乳児用食品国際行動ネットワーク)

企業を規制するためにSIMフォームを作った。「母乳から人工乳にしたほうがいいというようなことを言っていた場合は、SIMを使って反論できる」
違反があったときは、マレーシアのペナンに通報できるのだが、自分たちでそれをしてもよい。
多国籍企業に対して、倫理的透明性を訴えていく。人々が訴えていけば、だいたい企業は改めていく。
個人的にどうやるか。
・国際基規準を知る。
・販売促進戦術について知る。たとえば、カレンダーの健康そうな赤ちゃん、そこに人工乳の缶が写っているのも、企業のロゴもどちらも違反。会社の名前があることと健康そうな赤ちゃんがいると、名前とイメージが結びつくから違反である。
ピジョン社の乳幼児の保育に関する本には、まったく製品説明が加えられていないが、この本は病院でお母さん方に配られている・・・内容は「おっぱいと哺乳びんとミルクはお母さんの分身。ゆうちゃんは大好きだよ」など人工乳を母乳と同列に置くもの。本の後ろに「ピジョン社」と書かれているだけでその他の宣伝などはない。情報を提供することはいいことだが、母乳育児に関連したようなことを言って、人工乳育児を理想化してはいけない。
企業が与える情報について「もちろん母乳育児は赤ちゃんにとってベストな方法です」と言っておきながら、「ですが、あなたの母乳が十分でないときにこれを使ってください」というやり方について、これから説明しましょう。

特に企業がいくつかの販売促進戦術を使っている場合に、訴えるための道具がSIMフォーム。SIMでは、8種類のフォームがある。お母さん対象のもの(今の情報がほしいという理由と、生後6ヵ月未満の子どもには完全母乳育児を勧める必要から、生後6ヵ月未満の赤ちゃんのお母さん)、店舗でどのように販売宣伝されているかについて、病院において企業がどのように販売しているかについて(これは保健医療従事者が一番の情報源である)などの種類がある。
情報を得る方法が重要。私たちは見たり聞いたり言ったりしていかなければならない。そのレポートをペナンのIBFAN事務所に提出できる。それを政府に提出できるものかどうか見ていく。
これは告げ口ではないし、私たちが訴える対象はあくまでも会社なので、あなた方(従事者)を訴えるわけではない。

違反の重要な情報・・・それが見られた時期がいつであったかが重要。なぜ違反なのかを知っておくことが必要。どのように違反が起こったか。モニターした人の匿名性を守ること。違反の確証となるものが必要。重要な情報は、人話すことによって得られることもある。見えないものの違反。
・モニターは見る。聞く。しかし説教はしないこと。
「母親のためのミルク」というようなキャッチフレーズの妊婦・授乳婦用製品があるが、新しい傾向であり、妊娠中からお母さんをその企業に取り込むことで母乳保育に悪い傾向を与えている。そういったこともリポートして行ってほしい。しかし基本的には、国際規準の対象とする範囲内の製品の報告。
固形物について
フォローアップミルクは生後6ヵ月以降使用できる。
ミックスジュースをミルクをとくのに使う母親もいる。
WHOが推奨するグラフ、
「生後6ヵ月未満の赤ちゃんに適している」製品の判断は、哺乳びんが写っているのはダメ。この中東のビスケット(哺乳びんのミルクで溶くためのもの)のラベルは、明らかに歯がない生後6ヵ月未満の赤ちゃんをモデルに使っている。こうしたものはダメ。ラベルに「生まれてすぐから」と書かれているものはダメ。生後6ヵ月未満の赤ちゃんへの与え方や対象月齢はよく勉強しなければならない。

哺乳びんと人工乳首もまた国際規準で規制される製品。
人工乳を作っている会社はコードを知っているが、哺乳びんを作っている会社はコードを知らない可能性がある。
お母さん用の人工乳「Eお母さん」はよくない。これは新しい製品なので国際規準範囲内ではない。今現在2003年においては、規準に表示されてはいないが、あきらかにお母さんの自信を損ねる。
おしゃぶりは、国際規準の対象範囲内ではない。
しかしおしゃぶりは母乳の期間を短くしてしまう。国によってはおしゃぶりの使用を規制している場合もある。
ただ我々は、販売がいけないのではなく、販売促進がいけないのだということを覚えておかなければならない。

―ヨン・ジュー・カン氏(IBFAN-乳児用食品国際行動ネットワーク)

保育に関する教材を渡すことは大丈夫だが、それに関しては規制がある。42条。母乳育児の有意と利点を明示するなど。(資料にあり)
(明治乳業の作った育児書を読む)「哺乳びんもミルクも・・祐ちゃんの新しいなかよしだね」「乳首はデリケート。半分くらいのお母さんが産後すぐ乳首のトラブルを経験しているんだ。お母さん痛くてかわいそう」こうした形でお母さんの自信を失わせ母乳と人工乳を同列におくのは罪だと私は思う。

広告に使われている母乳育児をしているお母さんは概して笑顔がなく、自信なさそうな、悲しそうな表情をしている。母乳を与えている写真は、部屋で部屋着を着て暗い表情。人工乳を与えている写真は、赤ちゃんとのアイコンタクトがあり、きれいな服を着て出かけようとしているお母さんで、幸せを絵に描いたよう。このイメージ戦略はフェアではない。
また人工乳のおまけをいろいろつけ、飛行機のボーナスマイルが貯まるから人工乳を買うようなことになっている。

保健医療施設内の販売促進についての条項で、時計やサンプルをわたすのもダメ。
タイのBFHでは、ベッドの下から、青いくまのマークのついた人工乳製品の箱が見つかった。
病院にサンプルを渡すことは許されていないので、企業は一応請求書を送るが、実際には支払いをしない。

保健医療施設で、小売価格の80%以下で製品を受け取ってはいけないことになっている。
ただ会議にお金を出すことは制限がないので、会議のスポンサーになって大きく企業ネームが入っていたりする。
ブラジルは自国の規準を強化し、ガーバー社はブラジルではラベルに赤ちゃんを使うのをやめたが、他国では変えていない。
ネスレの青いくまの絵の使用は規制されていないが、ブラジルでは小さくなっている。日本では、生後1~2ヵ月からと書かれているものが、ブラジルでは生後6ヵ月からと書かれている。

文責:本セミナー情報発信チーム

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母乳育児支援ネットワーク(BSNJapan)はWABA(母乳育児支援行動連盟)を日本で紹介し、日本での母乳育児を支援する活動を行うことを目的として2000年に設立された非営利団体です。 WABAの支援団体として登録されており、母乳育児支援に関心のある方の参加と協力をお待ちしております。

BSNの理事会は医師や助産師などの保健医療専門家のみならず、社会福祉やメディア社会学、法律の専門家、および母乳育児支援団体の母親リーダーなどを含むメンバーで構成されており、母乳育児がしやすい社会をめざして活動を続けています。

BSNJapanはWABA(世界母乳育児行動連盟)の承認団体であり、乳児用食品国際行動ネットワーク(IBFAN)のメンバーグループでもあります。


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