投稿者: bsn-admin

Day2 国際規準の歴史/入門国際規準

■国際規準の歴史
―アナリス・アレイン氏(IBFAN)

(アナリス氏はこんにちは!と日本語で挨拶をしてくれた。明日までにはもう少しうまくなるよう練習するとのこと・・・。)

母乳代用品の出現以来、母乳で育てられる赤ちゃんはみるみる減少していった。母乳代用品の販売促進と乳幼児の死亡率は比例関係にあるということがわかり、マーケティングの規準を設けることにした。1981年まで、母乳の利点についてはほとんどわかっていなかったが、それは企業による調査のみだったからである。

WHOコードの採択により、母乳育児は世界的に保護・推進される方向に向いてきた。
日本は採択を棄権したため、企業によっては規準を守る必要はないものと捉えているところもある。
国際企業ネスレのボイコットはいまだ続いている。

IBFANは、企業の販売する権利は認めているが、倫理にもとる活動は支持しない。

1981年5月21日 世界保健機構総会で「母乳代用品の販売流通に関する国際規準」が採択されたとき、世界198カ国ある中でアメリカだけが1票の反対票を投じた。
(世界は198カ国ある! 会場にこの数を質問されましたが、400?500?という感じでした)韓国、日本はアメリカに追随するかたちでそれに近い棄権をした。

皆さんの国日本がこの規準をどの程度守っている状況にあるかは、IBFANがつくっている国のスコアチャートでチェックできるので、みてください。
■入門国際規準
―ヨン・ジュー・カン氏(IBFAN)

(ヨン・ジュー・カンさんは母国語であいさつをしてくれました。帰国するまえまでに少し勉強したいそうです。今知っている日本語は「はい」のみらしい・・・。)

日本の育児雑誌を見てびっくりした。色々な製品の広告がある。
「母乳代用品」について、規準を作った側と企業側とでは解釈が違っている。
実際には規準は、生後6ヶ月未満の赤ちゃんに与えられるものは何であれ、乳製品以外でもすべて対象となる。シリアルやお茶なども含まれる。
生後6ヶ月以降の赤ちゃんにとっては、シリアルやご飯は離乳食であり、対象とならない。フォローアップミルクは、生後6ヶ月以降の赤ちゃんにもやはり母乳を与え続けるべきという観点から代用品と解釈するべきである。(企業側の解釈は異なる。)
哺乳びんや人工乳首も規準の適用対象にあたる。

日本の企業では、例えば明治乳業のエジプトでの広告には、「母乳とほとんど同じ」という記載がある。
また、規準があいまいな国では販促用ポスターやカレンダーなどが配布されたり、母親や医療者にサンプルが渡されたりしている。
病院の産婦人科病棟に掛け時計を寄贈し、企業の名前が多くのお母さんたちの目に付くようにしているところもある。台湾のとある病院では、各病室に時計を置くために買わなければならなかったが、産科病棟だけは買わなくて済んだ。森永、明治の時計が配られているから。
育児の電話相談窓口を設けているメーカーもあるが、どのようなアドバイスがなされているか想像はつくだろう。WHO規準では乳業会社が24時間相談を受けられるホットラインサービスをもうけて宣伝することも禁止している。
1人の赤ちゃんを人工乳で育てることによって企業では450ドル儲かるという算定がされている。

人工乳で育てると健康で丸々と太った赤ちゃんに育つと印象付けるような広報(カタログの挿絵)もなされているが、科学的な根拠も実態もない話である。むしろ人工乳で育てた場合の危険性について記載されるべきである。一方で母乳育児についての情報も載ってはいるが、読めないような小さな文字で書かれていて、内容について理解を得ようとしているものではない。

例えばマレーシアでは、WHO規準を採択後国内法で法規制しており、着実な成果が見られる。
日本の乳業メーカーは国内では無法状態の商法を営んでいるが、しっかりとした法制の下で圧力を加えられる国では、その法を守っている。
たとえば(人工乳の缶ラベルのスライド)多くの国のラベルには、「母乳の方が人工乳より優れている」と表示されている。
(イランの規準法制化前と法制化後の缶ラベルのスライド)法制化後は、赤ちゃんの写真もSNOWBRAND(雪印)の文字もなく、白い缶になっている。
国内ではなぜ同様の倫理規準をもって商売ができないのか・・・。

81年まで「フォローアップミルク」は存在しなかったが、「人工乳のみ規制対象となる」との企業側の法解釈により、「フォローアップミルク」が作り出された。

WHOは2001年まで離乳食を始める期間(完全母乳の期間)を生後4から6ヶ月としていた。(現在は生後6ヶ月)
この2ヶ月間での企業の利益には20億ドルの違いが出てくる。

規準についての重要な3つのポイント・・・
規準について話すときには、その後の勧告も含めて語りましょう。
規準はすべての国で適用されるもの。
規準はすべての母乳代用品に適用されるもの。

文責:本セミナー情報発信チーム

Day2 母乳代用品のマーケティングに関する国際規準と その後の世界保健総会決議に関するモニタリング

―ヨン・ジュー・カン氏(IBFAN-乳児用食品国際行動ネットワーク)

昼食の後なので会場の皆さんが眠くなってしまうから、プレゼンテターは交代しながらします。

まず企業によって雇われている人や企業自体がモニタリングをすることはできない。
独立透明な人がモニタリングするべきである
・国際規準を確実に見る
・企業の方針変更
・政府に情報提供
・法の必要性を検討
・最近の傾向として面白いのは、消費者がこの会社はいい会社か悪い会社か倫理的な問題としてどうかを教えること。

いまだに国際規準が法制化されていない国(タイ・日本)では・・・
美しい赤ちゃんの写真や絵を使って広告されている。

われわれは国際的に同じ規準で測ることを開発した。
企業に対する態度やアンケートなどのモニタリングの規準を開発した。

正確で、共有され、公開された情報は効果的である。その情報をもって広告業界を訴えていくことが大切。
日本での法制化をするためにSIMを作った。会場の皆さんでできることとしてモニタリングをやっていって欲しい。

違反があった場合、マレーシアのペナンのジュー・カンさんのいる事務所(資料に住所が載っている)に報告する。
自分たちでそういうグループを作ってモニタリングしてやっていくことはできる。
違反の情報
When=ポスター等のものがいつ作られたかだけでなく、最後にいつ見られたかということも大切な情報である。
How=どのような違反が起こったのかという確証の情報が大切である。
情報を得るために、話を聞く(インタビュー)も大切。
インタビューの時は、意見(説教)はできない、でも一職員として(たとえば看護師)ならば「それをやめよう」等の意見はいってもいい。

(会場の参加者の職業を訊く)助産師が多く、医師は一人。病院や保健所等で働く人々の意見は貴重である。
(一人の助産師にコード違反をみますか?と質問、「山ほど見てますよ」という答えでした。)

(明治乳業のカレンダーを例に)どこが違反か?
赤ちゃんの写真とともに明治乳業の粉ミルクの缶の写真がある。
もし、缶の写真がなくても、MEIJIと会社の名前が入っているから違反。
(ピジョンの出している小冊子を例に)どこが違反?
外見は会社の名前が入っているのみ、だが、中身は・・たとえば「哺乳ビンはママの分身」と書いてある。
→情報を与えることはOKだが、人工乳が理想的のようなイメージを与えてしまうことはダメ!
もし、ここに、「母乳育児が一番だが、どうしても母乳で育てられない、母乳が足りない時のためにどうぞ」というのであればOK。
しかし、「どうしても母乳で育てられない、母乳が足りない時」が強調されすぎてはいけない。

―アネリス・アレイン氏(IBFAN-乳児用食品国際行動ネットワーク)

企業を規制するためにSIMフォームを作った。「母乳から人工乳にしたほうがいいというようなことを言っていた場合は、SIMを使って反論できる」
違反があったときは、マレーシアのペナンに通報できるのだが、自分たちでそれをしてもよい。
多国籍企業に対して、倫理的透明性を訴えていく。人々が訴えていけば、だいたい企業は改めていく。
個人的にどうやるか。
・国際基規準を知る。
・販売促進戦術について知る。たとえば、カレンダーの健康そうな赤ちゃん、そこに人工乳の缶が写っているのも、企業のロゴもどちらも違反。会社の名前があることと健康そうな赤ちゃんがいると、名前とイメージが結びつくから違反である。
ピジョン社の乳幼児の保育に関する本には、まったく製品説明が加えられていないが、この本は病院でお母さん方に配られている・・・内容は「おっぱいと哺乳びんとミルクはお母さんの分身。ゆうちゃんは大好きだよ」など人工乳を母乳と同列に置くもの。本の後ろに「ピジョン社」と書かれているだけでその他の宣伝などはない。情報を提供することはいいことだが、母乳育児に関連したようなことを言って、人工乳育児を理想化してはいけない。
企業が与える情報について「もちろん母乳育児は赤ちゃんにとってベストな方法です」と言っておきながら、「ですが、あなたの母乳が十分でないときにこれを使ってください」というやり方について、これから説明しましょう。

特に企業がいくつかの販売促進戦術を使っている場合に、訴えるための道具がSIMフォーム。SIMでは、8種類のフォームがある。お母さん対象のもの(今の情報がほしいという理由と、生後6ヵ月未満の子どもには完全母乳育児を勧める必要から、生後6ヵ月未満の赤ちゃんのお母さん)、店舗でどのように販売宣伝されているかについて、病院において企業がどのように販売しているかについて(これは保健医療従事者が一番の情報源である)などの種類がある。
情報を得る方法が重要。私たちは見たり聞いたり言ったりしていかなければならない。そのレポートをペナンのIBFAN事務所に提出できる。それを政府に提出できるものかどうか見ていく。
これは告げ口ではないし、私たちが訴える対象はあくまでも会社なので、あなた方(従事者)を訴えるわけではない。

違反の重要な情報・・・それが見られた時期がいつであったかが重要。なぜ違反なのかを知っておくことが必要。どのように違反が起こったか。モニターした人の匿名性を守ること。違反の確証となるものが必要。重要な情報は、人話すことによって得られることもある。見えないものの違反。
・モニターは見る。聞く。しかし説教はしないこと。
「母親のためのミルク」というようなキャッチフレーズの妊婦・授乳婦用製品があるが、新しい傾向であり、妊娠中からお母さんをその企業に取り込むことで母乳保育に悪い傾向を与えている。そういったこともリポートして行ってほしい。しかし基本的には、国際規準の対象とする範囲内の製品の報告。
固形物について
フォローアップミルクは生後6ヵ月以降使用できる。
ミックスジュースをミルクをとくのに使う母親もいる。
WHOが推奨するグラフ、
「生後6ヵ月未満の赤ちゃんに適している」製品の判断は、哺乳びんが写っているのはダメ。この中東のビスケット(哺乳びんのミルクで溶くためのもの)のラベルは、明らかに歯がない生後6ヵ月未満の赤ちゃんをモデルに使っている。こうしたものはダメ。ラベルに「生まれてすぐから」と書かれているものはダメ。生後6ヵ月未満の赤ちゃんへの与え方や対象月齢はよく勉強しなければならない。

哺乳びんと人工乳首もまた国際規準で規制される製品。
人工乳を作っている会社はコードを知っているが、哺乳びんを作っている会社はコードを知らない可能性がある。
お母さん用の人工乳「Eお母さん」はよくない。これは新しい製品なので国際規準範囲内ではない。今現在2003年においては、規準に表示されてはいないが、あきらかにお母さんの自信を損ねる。
おしゃぶりは、国際規準の対象範囲内ではない。
しかしおしゃぶりは母乳の期間を短くしてしまう。国によってはおしゃぶりの使用を規制している場合もある。
ただ我々は、販売がいけないのではなく、販売促進がいけないのだということを覚えておかなければならない。

―ヨン・ジュー・カン氏(IBFAN-乳児用食品国際行動ネットワーク)

保育に関する教材を渡すことは大丈夫だが、それに関しては規制がある。42条。母乳育児の有意と利点を明示するなど。(資料にあり)
(明治乳業の作った育児書を読む)「哺乳びんもミルクも・・祐ちゃんの新しいなかよしだね」「乳首はデリケート。半分くらいのお母さんが産後すぐ乳首のトラブルを経験しているんだ。お母さん痛くてかわいそう」こうした形でお母さんの自信を失わせ母乳と人工乳を同列におくのは罪だと私は思う。

広告に使われている母乳育児をしているお母さんは概して笑顔がなく、自信なさそうな、悲しそうな表情をしている。母乳を与えている写真は、部屋で部屋着を着て暗い表情。人工乳を与えている写真は、赤ちゃんとのアイコンタクトがあり、きれいな服を着て出かけようとしているお母さんで、幸せを絵に描いたよう。このイメージ戦略はフェアではない。
また人工乳のおまけをいろいろつけ、飛行機のボーナスマイルが貯まるから人工乳を買うようなことになっている。

保健医療施設内の販売促進についての条項で、時計やサンプルをわたすのもダメ。
タイのBFHでは、ベッドの下から、青いくまのマークのついた人工乳製品の箱が見つかった。
病院にサンプルを渡すことは許されていないので、企業は一応請求書を送るが、実際には支払いをしない。

保健医療施設で、小売価格の80%以下で製品を受け取ってはいけないことになっている。
ただ会議にお金を出すことは制限がないので、会議のスポンサーになって大きく企業ネームが入っていたりする。
ブラジルは自国の規準を強化し、ガーバー社はブラジルではラベルに赤ちゃんを使うのをやめたが、他国では変えていない。
ネスレの青いくまの絵の使用は規制されていないが、ブラジルでは小さくなっている。日本では、生後1~2ヵ月からと書かれているものが、ブラジルでは生後6ヵ月からと書かれている。

文責:本セミナー情報発信チーム

Day2 母乳育児に関する国際参加型アクションリサーチと国際規準

―リュー・マン・ティプ氏(WABA-世界母乳育児行動連盟)

GLOPARについてお話します。
母乳育児推進はいろんな問題を抱えているが、モニタリングが非常に重要。
まずどんな問題があるか、つまり今どのくらい母乳育児の普及率があるか、認知されているかを知ることが必要で、これを調べてみなければならない。

GLOPARとは、世界規模での参加型アクションリサーチ、その名前のとおり。ネットワークを持って世界規模で情報をシェアしあう組織。
いろんな国の状況を数字でもって示すことが重要。これは1993年に考え出され、いろんな質問状をそろえ世界のグループを集めてリサーチを行うことにした。
これは小さなコミュニティーでも力を発揮することができる。

日本の「母乳育児のインフォメーション」をつくろうとしたが、今ひとつ%が出せなかった。
日本では約4800の病院のうち、25だけがBFH(赤ちゃんにやさしい病院)の認定をうけている。
「母乳育児のインフォメーション」のような資料は母乳育児を増やしていくためにも必要。ぜひ、作ってほしい。日本の情報を集めてまゆみさん(母乳育児支援ネットワーク代表・高橋万由美)に渡してもらえれば運動が広められるのではないか。WABAも協力していく。

母親を守るキャンペーン
出産後の母親に4ヵ月間の給与を支払うこと、働いている女性に母乳育児を勧める運動をやっている。

文責:本セミナー情報発信チーム

Day2 WHO国際規準:オーストラリアの経験より/The WHO International Code: Australian Experience

-Ros Escott BAppSc IBCLC

o Approximately 87% of Australian mothers initiate breastfeeding.
オーストラリアの母親の約87%が母乳育児を始めます。

o But the majority of Australian babies are bottle-fed with infant formula for at least some
of the first 12 months of life.
しかし、オーストラリアの赤ちゃんの大半は、生後数ヵ月もたたないうちに哺乳びんで人工乳を与えられてしまいます。

o 12.4% of babies are artificially fed from birth, and a further 2% receive breastmilk for
less than one week.
o 12.4%の赤ちゃんは生後すぐから人工乳や哺乳びんで育てられ、しかも2%を越える赤ちゃんは母乳を1週間ももらえません。

o At 6 months, only 47% of babies are receiving any breastmilk; more than half of Australia’s babies are artificially fed for at least half of their first year.
生後6カ月の時点で、少しでも母乳を飲んでいる赤ちゃんは47%だけです。オーストラリアの赤ちゃんの半分以上は、生後6ヵ月もたたないうちに人工栄養になっているのです。

o In 2001, there were 250,000 babies born in Australia.
o 2001年に、オーストラリアでは25万人の赤ちゃんが生まれました。

o In 2001, 6.9 million kilograms of powdered infant formula was sold in Australia.
o 2001年に690万キログラムの粉ミルクがオーストラリアで販売されました。

o That is an average of 27.6 kg of infant formula for each baby (about 6 months’ supply).
o これはひとりの赤ちゃんにつき27.6キログラムの粉ミルク(6ヵ月分として)となります。

o Each country is expected to implement the Code in a way that is appropriate to that country’s social, legal and development situation.
o 各国は、その国の社会的、法的、そして発展の状況に応じて適切に「規準」を実践することが期待されます。

o The Australian Government has chosen to implement the Code through a series of guidelines
and authorised agreements within the context of existing laws, particularly the Trade Practices Act.
o オーストラリア政府は、既存の法律(とりわけ「商取引の慣行に関する法」)の範囲内で公に合意し、一連のガイドラインを作成するという方法で、「規準」を実践するという選択をしました。

o In May 1983, two years after the Code was adopted by the World Health Assembly, an Industry Code of Practice was accepted by the Australian government.
o 世界保健総会で「規準」が採択されてから2年後の1983年の5月に、オーストラリア政府によって、Industry Code of Practiceが認可されました。

o This was an agreement that the infant formula industry would voluntarily control its marketing practices by self-regulation.
o これは、人工乳の製造会社が自社の内規で、販売業務を自主的に制御するという合意でした。

o However, there were no provisions for monitoring.
o しかし、監視体制は用意されていませんでした。

o The companiesユ marketing practices in Australia did not reflect the full provisions of theInternational Code.
o オーストラリアにおける企業の販売業務は国際規準の条項を完全には反映していませんでした。

o In 1992, a new agreement was signed between the Australian Government and the manufacturers and importers of infant formula.
o 1992年に、オーストラリア政府と人工乳の製造および輸入企業との間で新しい合意が正式になされました。

o This is called the Marketing in Australia of Infant Formula (MAIF) Agreement
o これは、「オーストラリアにおける人工乳販売に関する合意」(MAIF)と呼ばれています。

o This agreement is almost the same as the International Code, but it only covers infant formula.
o この合意は、ほぼ国際規準と同じですが、ただ人工乳のみに適用されます。

o There is no agreement on the marketing of bottles and teats, etc.
o 哺乳びんや人工乳首などには適用されないのです。

Other Australian laws address other aspects of the Code:
オーストラリアの法律には、「規準」の他の部分を表記しているものがあります。

o Quality and labelling are covered by law under the Australia New Zealand Food Standards Code and the Export Control Act.
o 品質とラベルは、「オーストラリアとニュージーランドにおける食品規準コードおよび輸出制御法」という法律が適用されます。

o Consumer law covers misleading and deceptive conduct.
o 誤解をまねいたり、だましたりするような販売方法には、消費者保護法が適用されます。

o The Therapeutic Goods Act addresses misleading therapeutic claims
o 「治療用の物品に関する法」には誤解を招くような情報に対しての見解が書かれています。

o Unlike the first agreement, the MAIF Agreement provides for monitoring through the Advisory Panel on the Marketing in Australia of Infant Formula (APMAIF).
o 最初の合意とちがって、MAIF合意にはAPMAIF(乳児用人工乳のオーストラリアにおける販売助言委員会)による監視体制が備えられています。

o APMAIF is a five-person panel set up by the government to monitor the MAIF Agreement and
advise the Australian government on implementation of the International Code.
o APMAIFは政府から委託された5人の委員で構成され、MAIF合意を監視し、国際規準の実施に関してオーストラリア政府に助言する仕事をしています。

o I was the first community representative on the Panel, from 1992 to 1997
o わたしは1992年から1997年まで、委員会の初代の地域代表を勤めました。

o APMAIF publishes an annual report which discusses what the Panel has done during the year.
o APMAIFは、1年間の委員会活動を検討し、年次報告を出版します。

o The Report names the companies that have breached the Code in Australia, and describes each of the breaches.
o 報告書にはオーストラリアの「規準」に違反した企業の名前を公表し、その違反の内容も記載されます。

o How well has the Code been implemented in Australia?
o オーストラリアでは、どのくらい「規準」が守られているでしょうか?

o Does infant formula compete with breastfeeding?
o 人工乳は母乳育児と「競争」しているでしょうか?

o Compared to countries like the USA, where the Code has not been implemented, the
companies’s marketing practices in Australia are definitely restrained.
o 「規準」が守られていないアメリカ合衆国のような国と比較すると、オーストラリアでは企業の販売行為は明確に規制されています。

o Most companies try to comply with the words of the MAIF Agreement, but their primary goal
is to find ways to sell more infant formula.
o 大半の企業はMAIF合意に書いてある言葉には従おうとしていますが、最優先の目的はなんとか少しでも多くの人工乳を販売する方法を見つけることです。

o Activities of retailers are not covered by the Code in Australia.
o 販売員の行動は、オーストラリアの「規準」の適用は受けません。
o Infant formula continues to appear in pharmacy and grocery store catalogues.
o 薬局や食料品店のカタログには、人工乳がまだ載っています。

o Bottles and teats are still widely advertised to parents.
o 哺乳びんや人工乳首はいまだに一般の親向けに広告されています。

o Bottle and teat labels and advertisements make misleading claims
o 哺乳びんや人工乳首のラベルや広告には誤解させるような情報が書いてあります。

o Although it has mostly stopped, sometimes samples of infant formula are given to health
professionals to pass on to parents.
o ほとんどなくなったとはいえ、人工乳の試供品が保健医療従事者に手渡されて、それが親の手に渡ることもあります。

o Follow-on formula (for babies aged 6-12 months) is covered under the MAIF Agreement in
Australia.
o フォローアップ・ミルク(生後6~12ヵ月の赤ちゃん用)は、オーストラリアではMAIF合意が適用されます。

o The companies canユt advertise infant formula and follow-on formula, so they invented toddlerformula (for young children over 12 months of age).
o 企業は人工乳もフォローアップ・ミルクも広告できません。そこで、「幼児用ミルク」(12ヵ月以上の幼児用)というものに方向転換しました。

o Toddler formula is just another way of marketing the same infant formula brand names to mothers
o 「幼児用ミルク」は母親向けに、同じ人工乳のブランド名を変えただけのものです。

o The materials produced by companies for health professionals are not always restricted to
scientific and factual informations.
o 保健医療専門家向けに企業が作った資料は、「科学的で事実に基づく情報」だけとは限りません。

o Health professionals know that breast is best, but the companies have convinced them that
modern infant formula is very close to breastmilk.
o 保健医療専門家は母乳育児がいちばん良い、ということを知ってはいるのですが、企業は、最近の人工乳は母乳に非常に近い、と信じこませています。

o Health professionals advise mothers about infant feeding, and mothers respect their advice.
o 保健医療専門家は母親に赤ちゃんの栄養法についてアドバイスし、母親もそのアドバイスを尊重します。

o The companies produce diaries, which they give to health professionals.
o 企業は手帳を作って、保健医療専門家に配ります。

o The child health nurse might consult the Immunisation Schedule in her diary, in front of
a mother, and the mother will see the opposite page of advertising.
o 保健師は、自分の手帳をめくりながら、予防接種の予定について母親に話をすることがあるかもしれません。その母親は手帳の裏表紙に広告が載っているのを見ることでしょう。

o The companies are not permitted to advertise directly to mothers…
o 企業は直接母親対象に広告をすることは許されていませんが…

o So they cheated and made the labels on the cans more attractive.
o 缶のラベルをごまかして母親の注意を引くようなものにしています。

o Company produced infant feeding information is always biased
o 企業が提供する乳児の栄養に関する情報は「常に」偏っています。

o They may pretend to support breastfeeding, but the primary goal of the company is to sell
more formula.
o 母乳育児を支援しているかのように見せかけていますが、最優先の目的は、もっと たくさんの人工乳を売ることです。

o These two pictures are from a company’s infant feeding booklet.
o この2枚の写真はある企業のパンフレットです。

o Which mother and baby are looking into each other’s eyes?
o お互いの目を見つめ合っている母と子はどちらでしょうか?

o One mother is exposing a lot of breast and is probably at home in the nursery, and the othermother is dressed to go out. Which mother looks like she has a more interesting life?
o ひとりの母親は胸をはだけておそらく自宅の子ども部屋にいます。もうひとりの母親はおしゃれしてでかけるところです。どちらの母親がすてきに見えますか?

o Mothers make decisions about infant feeding against a background of messages that artificialfeeding is a readily available, safe, and an acceptable way to feed a baby.
o 人工栄養はいつでも簡単にできて、安全で、そして十分満足できる方法であるというメッセージが背景にあるのにもかかわらず、母親は、自分の子どもをどんな栄養法で育てるかということを決める決定権があります。

o Well you think formula must be just as good, otherwise they wouldn’t put it on the shelf.
Comment by young mother

○「人工乳だって、同じくらいいいに決まってます。だってそうでないとお店で売ってないはずだもの。」(ある若い母親の言葉)

o Is infant formula really just made out of cow’s milk? I thought it was the same as breastmilk. Comment by young mother.
「人工乳って、ほんとうに牛乳からできているの?母乳と同じかと思ってたわ。」 (ある若い母親の言葉)

o Australia is a developed country with a safe water supply.
o オーストラリアは先進国で安全な水が得られます。

o Some people think that bottle feeding in Australia is therefore not a health problem.
o だからオーストラリアでは、哺乳びんで育てることは健康の問題ではない、と考える人もいます。

(翻訳 瀬尾智子Tomoko SEO, MD, IBCLC)

国際規準違反報告フォーム

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