カテゴリー: WABA(世界母乳育児行動連盟)

WABAとは

世界母乳育児行動連盟(World Alliance for Breastfeeding Action、ワバ) は、1991年に結成されました。logowaba
WABAは母乳育児は全ての子どもとお母さんの権利であると考え、この権利の保護・促進・支援のために活動する組織の世界的なネットワークです。
WABAはイノチェンティ宣言に沿って行動し、ユニセフと連携して活動しています。

 

母乳育児支援ネットワークとWABA

母乳育児支援ネットワークは2000年にWABAの承認グループとなりました。
毎年の世界母乳育児週間に関連した資料などを、WABAの承諾を得て日本語版として発表しています。
詳しくは世界母乳育児週間のページへ

世界規模の母親支援運動(GIMS)

母乳育児における世界規模の母親支援運動(GIMS)とは、世界母乳育児行動連盟(WABA)の母親支援部会によって取りまとめられた世界規模の運動です。
これは、子どもを母乳で育て始めたお母さんが母乳育児を続けるために、理解と支援が得られるような適切な環境を作りだすことを目的としています。
GIMSの定義によれば、母親支援とは、お母さんと赤ちゃん双方のために母乳育児が実際にやりやすくなるように、お母さんに差し伸べられる支援のすべてを含みます。
必要な支援は女性によってさまざまですが、一般的には励まし、正確で時宜にかなった情報、出産時の人間らしく思いやりのあるケア、アドバイス、安心させてあげること、ありのままを受け入れて認めてあげること、具体的な援助、実際的なコツの伝授などが含まれます。

多くの人がさまざまなところで、精神的な社会支援を必要としています。
女性は保健医療専門家、雇用主、友人、家族、地域からの支援が必要です。
妊娠、出産、授乳期間を通して条件が整えられてはじめて、安全に赤ちゃんを月満ちるまで胎内で育て、お産の経験を一緒に分かち合いたいと思って選んだ人に付き添われて出産することができます。
職場で働く女性は、産後の6ヵ月は完全に母乳だけで赤ちゃんを育て、離乳食を始めた後も母乳育児を続けることができるような支援を受けるべきです。

GIMSは、人権と女性の生殖に関する権利を尊重する取り組みを基盤としています。
この取り組みは男性の参加と地域社会の協力を求めています。
GIMSは、性別(ジェンダー)に配慮した支援の提供、良質の産前教育とケアを受ける女性の権利、女性が中心で尊重される分娩介助、適切で十分な産科処置を重視します。
また地域に住み、健康、食、医療についての知恵を伝える経験豊かな女性の役割もよく理解しています。

さらに広い視野を保ちつつ、さらに、GIMSの母親支援運動は、母乳育児支援に関心のある個人や団体のネットワークによって個々に定義されます。
地域における支援組織を強化することに重点を置くグループもあれば、母親が母親を支援する形のサポートやサポートグループ、あるいは保健医療サービスに力を注ぐグループもあるでしょう。

母乳育児における世界規模の母親支援運動の背景となる情報
1990年、31の政府から集まった政策作成者、10の国連機関、その他のWHO・ユニセフの会議に集まった参加者が、母乳育児の保護、推進、支援に関するイノチェンティ宣言を承認しました。
90年代において、イノチェンティ宣言は世界規模の母乳育児運動の推進力となり、特に「赤ちゃんにやさしい病院運動」の始まりと「母乳代用品の販売流通に関する国際規準」の執行の強化は、大きな運動の成果です。
またイノチェンティ宣言は、(特に政策問題と保健医療サービスにおける)国際的な到達目標を設定し、働く女性の支援を増大させ、国レベルの母乳育児委員会を設立させる原動力にもなりました。

現在における母乳育児の状況を振り返って、WABAは強化が必要な分野を見極めました。
「赤ちゃんにやさしい病院運動」(BFHI)は、赤ちゃんに焦点を当てていますが、女性のニーズに関しては十分強調されているとはいえません。
母親への産前、陣痛時、分娩時、そして産後のケアが、女性の健康と福祉を支援するような方向に、BFHIをもっと「お母さんにやさしく」する時機が来ています。
そうしたケアが望ましい母乳育児支援ともなることがわかっているからです。
妊婦や赤ちゃんを産んだばかりの女性は、一貫しないサービスや、温かい支援に満ちているとはいえない保健医療施設の方針や手順や処置が原因で、不安定な状態に置かれることがよくあります。

(女性のニーズの需要と供給の)隔たりは、保健医療施設だけではなく地域にも起きています。
伝統的な社会では、女性がスムーズに母乳育児を始め、継続させるために必要な支援や実際的なアドバイスは、親戚や親しい友人の手にゆだねられていました。
地域によってはそのような伝統的な支援体制がまだ存在していますが、伝統が失われてしまった地域もあります。

保健医療施設と地域の両方のレベルでこうしたニーズがあることに気づいたWABAは、イノチェンティ宣言のなかの「支援」の部分に特に注目をした運動を発展させたのです。
そして、あらゆるレベルで母親への支援がなされるための戦略的思考を提唱しています。

世界規模の母親支援運動(GIMS)とは?
GIMSは、女性が出産前、分娩時、出産後を通じて適切で正確な情報、支援、保健医療ケアサービスを受けるニーズがあること、そして受ける権利があることに焦点を当てた世界規模の運動です。GIMSは、女性の生殖サイクルを全体的に見て、お母さんと赤ちゃんが望ましい母乳育児を経験できるように援助するさまざまな支援策を推進します。

母乳育児における世界規模の母親支援運動(GIMS)の未来像
どこに住んでいようともすべての女性が母乳育児において、専門家やレイ・プロフェッショナル(専門家の資格はないが、一定のトレーニングを受けた民間の援助者)の支援、社会的支援を受けられるようになること。お母さんと子どもが望む母乳育児経験ができるように必要な情報、教育、励ましを得られるようになること。それがGIMSの未来像です。

目的
母乳育児の情報、教育、支援、ケアの提供において、必要な手段が講じられ、お母さんと赤ちゃんが望ましい結果を得ること。

焦点
焦点は、母乳育児がうまくいくかどうかに影響を与える、女性の生殖サイクル(妊娠、出産、産後、母乳育児)における支援にあります。とはいっても、この時期以前、もしくは以後の教育や支援に手を伸ばすことも含まれますし、女性どうしの支援ネットワーク(パートナー、親戚、友人など)を妨げるものでもありません。

目標
* 母親への支援は広義にとらえ、母乳育児期間には妊娠中、出産時、産後も含む。
* 特に母乳育児にも影響を与えるお産の状況が、より人間らしく性別(ジェンダー)に心配りをした保健医療ケアになるようなガイドラインや手段を構築する。
* 世界規模で母親支援の理解を深め、地域に密着した母親支援の企画やネットワークを強化する。
* BFHIの第10ヵ条の項目を推進し、母乳育児支援グループへの理解を広げることによっ
て第10ヵ条の項目が実施されるようなガイドラインを発展させる。
* 母親支援を全体的にとらえることができるように、他の運動と連携、連帯する。これには、自然で人間的なお産、家族のサポート、助産術、女性の健康と権利にかかわる運動などが含まれる。
* 望ましい妊娠、出産、母乳育児を実現できるように雇用、保健医療施設、経済界の方針においての変革に弾みをつける。

母乳育児における世界規模の母親支援運動(GIMS)宣言
以下のことが前提にあります。
* お母さんは命を与え、命を生み出すもの、ヒューマニティ(人間性)を豊かにするものです。
* お母さんは赤ちゃんの子育ての主な担い手です。
* お母さんは赤ちゃんに最適な栄養を与えるために、支援を必要としています。
* 母乳育児はお母さん、子ども、家族、地域社会の健康と福祉に寄与します。
* 多くの伝統的な母親支援は、企業の世界的規模化(グローバリゼーション)、近代化、産業社会化の力によって弱められ、危機にあります。
* 同じ仲間どうしの支援グループの方法は、薬物乱用、ガン治療などのさまざまな分野において行動を変え、望ましい行動を維持するのに効果的であることがわかっています。
* 母乳育児における母親支援の概念は、あまり理解されているとはいえず、価値があるとも思われていません。
したがって、私たちは以下のことを宣言します。
* 支援活動の中ではお母さんが中心的な担い手となり、情報やサポートの受け手であるとともに与え手でもあるべきです。
* 生殖サイクルを通じて、赤ちゃんが望ましい栄養を得るのに大きな役割を果たす母親支援の重要な役割を認め、大切にしましょう。
* 妊娠と出産の人間らしく思いやりのあるケアに特に注目すべきでしょう。
* 母親支援とは、お母さんと赤ちゃん双方にとって望ましい母乳育児ができるよう、お母さんに差し伸べられるすべての支援が含まれますから、広く定義するべきです。
* お母さんは、生殖のサイクル(妊娠、出産、産後)を通じての支援を受けるべきです。
* 母親が母親を支援するサポートグループは、母親支援の多くの方法の中のひとつです。
* 母親支援は特に最適な母乳育児が困難な母親たち――働く女性、災害時や戦争化の女性、HIV/AIDSにかかった女性には、特に重要です。

それゆえ私たちは提案します
* 母親支援は国際的、また国や地域のレベルで配慮され、最優先で助成されるべきものです。
* 情報と実際的な援助は、子どもを産む時期の女性と母乳育児をしている女性に差し伸べられるべきです。
* 母親支援を続けるための策を練り、実施するべきです。それにはネットワーキング、また経験やモデル、手段を共有する機会を与えるこが含まれます。

さらに情報が欲しい方は以下にご連絡ください。
World Alliance for Breastfeeding Action PO Box 1200, 10850 Penang, Malaysia
Tel:60-4-6584816 Fax: 60-4-6572655 E-mail: secr@waba.po.my
Website: www.waba.org.br/   www.waba.org.my/
もしくは、
the WABA Mother Support Task Force(母親支援部会):
Paulina Smith, Coordinator <smithpc@att.net.mx> ・ Norjinah Moin, Co-coordinator
<norjinah@hotmail.com> ・ Rebecca Magalhaes, Co-coordinator <Rmagalhaes@llli.org>.

世界母乳育児行動連盟(WABA)は、母乳育児を保護し、推進し、支援するための世界規模の運動です。WABAはイノチェンティ宣言を基盤とし、ユニセフと緊密な連絡を取りながら活動しています。

GIMS for Breastfeeding, Mother Support Task Force ・ Jan 2002
母乳育児における世界規模の母親支援運動部会 2002年1月
World Alliance for Breastfeeding Action (WABA), www.waba.org.br
翻訳:母乳育児支援ネットワーク
2003年1月

すばらしい未来を作り出すための10のリンク(連結)

「10のリンク」というのは、21世紀に向けて私たちが行動していくための枠組みとして、WABA(世界母乳育児行動連盟)が始めたキャンペーンの1つです。
この「10のリンク」を使って、私たちはもっと手を広げて、既存のグループや新しいグループと連携し、母乳育児と、より広範囲のテーマとを結びつけることができます。

1.人権と責任10links

母乳育児と乳幼児のための健全な栄養を保護し、推進し、支援するために、とりわけ女性と子どもにとっての「食の安全」「健康」「安全な環境」を得るための権利が保証され、責任を持って提供されること。

2.食の安全

すべての女性が産後から6ヵ月間完全に母乳育児ができるようにする。
また子どもが2歳かそれ以上になるまで母乳育児を続け、適切な補完食(離乳食)を食べることができるようにする。
このことが家庭における食の安全につながる。
お母さんが適切な栄養を摂り、すべての人が安全な食生活を送れるように、政府の働き、および市民運動を後押しする。
適切なその土地の食べ物を使った補完食(離乳食)を作り、利用することを推奨する。

3.女性のエンパワメント

適切な母性保護の条例を含めた革新的な社会支援制度を、すべての母親のために作っていく。
そしてどのような局面においても、乳幼児の栄養についての正確な情報を得たうえで、自分の意思で選択できるようにする。

4.地域参加

お母さんがお母さんを支援するサポートグループを含めた、地域に密着したサポートグループを発展させることを促す。
あらゆる人々をエンパワーして乳幼児の栄養、ひいては自分たち皆の生活を改善するように、市民グループ、宗教家、政策作成者を含めた地域の人々を巻き込んで啓発していく。

5.赤ちゃんにやさしい文化

赤ちゃんのやさしい病院運動における「母乳育児を成功させるための10ヵ条」で推奨されていることがすべての保健医療システムや、伝統的な助産の場で実施されるようにする。
「赤ちゃんにやさしい」概念が、妊婦健診や母親教室、医療サービス、職場、地域にも広がり、すべての母親が自然に簡単に母乳育児ができるような環境を作り出す。

6.清廉・誠実

乳児栄養の製品や器具を製造している会社からの、いかなる贈答品、助成金、援助も拒否する。
女性の体を搾取しているような広告をやめさせ、浪費や環境汚染を招くような製品の使用に異議を唱える。

7.国際規準

母乳代用品の販売流通に関する国際規準」とそれに関連した世界保健総会での決議を国内法制化して、強制力のある法律や条令に盛り込み、実施するよう推し進める。
人を惑わせるような営利目的の販売攻勢、行き過ぎた無償の取引、コーデックス食品規格に関する条項についての誤った情報から消費者や保健医療従事者を守る。

8.理解力・能力の向上

母乳育児と乳幼児の健全な栄養のニーズを理解してもらうように、保健医療従事者、保育者、栄養士、政府の役人、ソーシャル・ワーカー、市民グループ、一般市民の理解を深め、能力の向上を図る。
主にかかる保健医療ケアのスタッフ、看護師、助産師、医師、専門家や他の保健医療従事者が、母乳育児と乳幼児の健全な栄養についての十分な教育を受け、「母乳代用品の販売流通に関する国際規準」とそれに関連した決議や、その他の適切な国際協定書・法律文書を支持するようになること。

9.社会改革の支援・擁護

母乳育児の保護、推進、支援と、適切な補完食(離乳食)がふさわしい時期に使用されることを含めた、乳幼児の栄養に関する国の健全な方策が実施されるように支援する。
メディアや市民団体を巻き込んで社会的な波を起こし、母乳育児、および乳幼児の健全な栄養を保護する方向へ社会を動かすようにする。
政策に影響を与え、経済的、社会的、政治的、実質的な環境を整えて人類が今後も栄えていくために行動する。

10.ネットワーキング

乳幼児の健全な栄養と、より広義の子育てに関する問題において、いろいろな団体、個人、政府機関が一緒に働いて地域や国レベルでネットワークを作るように尽力する。
こうしたネットワークを地域的、または国際的な運動と連携し統合する。
そして市民社会のさまざまな分野で、明るい未来を育てるような方向に進めていく。

2003年1月
翻訳:母乳育児支援ネットワーク

 

生後6ヵ月間は母乳だけでOK! 安全、安心、持続可能なゴールド・スタンダード WABA2004

Index
金色のリボン2004family_eng180
母乳だけで赤ちゃんを育てる…
なぜ、多くの赤ちゃんが母乳だけで育てられていないのでしょうか?
「ゴールド・スタンダード」を成し遂げましょう
こうすれば、母乳育児はうまくいきます
以下のようなことがあると、ゴールド・スタンダードを満たせません
仕事は母乳育児の障害にはなりません
気遣いのある環境
生後6ヵ月間も母乳だけで育てることなんてできるの?
行動のためのアイデア
特別な状況で「母乳だけで赤ちゃんを育てる」
参考文献
医療・保健従事者、地域やお母さんのサポートグループのための情報源―困ったときはこちらへ


金色のリボン

最初は母乳だけ、その後も他の食べ物を補いながら母乳を与え続ける。金色のリボンは、その「ゴールド・スタンダード」、つまり理想のありようの象徴です。

リボンの対の輪はそれぞれ、お母さんと子どもを示しています。そして真ん中の結び目は、それを支えるお父さん、家族、社会を表します。リボンの端はそれぞれ、生後6カ月以降赤ちゃんの成長に合わせて与える補完食と、母乳育児を続けることできょうだいの年がちょうどよく3~5歳離れることを示しています。

このリボンは、WABA(世界母乳育児行動連盟)とユニセフが共同で提唱している、人種や国境を超える世界的な運動の象徴なのです。誇りを持って金色のリボンを身につけ、このリボンの持つ多くの意味を皆に説明しましょう。

さらに詳しい情報をご希望の方は www.unicef.org/programme/breastfeeding/bow.htmやwww.waba.org.my/form2/goldenbow.htmを参照してください。

ちゃんが生まれてからの6ヵ月間、母乳だけで育てるのは、安全で、安心で、持続可能な育て方です。しかも、母乳育児が大切なのは、最初の6ヵ月に限られたことではありません。WHO(世界保健機関)とユニセフ (国連児童基金)では、適切な補完食(離乳食)を食べさせながら、母乳育児を2年以上続けることを勧めています[1]。このように育てると、赤ちゃんは本来の理想的な発達を遂げます。けれど、生後6ヵ月間母乳だけで赤ちゃんを育て、その後も母乳育児を続けるためには、母乳育児の大切さや実践方法を知ること、適切なサポートを受けることが必要です。

「生後6ヵ月間母乳を飲むことで、赤ちゃんはこの期間に通常必要としているすべてのものを摂取することができ、他の余分な飲み物も食べ物も必要ない」という点で、現在、専門家たちの意見は一致しています[2]、[3]。ここでいう「母乳だけで赤ちゃんを育てる」とは、赤ちゃんが、お母さんや乳母の乳房から直接飲む、あるいは搾乳されたもの以外は何も口にしないことを指します[4]。

多くの場合、いざやってみれば、生後6ヵ月間、母乳だけで育てることはとても楽なものです。赤ちゃんの食べ物や飲み物が足りているか、与えてよいものなのかなどと心をわずらわせる必要もなく、赤ちゃんに余分な食べ物や飲み物を与えるためにかかる手間も費用も省くことができるのですから。

残念なことに、多くの国では、「母乳だけで赤ちゃんを育てる」のは珍しいことになっています。そこで今年は、以下の3点を、誰もができるようにお手伝いすることを、世界母乳育児週間の目標とします。その3点とは、 1.「母乳だけで育てる」ことを理解すること。 2.その利点を信じること。 3.できる限り、お母さんがそうできるように支え、励ましていくことです。

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母乳だけで赤ちゃんを育てる…安全です

母乳は単なる食べ物以上のものです。母乳は生きています。多くの免疫物質を含み、赤ちゃんがまだ自分を守ることができない時期(注:自分で免疫を作り出すことがまだできない時期のこと)に、赤ちゃんを常に積極的に感染から守ってくれます[5]。生後数日間、お母さんは抗体を非常に多く含む初乳を通して、理想的な免疫を赤ちゃんに与えます。初乳の量は少ないですが、それが、この時期に赤ちゃんが必要とする量なのです。母乳だけで育てられた子どもは、より健康です。人工栄養や混合栄養で育てられた子どもは、下痢や肺炎、その他の感染症にかかる回数が多くなります[6]。

母乳だけで育てる…安心です

母乳には、赤ちゃんが生後6ヵ月間に必要とする適切な量のカロリー、タンパク質、ビタミンと他の栄養素[7]に加え、必要な水分のすべてが含まれています[8]。母乳は赤ちゃんにとって完璧な栄養となり、他のいかなる動物の「乳」や食べ物よりも容易に、そして完全に消化されます。母乳で育てられた赤ちゃんは、大きくなっても人工乳で育てられた赤ちゃんに比べて肥満になりにくいのです。またアレルギーになりにくく、知能テストの得点もより高いことが研究でわかっています[6]。

母乳だけで育てる…「持続可能」です

お母さんがどのような組み合わせで食材を食べても、栄養豊富な母乳は作られ続けます。どんなに質素な食べ物であっても大丈夫です。人工乳にかかる費用を心配する必要もありません。お母さんの食費が多少増えますが、わずかな出費ですみます。

母乳だけで育てる…お母さんにとっても重要です

母乳だけで育てていると、産後6ヵ月間は月経が再開しにくいので、早すぎる次の妊娠を防ぎます。そして、妊娠中に増加した余分な体重を落とすのを助けます。女性は母乳を与えることで乳がんと卵巣がんのリスクが減り、おそらく骨粗しょう症のリスクも減ります[6]。

世界的な運動戦略

2002年に、WHOとユニセフは、「乳幼児の栄養に関する世界的な運動戦略」[1]を発表しました。これは、政府その他の国家機関に対し、母乳育児を徹底するために必要な措置を求めています。つまり、すべての保健衛生及びその関係部局が、お母さんが生後6ヵ月までは母乳だけで赤ちゃんを育て、その後も2歳、あるいはそれ以降まで与え続けられるように、保護、推進、支援すること、そして、女性がその目標を達成するために家庭で、地域で、職場で必要とする支援を受けられるようにすることです。

 

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なぜ、多くの赤ちゃんが母乳だけで育てられていないのでしょうか?

●「母乳だけで育てる」とはどのようなことなのか、そして、いかにそれが重要なことであるか、お母さん、保健・医療の専門家、家族と地域住民が、理解していないからです。母乳だけで育てるために、どのようにしたら最もうまくいくか、どのように始めればいいのか、そして、お母さんが困ったときにどうしたらいいのかが、よく知られていないのです。そのため、お母さんに必要なアドバイスと支2004_bfhi援を提供することができません。
●生後6ヵ月の間母乳だけで育てることが可能であり、お母さんの母乳だけで足りるということ、つまり、誰でも十分な量の母乳が出るということを、お母さん自身も、保健・医療の専門家、家族と地域住民も信じていないからです。わずかな量でも、余分な食べ物や飲み物を足すことが、実際には赤ちゃんに害があるかもしれないことに気がついていません。
●赤ちゃんが生後6ヵ月になるより前に、自宅内外のどちらにせよ、仕事に戻る必要があるからです。
●企業の宣伝に、母乳だけよりも、人工乳を足したほうがいいというメッセージが含まれているからです。

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「ゴールド・スタンダード」を成し遂げましょう「生後6ヵ月までは母乳だけでOK!」を社会の常識に

お母さんが赤ちゃんを母乳だけで育てられるように、そして母乳以外のものを与えたくなるような誘惑や圧力に負けないようにするために、お母さんには「正確な知識」と「応援してくれる環境」が必要です。
「生後6ヵ月までは母乳だけでOK!」が社会の常識となっていれば、また、家族や地域社会や保健・医療従事者が正確な情報を持っていれば、母乳だけで育てることが可能となります。

こうすれば、母乳育児はうまくいきます

2004support ●お母さんと赤ちゃんが出産直後から肌と肌をふれあい、約1時間以内に最初の授乳を開始できるとき[10]。こうすると母乳産生が促され、赤ちゃんが初乳を飲むことができます。

●赤ちゃんが適切に乳房を深く口に含み、効果的にごくんごくんとゆっくり母乳を飲み込むことができるとき[11]。
●夜も昼も、赤ちゃんが欲しがるときにはいつでも母乳を飲めるとき。これは「自律授乳」もしくは「欲しがるときに欲しがるだけの授乳」と呼ばれます。そのためには、赤ちゃんがベッドやスリング(訳注:新生児から使えるハンモック風の抱っこひも)でお母さんのそばにいるのが一番です。
●常に、赤ちゃんが自分で、どちらかの、もしくは両方の乳房をどのくらいの時間吸うか決められるとき。
●赤ちゃんに、おしゃぶりが与えられていないとき。おしゃぶりを与えるとお母さんの乳房を吸う興味を失ってしまいます。

このような飲み方ができればたくさんの母乳が得られ、赤ちゃんはより満足してよく育つでしょう。赤ちゃんは1日に少なくとも6回おしっこをして、軟らかい便を何回もします。といっても、生後数週間してからは、便が毎日出なくても心配ありません。
このような母乳育児は、お母さんと赤ちゃんの心のきずなを深めます。そして、お母さんが子育てを楽しめるようになり、自尊感情(自分を大切に思える心)を高めます。

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以下のようなことがあると、ゴールド・スタンダードを満たせません

他の食べ物や飲み物が生後6ヵ月の間に与えられると、その分、母乳を飲めなくなってしまいますから、栄養的に「ゴールド・スタンダード」に及ばなくなります。赤ちゃんが吸う回数が減ると、母乳が乳房にとどまるため、乳房が張りすぎたり、はれたりしてしまうかもしれません。そして、母乳の出が悪くなり、お母さんは自分の母乳だけでは足りないと思うかもしれません。赤ちゃんは、母乳だけで育てる場合ほど成長せず、病気にかかりやすくなります。
同様に、適切に乳房を口に含んでいない赤ちゃんは、何回もおっぱいを飲んでいても満足していないかもしれません。そして、お母さんは母乳が足りないと誤解して、他の食べ物を与えるかもしれません。適切に含んでいればこのようなことは避けられ、さらには乳頭が痛くなったり、乳腺炎になったりせずにすみます。

仕事は母乳育児の障害にはなりません

すぐに職場に復帰する必要のない女性や、赤ちゃんとほとんど一緒にいることができる女性であれば、赤ちゃんが生後6ヵ月になるまで母乳だけで育てることは、さほど難しくないかもしれません。お母さんが出産の後、すぐに仕事に戻らなければならない場合は、より十分な準備と支援が必要です。留守中はしぼっておいた母乳を与えてもらおうと考えるお母さんもいるでしょう。搾乳に必要なのは大がかりな設備ではなく、プライバシーが守られ、便利に搾乳できるようなお母さんに優しい職場のあり方なのです。このような職場であれば、お母さんは自信を持って搾乳を続けられるでしょう。

気遣いのある環境

出産の前、最中、後、そして母乳育児中のお母さんは、サポートを受け、安心感を得ることが必要です。陣痛に付き添ってもらって励まされたり、分娩の渦中の緊張を和らげてもらったりすることで、出産直後からの母乳育児への準備ができるようになります[12]。保健・医療の専門家、家族や地域住民、お母さんどうしの支援グループは、お母さんの不安に耳を傾け、母乳だけで育てられる自信をお母さんがもてるようにするという方法で、力になることができます。また、家事や他の家族の世話に追われる重荷を減らす手助けを必要としていることもあるでしょう。

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生後6ヵ月間も母乳だけで育てることなんてできるの? もちろんできます!

2004mumこのことはこれまでにも、繰り返し実証されています。お母さんが母乳だけで育てる意義を理解し、そのためのサポートが得られれば、それは可能なのです。お母さんをサポートするグループでは、参加するお母さんが「母乳だけで赤ちゃんを育てる」ことができるようになるのを常に目の当たりにしています。

地域の人、ピアカウンセラー(相談に乗ってくれる仲間)、プライマリーケアのスタッフに力づけられたり、援助してもらったりすることで、より多くのお母さんが母乳だけで子育てができるようになっています。(訳注:プライマリーケア

とは、地域住民に最も近い「かかりつけ」の立場で、そのときどきで必要とされる医療・保健上のアドバイスやケアを提供すること)以下に、いくつかの事例を紹介します。

  ガンビアでは、親どうしのサポートグループのような「地域支援グループ」が、正確な情報を伝え、母乳育児サポートのための適切なスキルを使ってお母さんを援助するためのトレーニングを受けました。その結果、産後1時間以内に初めての授乳をするお母さんが増え、99.5%が生後4ヵ月間、母乳だけで赤ちゃんを育てるようになったのです。この率は、他の村ではわずか1.3%に過ぎませんでした。現在では、ガンビアの200以上の地域が、「赤ちゃんにやさしい地域」となっています。

Semega Janneh IJ et al, Health Policy and Planning, 2001(2) pages 199-205

 

  ガーナでは、さまざまな方法を使い、講習会や研修をおこなって、祖母、お父さん、メディアを含むより広い共同体に情報が提供されました。そして複数の母親どうしのサポートグループが生まれています。生後5ヵ月の時点で母乳だけで赤ちゃんを育てているお母さんの数は、2年間で44%から78%まで増加しました。

LINKAGES project Country Activities Report

www.linkagesproject.org/country/ghana.php

 

  ガーナでは、女性の経済活動を助けるために村内銀行が女性に少額ローンを設けました。その女性たちは、保健衛生と小児栄養の教育を受けました。母乳だけで赤ちゃんを育てる平均期間は1.7ヵ月から4.2ヵ月にまで延び、1歳の時点での子どもの栄養状態が改善されました。

MkNelly B and Dunford C. Freedom from Hunger Research Paper 4, 1998

 

  インドでは、保健衛生や栄養を担当する職員が工夫して、他のプライマリーケアの仕事の合間に、母乳育児について、お母さんにカウンセリングをおこなうようになりました。6ヵ月の時点で、カウンセリングを受けたお母さんでは42%が母乳だけで育てていましたが、受けなかったお母さんでは4%だけでした。

Nita Bhandari et al. The Lancet 2003; vol 361: pages 1418-23

 

  バングラデシュでは、地元のお母さんが、母乳育児をするためのピアカウンセラーとしてトレーニングを受けました。妊娠中から訪問を始め、産後5ヵ月まで合計15回の訪問をするピア・カウンセリング・プログラムです。カウンセリングを受けたお母さんは、授乳の開始が早まり、70%が生後5ヵ月間母乳だけで赤ちゃんを育てました。カウンセリングを受けなかったお母さんでは、同じ生後5ヵ月間、母乳だけで赤ちゃんを育てた割合がわずか6%でした。

Haider R et al. Lancet 2000; 356: 1643-1647

 

 メキシコでは、地元のお母さんが、家庭訪問して母乳育児の相談に乗れるようなトレーニングを受けました。家庭訪問を受けなかったお母さんで、母乳だけで赤ちゃんを育てたのは12%でした。一方、この数字は、3回の訪問を受けたお母さんでは50%に、6回の訪問を受けたお母さんでは67%に上がりました。

Ardythe Morrow et al. The Lancet 1999. Vol 353 pages 1226-31

 

 ベラルーシでは、16の「赤ちゃんにやさしい病院」で出産したお母さんの43%が、生後3ヵ月の時点で母乳だけで育てていましたが、そうでない15の病院では母乳だけのお母さんは6%しかいませんでした。Kramer MS, et al. Journal of the American Medical Association 2001; vol 285:pages 413-20

 

 ボリビア、ギニア、インド、ニカラグアでは、Save the Children やCAREといったNGOが医療・保健従事者やコミュニティ・ワーカー(地域で支援する人たち)をトレーニングすることで、祖母や父親、男性グループやお母さんどうしのサポートグループをも巻き込んで、地域の支援運動を展開しました。ギニアでは、母乳だけで赤ちゃんを育てる比率は11%から44%まで増加しました。インドでは41%から71%、ニカラグアでは10%から50%に増加しています。ボリビアでは、 ラパスの低所得地区における地域活動にサポートグループが加わると、下痢の罹患率は半分になり、生後6ヵ月未満の赤ちゃんが母乳だけで育てられる割合は75%以上にまで増えました

Save the Children final evaluation, Mandiana Prefecture, Guinea.CARE India, Nicaragua and Bolivia, Final Evaluation of Child Survival Projects, 2002 and 2003.

 

 フィリピンでは、働く女性でも母乳育児を続けられるような「赤ちゃんにやさしい」保育所が作られました。お母さんは、好きなときに立ち寄って授乳することもできるし、しぼった母乳を預けたり、乳母に授乳を頼んだりすることができます。生後6ヵ月以降の赤ちゃんのための固形の補完食は、地元の自然な材料から作られていました。

http://www.waba.org.my/whatwedo/womenandwork/wnwaboutus.htm

 

 ノルウェーとスウェーデンでは、母乳育児の割合はヨーロッパの他の地域よりはるかに高いです。 理由の1つは、保健衛生当局がお母さんの組織と相談しながら事業を進めているからです。当局はお母さんからの意見や評価によく耳を傾け、尊重し、理解を示すようにしています。

The breastfeeding investigation in year 2000. Eide I, et al. Report submittedto the Board of Health, Norway, May 2003.

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行動のためのアイデア

研究者のみなさんへ

母乳だけで赤ちゃんを育てること」が、どの程度実践されているか、そして日本では何が主な障害となっているのかを、簡単に評価してみてください。

政府関係者のみなさんへ

「世界的な運動戦略」と、「生後6ヵ月までは母乳だけでOK!」を政策と計画に組み込みましょう。

具体的には:

●保健・医療従事者のための母乳育児援助トレーニングを改善し、母乳育児に関連したグループのために講演や話し合いの場の手配を申し出ましょう。
●「母乳だけで赤ちゃんを育てること」を容易にする育児休業の立法に向けて活動しましょう。
●「母乳代用品の販売流通に関する国際規準(WHO規準)」を採択・施行するために活動しましょう。
●「母乳だけで赤ちゃんを育てること」について、全国あるいは一地方での実施率や、その調査研究があるかどうかを確認しましょう。
(このパンフレットに挙げた資料とインターネットを確認しましょう)2004action

保健・医療専門家のみなさんへ

●自分が現状を見つめなおし、最新の「知識・技能・心構え」を採り入れて、「母乳だけで赤ちゃんを育てること」を可能にするために必要なリーダーシップと技術的な支援を提供しましょう。あなたの病院が「赤ちゃんにやさしい」かどうか、「母乳育児を成功させるための10ヵ条」を実践しているかどうか、確認しましょう[10]。母乳代用品の製造業者、または販売業者からのポスターや”教材”を使用しないようにしましょう。
●あなたの職場の同僚には「世界的な運動戦略」の情報が届いているでしょうか?職場で「世界的な運動戦略」の実現をするためには、どうすればいいでしょうか?病棟のスタッフだけではなく、新生児特別治療室(Special Baby Care Units)や外来、さらには清掃員などお母さんと会話をして影響を与えそうな職員も含めた病院のスタッフと話し合いの機会を持ちましょう。
●近代的な教育を受けた助産師だけではなく、昔ながらの「お産婆さん」も、「母乳だけで赤ちゃんを育てること」や早期授乳のこと、授乳時の赤ちゃんの抱き方や乳房の含ませ方についての勉強会に招いたり最新情報に触れてもらったりしましょう。
●あなたが担当しているお母さんに、今母乳で育てているかどうか、上の子どものときはどうだったのか、つまり「母乳だけ」だったのか、混合栄養だったのか、人工栄養だったのかを尋ねてみましょう。そして、なぜそうなったのかをお母さんから教わりましょう。
●「赤ちゃんにやさしい病院」とそうでない病院の「母乳だけで赤ちゃんを育てる割合を比べましょう。
●出産前後の母親教室や外来で「母乳だけで赤ちゃんを育てること」について話し合いましょう。どのようにしたらできるようになるか、また、どのようにしたらもっと母乳が出るようになるか、 お母さんに説明しましょう。

赤ちゃんと離れて働くお母さんへ

●職場や地域で、妊娠している女性や授乳中の女性、あるいは、女性に限らず母乳育児に理解のある男性に連絡を取ってみましょう。自分の子育てや搾乳について、どのような選択をしたのか、うまくいったところや苦労したことなどの経験談を聞きましょう。
●人事担当者に対して、「母乳だけで赤ちゃんを育てること」という問題提起をし、授乳や搾乳のための休憩時間、職場内保育室、授乳室など、お母さんを外部から支援する方法について話し合いましょう。母乳育児の方針を確立しましょう。

地域のグループ、お母さんのサポートグループ、その他の団体へ

●自分たちの考えを、祖父母、赤ちゃんのお父さん、その他の男性に伝え、彼らの考えも聞いてみましょう。親どうし、祖父母どうしのサポートグループを育てましょう。支援するためのスキルを高めあい、お母さんが母乳だけで赤ちゃんを育てることができるように、よりよいサポートができるような方法を模索しましょう。
●近隣の、母乳育児相談などお母さんのケアをする場や保育園について、「母乳だけで赤ちゃんを育てる」ためにどのようにサポートしているかという観点から「採点」してみましょう。しっかりサポートしてくれる施設を公表しましょう。
●あなたのグループや「生後6ヵ月までは母乳だけでOK!」について、一般の認識を高めるキャンペーンや催し物を開催しましょう。「生後6ヵ月までは母乳だけでOK!」を推進するような楽しいプログラム(例えば、歌、寸劇、ダンス)を計画しましょう。
●生後6ヵ月間母乳だけで育てられた赤ちゃんのための卒業式を企画しましょう。きょうだい同時期の母乳育児であっても、生後6ヵ月間、母乳だけで子育てができた家族を、「生後6ヵ月までは母乳だけでOK!」の1つのモデルとして紹介しましょう。
●母乳代用品の広告がマスコミや地域の保健センターにないかどうか目を光らせましょう。これを規制する法律があるか調べましょう。
●赤ちゃんのお父さん、それ以外の家族、友人、地域から、どんなサポートを現実に受け、理想として求めているか、また、それが2004_1お母さんの選択にどのような影響を及ぼしたかを女性に尋ねましょう。
●インターネットを通じて情報を共有したり、メーリングリストを作ったりしましょう。

教育者と教師のみなさんへ

●医療、保健、生物学といった分野の教師に「生後6ヵ月までは母乳だけでOK!」について学んでもらえるようなきっかけをつくりましょう。その人たちにこのパンフレットを渡しましょう。
●学生、従業員、宗教団体、女性団体にも理解を呼びかけましょう。母乳育児を知ってもらうために、お母さんと赤ちゃんを伴って訪ねて母乳育児を見てもらい、「母乳だけで赤ちゃんを育てること」の価値と実用性を話し合いましょう。
●「生後6ヵ月までは母乳だけでOK!」を推進するポスターやちらしをデザインする際に、スタッフや学生を巻き込みましょう。そして、あなたの勤務先(大学、学校その他の教育機関)に展示したり、配布したりしましょう。

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 母乳だけで育てるには、まず、赤ちゃんが乳房をきちんと口に含んでいることが大切です

2004feed_closeup◆赤ちゃんの上唇側の乳輪は見えているが、下唇側では乳輪がより深く入った状態で見えにくい
◆赤ちゃんの口は大きく開いている
◆下唇が内側に巻き込まれていない
◆下あごが乳房に触れている

効果的に吸っているサイン
◆時々休みながら、ゆっくり深く吸う

授乳のときの適切な抱き方と赤ちゃんの位置
◆赤ちゃんの体はまっすぐ(曲げたり、ねじったりしていない)
◆赤ちゃんの顔が乳房に正面から向き合い、はじめは、赤ちゃんの鼻は、乳頭の先に触れている(目はお母さんの目を見上げている)
◆赤ちゃんの体はお母さんの体にぴったりくっついている
◆赤ちゃんの頭やお尻だけでなく全身が支えられている

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特別な状況で「母乳だけで赤ちゃんを育てる」

「母乳だけで赤ちゃんを育てること」とHIV

HIV陽性のお母さんが授乳した場合、10~20%の赤ちゃんは感染する可能性があります。しかし、そのためにお母さんが赤ちゃんに母乳を与えないという選択をしたとしても、赤ちゃんは人工栄養によるあらゆる危険にさらされることになります。それは、安全に人工乳を準備することが困難な場合、また、感染症の危険が高い場合、特に深刻です。

個別の状況に応じて、最適な乳児栄養の方法を決めるために、HIV陽性のお母さんはカウンセリングを必要とします。その後も、選択した方法を可能な限り安全に行うためには、熟練した支援が必要です。(13)

以下のような方法も、感染の危険を減らします。

●母乳だけを与えます。
●適切なテクニックを用いて授乳し、乳腺炎や乳頭痛を予防します。
●母乳育児を早めに切り上げます。持続可能で安全である代用栄養が経済的に、また現実として無理なく手に入るようになりしだい、そうでなくても生後6ヵ月ごろがいいでしょう。
お母さんが、自分がHIV陽性か陰性かがわからない場合は、「ゴールド・スタンダード」に沿って母乳育児をするのがいいでしょう。

低出生体重児(LBW:出生体重2500g未満)の場合でも、母乳だけで育てられると、発育も健康状態も、より良好になります。出生直後の数日間、赤ちゃんの状態が落ち着くまでは、母乳以外の栄養補助が必要かもしれません。(14)カルシウムやリン酸塩のようなサプリメント(栄養補助食品)は必要に応じて、母乳に合わせて与えることができます。胎内でお母さんからもらう貯蔵鉄が一般より少ないので、鉄分の補充が生後約8週目から必要かもしれません。

早産児のうち、8週間早く生まれた赤ちゃんは、乳房を吸うことができます。4週間早く生まれた赤ちゃんは、完全に乳房から栄養を取ることができます。大きな赤ちゃんと比べてより頻繁に、長い時間をかけて母乳を飲む必要があるかもしれません。赤ちゃんが乳房から直接飲むだけでは不十分な場合、お母さんが搾乳してその母乳をコップであげることもできます。(訳注:これをカップ・フィーディングといいます)搾乳とカップ・フィーディングを学んだお母さんが、他のお母さんに非常に上手に教えたり、助けたりすることもよくあります。

日光を浴びない赤ちゃんの場合は、ビタミンDを与えることで、クル病(ビタミンDの欠乏により骨が弱くなる病気)を予防する効果が得られるかもしれません。(3)

参考文献

1. WHO/UNICEF Global Strategy for Infant and Young Child Feeding. 2002
World Health Organization, Geneva
2. The optimal duration of exclusive breastfeeding: A systematic review.
2001 World Health Organization, Geneva WHO/FCH/CAH/01.23, and WHO/NHD/01.08
3. Butte NF, Lopez-Alarcon MG, Garza C. Nutritional adequacy of exclusive
breastfeeding for the term infant during the first 6 months of life. 2002
World Health Organization, Geneva
4. Indicators for assessing breastfeeding practices. World Health Organisation,
Geneva WHO/CDD/SER/91.14
5. Hanson LA, Human milk and host defence: immediate and long-term effects.
Acta Pediatrica 1999; 88:42-6
6. Leon-Cava, Natalia. Quantifying the benefits of breastfeeding: A summary
of the evidence. 2002 The LINKAGES Project, Academy for Educational Development
7. Prentice A. Constituents of human milk. Food and Nutrition Bulletin
1996; 17(4). 305-312
8. Martines J, Rae M, de Zoysa I. Breastfeeding in the first six months.
No need for extra fluids. British Medical Journal 1992 (304):1068-1069
9. Labbok M. The lactational amenorrhoea method (LAM). A postpartum introductory
family planning method with policy and programme implications. Advances
in Contraception, 1994, 10(2):93-109
10. Evidence for the Ten Steps to Successful Breastfeeding. Division of
Child Health and Development, World Health Organization WHO/CHD/98.9
11. Woolridge MW. The “anatomy” of infant sucking. Midwifery
1986, pages 164-171
12. Kroeger,M. Impact of birthing practices on breastfeeding: protecting
the mother and baby continuum. 2004 Jones and Bartlett
13. Coutsoudis A, Pillay K, Kuhn L. Spooner E, Tsai Wei-Yann and Coovadia
HM for the South African Vitamin A Study Group. Method of feeding and transmission
of HIV-1 from mothers to children by 15 months of age: prospective cohort
study from Durban, South Africa. AIDS 2001; 15:379-387
14. Hypoglycaemia of the newborn: A review of the literature. World Health
Organization, Division of Child Health and Development. WHO/CHD/97.1

医療・保健従事者、地域やお母さんのサポートグループのための情報源―困ったときはこちらへ

WHO/UNICEF Breastfeeding Counselling: a training course. WHO/CDR/93.3-6
World Health Organization training course materials and technical documents   and
LINKAGES ToT for mother support groups  (pdfファイル)
La Leche League International: useful information on many practical aspects
of breastfeeding      ラ・レーチェ・リーグ日本
Breastfeeding Women at Work
unicef_logo「母乳だけで赤ちゃんを育てること」に関する情報や支援をさらに詳しく知りたい方は、地域のユニセフ事務所や委員会にご連絡ください。詳細はユニセフのウェブサイトをご覧ください。<www.unisef.org/infobycountry/index.html>

その他母乳育児については、<www.unicef.org/nutrition/index_action.html>をご参照ください。

waba_logo世界母乳育児行動連盟(WABA)は、母乳育児を保護・推進・支援する個人と組織の世界的なネットワークです。WABAの活動は、「イノチェンティ宣言」、「すばらしい未来を作り出すための10のリンク(連結)」、「乳幼児の栄養に関する世界的な運動戦略」に基づいています。中心となる仲間は、国際乳児用食品行動ネットワーク(IBFAN)、ラ・レーチェ・リーグ・インターナショナル(LLLI)、国際ラクテーション・コンサルタント協会(ILCA)、Wellstart  Internationalウエル・スタート・インターナショナル、母乳育児医学アカデミー(ABM)、LINKAGES(アメリカの国際開発局の乳幼児栄養改善に関するプロジェクト)です。WABAは、ユニセフ(国連児童基金)の諮問資格を有し、また国連経済社会理事会(ECOSOC)の特殊協議資格を持つNGOです。2004babydrum

WABAはいかなる形でも、母乳代用品、関連する器具や母乳育児中の母親に対する商業的な食品、商業的な補完食(離乳食)を生産、販売流通する企業からの資金援助や寄贈はお断りしています。WABAは世界母乳週間の参加者全員が、この倫理上の立場に従い、これに敬意を払ってくださるようお願いしています。

このプロジェクトはオランダ外務省(DGIS)の資金提供とユニセフの支援を受けています。しかし、このパンフレットの内容は必ずしも両者の方針や見解を反映しているわけではありません。

最初は母乳だけ、その後も他の食べ物を補いながら母乳を与え続ける。金色のリボンは、 その「ゴールド スタンダード」、つまり理想のありようの象徴です。

WABA(世界母乳育児行動連盟)とユニセフが共同で提唱している「金色のリボン運動」に参加しています。

Facebook 母と子の育児支援ネットワーク(災害時の母と子の育児支援 共同特別委員会)

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